【医師監修】夏に要注意! 子供の虫刺され、虫の種類別症状や対処法

【医師監修】夏に要注意! 子供の虫刺され、虫の種類別症状や対処法

夏は楽しい野外レジャーの季節ですが、野山で虫に刺されることも多いもの。子供が刺されたときはどうしたらいいのでしょうか? つらいかゆみや腫れ、痛みなどの症状を和らげる対処法を知って、適切にケアしましょう。刺されないための予防法も紹介します。


この記事の監修ドクター
大越陽一先生
杏林大学医学部卒業、杏林大学医学部小児科学教室任期助教、埼玉県立小児医療センター循環器科医長を経て現在アルテミスウィメンズホスピタル小児科部長。小児科専門医

虫刺されとは

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虫刺されとは、虫に刺咬(しこう)されて起こる皮膚炎の総称で、「虫刺症」ともいい、虫に触れることで起こる皮膚炎も含まれます。

血が吸われる際に注入される唾液成分へのアレルギー反応や、毒液に含まれるヒスタミン類によって症状が起こります。そのため、年齢や注入された毒液の量、アレルギー反応の程度などによって症状に個人差があります。

原因となる虫の種類はいろいろ

「虫刺され」というと真っ先に思い浮かべるのは蚊ですが、実はそれだけではありません。

虫刺されの原因となる虫はさまざまで、例えば吸血するために刺したり咬んだりする虫として蚊以外にもアブやブユ、ノミ、ダニが、毒針で刺す虫としてハチがいます。また咬む虫としてクモやムカデ、触れることで皮膚炎を起こす虫として有毒毛を持つ毛虫やチャドクガなどがいます。

虫の種類別 刺されたときの症状など

虫の種類によって刺されたときの症状や応急処置、注意点が異なります。

蚊に刺されたとき

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蚊は山や野原以外に普段私たちが生活する場にも生息し、顔や手足など肌を露出している部分を刺して吸血します。

刺された場合の症状は、
・すぐにかゆみがでて赤くなり1〜2時間で軽快する「即時型反応」
・1〜2日後に紅斑やかゆみが出る「遅延型反応」
にわかれます。

一般に乳幼児期には遅延型反応で、幼児~青年期には即時型反応と遅延型反応が混ざり、青年~壮年期には即時型反応のみになるといわれますが、実際には個人差があります。反応は遅延型の方が強いため、小さな子供では蚊に刺されて大きく腫れたり、水ぶくれになることがあります。

ブユに刺されたとき

ブユは高原や山間部の渓流沿いに多く生息する体長2~4mm程度の小型のハエのような虫。ブヨ、ブトとも呼ばれます。主に朝夕に活動し、露出した太ももから足首を刺咬して吸血します。咬まれているときに痛みやかゆみを感じることはなく、直後は咬まれたところから出血します。半日くらいで赤く腫れて激しいかゆみが起こり、痛みがあったり、水ぶくれになったり、赤いしこりが長く残ることもあります。

ブユに刺された場合の応急処置

症状を軽くするため、ポイズンリムーバーを使う、指でつまんで絞り出すなどして毒を出します。口で吸い出すことはやめましょう。そのあとは後述の方法で対処を。傷は刺された傷よりも深い咬み傷なので、洗った後は念入りに消毒をしてください。

毛虫、チャドクガに触れたとき

毛虫の中でもドクガ類やイラガ類の有毒毛を持つ毛虫に触れると、激しいかゆみが起こり、じんましんのようになったり、赤い米粒大の発疹ができたりします。掻くことで広がり、痛みを伴うことも。チャドクガは幼虫だけでなく成虫やさなぎ、卵にも毒があります。

毛虫やチャドクガに触れた場合の応急処置

有毒な毒針毛は長さ0.1~0.2mmととても小さなものです。触れると皮膚炎を起こすので、子供が触ったときは毒針毛を取り除くまで患部を直接触らないでください。すぐにセロハンテープや粘着テープなどで取り除き、後述の対処をしてください。服についていることがあるので慎重に着替えさせ、脱いだ服も気をつけて扱いましょう。

マダニに咬まれたとき

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マダニは野山に生息する体長1~3㎜のダニの仲間。主にわき腹やふともも、手首、膝の裏、頭部などを吸血します。咬みついたまま血を吸い続け、数日後にダニの腹部が1㎝くらいまで膨らんで脱落します。咬まれているときは痛みなどがないため気づかず、咬まれた箇所は出血したり紅斑や水疱ができたりします。

マダニに咬まれたときの応急処置

マダニが咬みついているのを無理に取ってしまうと虫の口が皮膚の中に残り、炎症や感染症の原因となります。自分で取らずにそのまま皮膚科か外科を受診して除去してもらいましょう。
マダニは重症熱性血小板減少症候群(SFTS)やライム病、日本紅斑熱などの感染症を媒介することがあります。咬まれたら数週間は体調の変化に注意して、発熱などがあった場合は医療機関を受診しましょう[*1]。

ハチに刺されたとき

ハチの被害は秋に多く、刺されると直後から数時間以内に激しく痛み、赤く腫れます。ハチの毒によるもので、初めて刺された場合は数日以内に治まります。2回目以降はハチの毒に対するアレルギー反応が加わり、直後からじんましんがでたり、刺されて1~2日後に強い発赤、腫れが生じたりします。この反応がひどい場合はアナフィラキシーを起こして死亡することもあるため、全身状態の変化に注意が必要です。

