【医師監修】おしゃぶりは新生児から使える? 効果や使い方は?

【医師監修】おしゃぶりは新生児から使える? 効果や使い方は?

赤ちゃんのおしゃぶり、使ってみたいけど新生児から使える? そもそもおしゃぶりの効果って? いざ使うとなると、さまざまな疑問がわいてきますね。そこで、新生児期のおしゃぶりの効果や使う際の注意点、選び方を紹介します。


赤ちゃんにおしゃぶりは必要?

Getty logo

赤ちゃんといえばおしゃぶりのイメージがありますが、おしゃぶりは育児の必須アイテムではありません。使わずに成長する子もたくさんいますし、使用にあたっていくつかデメリットもあります。一方で、上手に使えばぐずり対策になる、寝かしつけが楽になるとても助かるアイテムです。おしゃぶりについて正しく知ったうえで上手に活用しましょう。

おしゃぶりのメリットとは?

赤ちゃんにとって不可欠というわけではないおしゃぶりですが、使用する上でメリットがあります。まずはその効果を確認してみましょう。

赤ちゃんが落ち着いてお世話の負担が軽くなる

Getty logo

赤ちゃんはおしゃぶりを吸うことで精神的に落ち着くとされています。お腹がすいている、不快なことがあるなどの理由があって泣いているときは別ですが、理由なく泣いているときにくわえさせると、泣きやむことがあります。さらにおしゃぶりを使うことで、寝かしつけがしやすくなるというメリットも。そのためママ・パパの負担も軽くなり、育児のストレスが減るという効果があります[*1]。

SIDS予防効果がある?

Getty logo

何の予兆や既往歴もなく乳幼児が命を落としてしまう原因不明の病気で、乳児の死亡原因として4番目に多い乳幼児突然死症候群(SIDS)[*2]。おしゃぶりにはその予防効果があるとアメリカの小児科学会が発表しました。メカニズムは不明としながらも、乳児の安全な睡眠環境に関する19の勧告の中で、仰向けに寝かせる、母乳育児をするなどと並んで、昼寝と夜間の睡眠の導入時におしゃぶりの使用を検討するよう勧めています[*3]。ただ、日本ではおしゃぶりの使用は少ないものの、SIDSの発生率はアメリカより低くなっています。まだ国内でその相関関係を調べた研究はなく、効果があるといえる段階ではないようです[*4]。

おしゃぶりのデメリット

おしゃぶりのメリットを知ると、さっそく使いたくなるかと思いますが、一方でデメリットもいくつか指摘されています。使い始める前にデメリットについても知っておきましょう。

乳頭混乱が起こるリスク

Getty logo

乳頭混乱(にゅうとうこんらん)は、赤ちゃんが哺乳瓶やおしゃぶりの吸い方に慣れてしまい、おっぱいから飲むのを嫌がること。アメリカの小児科学会は上記の勧告の中で「母乳育児がしっかりと確立されるまでは、おしゃぶり導入を遅らせるべき」としています[*3]。母乳で育てる場合は、使い始める時期をよく検討しましょう。

依存性がある

Getty logo

たいていの赤ちゃんは言葉を話すようになると自然とおしゃぶりを使わなくなるものですが、おしゃぶりにこだわりを持つ赤ちゃんもいて、やめたいときにやめるのが大変になることがあります。
おしゃぶりは長期間使い続けていると、歯の噛み合わせに影響が出て、2歳半の時点で開咬(不正咬合)になる割合が高くなります[*5]。親にとっても便利で手放しがたいものですが、1歳半を過ぎても使っていたらやめることを意識して、2歳を過ぎるころには卒業するようにしましょう。

胃腸炎、カンジダにかかることも

あくまでおしゃぶりの洗浄・消毒が不十分な場合ですが、胃腸炎や口腔カンジダ症(鵞口瘡)にかかる可能性があります。口腔カンジダ症は、口の中の常在菌であるカンジダ菌が増えることで起こる病気。口の中に白いミルクかすのようなものがつき、こすっても落ちません。食欲低下や痛みを伴うこともあります。予防のために、おしゃぶりはこまめに交換し、使った後は洗浄して消毒することが必要です。

そのほか

新生児期より先の話になりますが、次のような影響も心配されています。

中耳炎にかかりやすくなる

Getty logo

1歳を過ぎてもおしゃぶりを使っている子供は、中耳炎にかかりやすいといわれています。おしゃぶりを使い続けることで喉や鼻の内部の圧力に影響することが原因とされています。1歳を過ぎても使っていて何度も急性中耳炎になる、滲出性中耳炎が続くようなときはやめるようにしましょう。

赤ちゃんの発達を促す機会が少なくなる可能性

赤ちゃんは生後数ヶ月で周囲のものをつかんで、何でも口に入れるようになりますが、これによって形や味などを確認し学んでいます。この時期におしゃぶりを多用していると、手でつかんだものを口に入れることができず、学習の機会が奪われるのではないかともいわれています。また、声を出す機会や親があやす機会が減り、コミュニケーションが減ることも心配されています。

おしゃぶりを使う時の注意点

では、おしゃぶりを使うにあたって、どんなことに注意すればいいのでしょうか。赤ちゃんの健康にも関わることなので、次の点を確認してよく気をつけるようにしましょう。

おしゃぶりはいつからいつまで?