ハチに刺されたときの応急処置

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針が残っている場合は針を抜きます(針が残ることがあるのはミツバチのみです。針の根元をピンセットでつかんで針を抜きます)。そのあと毒を絞り出すように、刺された部位をまわりから圧迫して流水で洗います。ポイズンリムーバーで吸い出しながら洗い流してもいいでしょう。洗ったあとは虫刺されの薬を塗り、よく冷やしてください。

アナフィラキシーの症状が出たとき(詳細は後述)は救急車を呼んでください。通常アナフィラキシーの症状を起こすのは2回目以降刺された時と言われていますが、一度に複数個所を刺されると、初めて刺された場合でもアナフィラキシーを起こす可能性があります。特に全身症状がなく、元気であれば心配はいりません。腫れが強くなければ必ずしも受診の必要はありませんが、あとで腫れることもあるので受診しておくと安心です。

虫に刺されたときの基本的な対処法

子供の虫刺されは大人よりひどく腫れることがあり、掻き壊しも心配です。虫の種類に関わらず基本的な対処法は同じなので、放置せずにケアしてあげてください。

家庭でのケアは?

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虫刺されに気づいたときや上記の応急処置のあとは、次のように対処します[*2]。
1 石鹸などでよく洗い、流水で流す
2 刺咬された部分を冷やす
3 虫刺されの薬を塗る
4 水ぶくれがある場合はガーゼをあてる、掻く場合は虫さされパッチを貼るなどして保護する

こんなときは受診を

症状が強いとき、発熱など全身症状を伴うとき、ステロイドが含まれている市販の塗り薬を5~6日間使用してもよくならないとき、虫刺されかわからないようなときは皮膚科か小児科を受診しましょう。

虫に刺されたときに注意すること

掻き壊して悪化させることやアナフィラキシー症状に注意しましょう。

掻き壊しによる細菌感染

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刺された箇所を掻き壊すと細菌感染を起こし、とびひになって広がることがあります。市販の塗り薬や冷やすことでかゆみを抑えるほか、虫刺され用のパッチやガーゼで保護するなどして掻き壊しを防いでください。爪は短く切っておきましょう。

アナフィラキシー症状に要注意

ハチやドクガでは激しいアレルギー症状、アナフィラキシーが起こることがあります。刺されてから数分~数十分の間にじんましんが出る、呼吸が苦しくなる(ゼイゼイする)、意識がなくなるか朦朧とする(血圧低下に伴う意識障害)、腹痛や嘔吐などの消化器症状が出るなどの症状のうち2つ以上の症状がある場合はアナフィラキシーです。呼吸が苦しい(ゼイゼイする)や意識障害が見られたら、早急に受診が必要です。救急車を呼びましょう。

虫刺されを予防するには

虫刺されはかゆみや痛みでつらいだけでなく、アレルギーや感染症の可能性もあります。刺されないように予防することが大切です。

虫よけ剤を利用する

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野外へ行くときは、防虫スプレーや体に塗るタイプの虫よけ剤を使うことである程度予防ができます。ただし主成分がディートの虫よけ剤は、子供に使用する際の注意として顔には使用しない、生後6ヶ月未満は使用しない、2歳未満は1日1回、2歳以上12歳未満は1日1~3回にとどめるといったことがあります。注意事項を守って適切に使用しましょう。

虫刺されを防ぐ服装

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野外で過ごす際には肌を露出しない服装を選びましょう。特に野山に行くときは、薄手の長袖、長ズボンを着て、手足を露出しないようにしましょう。
服の色や柄も気をつけてください。黒っぽい服、花模様の服は虫を引き寄せます。レースやワンピースなどヒラヒラとする服はハチが攻撃してくることがあるので避けて。足元もサンダルではなく、足を完全に覆う靴にしましょう。帽子をかぶる、首にタオルをまくことでも肌の露出を減らせます。

虫に近寄らない

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子供は好奇心のかたまりですが、虫がいるヤブの中には入らないようにさせましょう。また、毛虫や蛾に触れたり、ハチの巣に近づいたり、ハチにいたずらをしたりしないように注意してください。

そのほか

蚊帳を利用することも予防になります。ベビーベッドにつけられるタイプやワンタッチで広がるもの、屋外のレジャーで使えるものなどさまざまなタイプが販売されています。また、香水やヘアスプレーなどの香りがハチを刺激することがあるので、野外へ行くときは使わないようにしましょう。

まとめ

一口に虫刺されといっても刺咬する虫の種類はさまざまで、虫の種類によってはかゆみや痛みがひどいこともあります。症状が軽くすむように応急処置をして家でできる対処をしたうえで、必要があれば皮膚科や小児科を受診してください。掻き壊して悪化することや感染症の原因となることもあるので、予防もしっかりと行いましょう。最も気をつけなければいけないのはハチに刺された際のアナフィラキシーです。ハチ刺されに伴うアナフィラキシーは症状の出現が早く、注意が必要です。呼吸状態や意識状態が少しでもおかしいと感じたら救急車で受診するようにしましょう。

(文:佐藤華奈子/監修:大越陽一先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]厚生労働省 ダニ媒介感染症
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164495.html
[*2]佐久医師会「教えてドクター」
http://www.saku-ishikai.or.jp/image/pdf/-2018-all.pdf

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
※新型コロナウイルス感染症についての最新情報は、[内閣官房][厚生労働省]妊婦に関する情報[日本小児科学会]幼児に関する情報など公的機関等で発表されている情報をご確認ください。

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