Getty logo

おしゃぶりは新生児から使うことができます。ただし、母乳で育てる場合は使い始める時期に注意が必要です。

やめる時期については、たいていの赤ちゃんは成長するとおしゃぶりをくわえなくなり、その時点で終わりになります。もし1歳を過ぎても使っていたら、頻度を減らし、2歳までにやめることを目指しましょう。

おしゃぶりを使ってはいけない場合はある?

鼻水が出ているとき、鼻づまりがあるときは使ってはいけません。また使う場面を「寝かしつけのとき」「お出かけのとき」「家事をするとき」などと限定して、1日中使っていることがないようにしてください。

消毒は必要?

Getty logo

上述の感染症を予防するため、初めて使う前と、使った後は洗浄・消毒をしてください。哺乳瓶と同様に、煮沸か消毒液、電子レンジで消毒をします。洗浄や消毒の方法については、商品ごとの説明を見て確認を。おしゃぶり専用の消毒グッズもあります。

劣化していないか使用前にチェック

おしゃぶりも、続けて使っていると劣化していきます。欠けた破片が赤ちゃんの口に入ることのないように、割れたりひびが入ったりしていないか使用前に確認しましょう。もし異常が見られたら、新しいものと交換してください。

余計なものをつけない

おしゃぶりに取りつけられるおもちゃやストラップなどのグッズは、たくさん販売されていてどれもかわいいものです。便利に思われますが、窒息などの危険があるので余計なものをつけることはやめましょう。

たとえば、おしゃぶりにストラップのような紐をつけて首にぶら下げていると、首が絞まるリスクがあります。おしゃぶりにつけるぬいぐるみのようなおもちゃや、おしゃぶりと洋服をつなげることも、窒息につながる可能性があります[*3]。

新生児のおしゃぶりの選び方

Getty logo

おしゃぶりは種類がたくさんあって、選ぶのに迷ってしまいますね。その選び方も紹介します。

まずは商品に記載された月齢を見て、適切なサイズを選ぶようにしましょう。新生児は「0ヶ月~」と記載があるものにして、その後は成長に合わせてサイズを変えていきます。

そして、購入前にお手入れの方法を確認しておきましょう。おしゃぶりの素材は天然ゴムとシリコン製のものが主流です。天然ゴム製は、電子レンジに対応しておらず、薬液消毒ができません。専用の石鹸や熱すぎないお湯で洗う、と記載されている商品もあります。哺乳瓶を電子レンジや消毒液で消毒していて一緒に消毒したい時は、シリコン製を選びましょう。おしゃぶりケースに入れて電子レンジで消毒できる商品もあります。

また機能面でも、鼻呼吸や歯並びへの影響どの研究がなされて製品化しているものもあります。こういった機能面は、すべてが有効性を証明されているわけではありません。選ぶ際の参考程度にしておきましょう。

まとめ

Getty logo

おしゃぶりの使用にはメリットとデメリットがあります。ただデメリットは長期にわたって使用したときに見られることで、トラブルが起こる頻度は低く、多くの赤ちゃんは何の問題もなく使って成長しています。親にとっては育児の負荷が大きい新生児〜低月齢のうちの使用はメリットが大きいといえるでしょう。賛否両論あるのが現状ですが、長期間の使用や一日中使い続けることは避けて適切に使い、うまく活用してくださいね。

この記事の監修ドクター
梁 尚弘先生
りょうキッズクリニック(埼玉県所沢市)院長。平成10年順天堂大学卒業後、日本大学小児科研修医、沼津市立病院小児科、横須賀市立市民病院小児科、日本大学小児科助教、瀬戸病院小児科医長を経て現在に至る。小児科専門医。

(文:佐藤華奈子/監修:梁尚弘先生)

※画像はイメージです

人気のおしゃぶり

NUK ヌーク おしゃぶり キャップ付 [手指なめ 防止に] きれいな歯並びのために ジーニアス ピンク 新生児 0~6ヶ月 OCNK0230104

コンビ テテオ おしゃぶり 入眠ナビ サイズS プチケース付 スウィートブルー 【対象月齢:0ヶ月~3ヶ月頃まで】

チュチュベビー おしゃぶり 出っ歯になりにくい ミッフィー デンティスター1 授乳期用 0ヶ月~6ヶ月頃対象

¥ 1,000

参考文献
[*1]小児科と小児歯科の保険検討委員会
http://www.jspd.or.jp/contents/common/pdf/download/06_03.pdf
[*2]厚生労働省「乳幼児突然死症候群(SIDS)について」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/sids.html
[*3]「SIDS and Other Sleep-Related Infant Deaths: Updated 2016 Recommendations for a Safe Infant Sleeping Environment」
https://pediatrics.aappublications.org/content/138/5/e20162938
[*4]おしゃぶりは乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防に有効か?
file:///C:/Users/satok/AppData/Local/Packages/Microsoft.MicrosoftEdge_8wekyb3d8bbwe/TempState/Downloads/LID201608032004%20(1).pdf
[*5]「おしゃぶりについての実態調査」
https://repo.lib.tokushima-u.ac.jp/ja/109787

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
※新型コロナウイルス感染症についての最新情報は、[内閣官房][厚生労働省]妊婦に関する情報[日本小児科学会]幼児に関する情報など公的機関等で発表されている情報をご確認ください。

関連する投稿


コンビネクスト「ラップクラッチ」が2020年度日本子育て支援大賞受賞

コンビネクスト「ラップクラッチ」が2020年度日本子育て支援大賞受賞

コンビの子会社でアパレル事業を行っているコンビネクストの製品「ラップクラッチ」は、このほど、「2020年度日本子育て支援大賞」を受賞しました。


【医師監修】ベビーローションの選び方・塗り方と人気のベビーローション5選

【医師監修】ベビーローションの選び方・塗り方と人気のベビーローション5選

赤ちゃんの保湿に使うベビーローション。初めて使うときはどんなものを選べばいいのか、どうやって使えばいいのか気になりますね。選び方や使い方の基本を知って、毎日のスキンケアに役立てましょう。人気のベビーローションも紹介します。


離乳食で鉄分はどうとる?離乳食に使える鉄分豊富な食材は?【管理栄養士監修】

離乳食で鉄分はどうとる?離乳食に使える鉄分豊富な食材は?【管理栄養士監修】

離乳食が進むにつれて、赤ちゃんは離乳食の内容によっては栄養バランスが崩れやすくなり、特に健康維持のために大切な「鉄分」が不足しがちに。そこで今回は、鉄分の大切さと鉄分補給のおすすめメニューをご紹介します。


【医師監修】おしゃぶりはいつまで使っていい? 歯並びへの影響、上手にやめるコツは?

【医師監修】おしゃぶりはいつまで使っていい? 歯並びへの影響、上手にやめるコツは?

赤ちゃんのぐずりや寝かしつけ時の強い味方になってくれることもある「おしゃぶり」。しかし、いつまで使っていいのか、やめさせどきに悩む人もいるのでは。おしゃぶりはいつまで使っていいのか、やめる時期やその方法などについてまとめました。


【医師監修】おしゃぶりに消毒はいつまで必要? 煮沸・電子レンジ・消毒液の違いと人気アイテム紹介

【医師監修】おしゃぶりに消毒はいつまで必要? 煮沸・電子レンジ・消毒液の違いと人気アイテム紹介

「赤ちゃんがぐずった時、おしゃぶりが活躍した」という経験のある人もいるのでは。日々赤ちゃんが口に入れるものですから、おしゃぶりは清潔にしておきたいですよね。そんなママやパパに向け、おしゃぶりの消毒について、必要なのかどうかやおすすめの期間の目安、方法などを紹介します。


最新の投稿


離乳食のツナ缶はいつから?中期・後期・完了期レシピ【管理栄養士監修】

離乳食のツナ缶はいつから?中期・後期・完了期レシピ【管理栄養士監修】

ストックがしやすいツナ缶を常備しているご家庭は多いでしょう。もしツナ缶も離乳食に使えたら便利ですよね。今回は赤ちゃんにツナ缶をいつからあげられるか、汁は捨てた方がいいのか、離乳食ではどんな種類を選べばいいのかなどを解説します。中期・後期・完了期の赤ちゃん喜ぶツナ缶レシピも一緒にチェックしてくださいね。


離乳食のいんげん(さやいんげん)はいつから?離乳食レシピ3つ【管理栄養士監修】

離乳食のいんげん(さやいんげん)はいつから?離乳食レシピ3つ【管理栄養士監修】

鮮やかな緑色のいんげんは、離乳食に彩りを添えてくれます。今回は赤ちゃん喜ぶ3つのいんげん離乳食レシピのほか、「冷凍いんげんはそのまま使っていい?」「うんちにそのまま出てきたけど大丈夫?」などの疑問について解説します。


離乳食のなすはいつから?中期・後期・完了期レシピ【管理栄養士監修】

離乳食のなすはいつから?中期・後期・完了期レシピ【管理栄養士監修】

離乳中期以降にオススメの食材「なす」について、赤ちゃんが喜ぶレシピを3つご紹介します。その他、リニュ食を作る際に知っておきたい下処理のコツ、加熱のコツ、焼くレシピでもアク抜きは必要かなどを解説します。


離乳食の3回食はいつから?始め方や進め方など【管理栄養士監修】

離乳食の3回食はいつから?始め方や進め方など【管理栄養士監修】

2回食が順調に進み、落ち着いたら次は3回食に増やしてみましょう。「いつから3回食を始める?」「1回の量も増やしていくの?」などのママの疑問を解説します。


離乳食で2回食の進め方は?献立表や量、よくある悩み【管理栄養士監修】

離乳食で2回食の進め方は?献立表や量、よくある悩み【管理栄養士監修】

1日1回の離乳食をスムーズに食べてくれるようになったら、次のステップは1日2回食。「どんなタイミングで2回に増やす?」「量はどれくらいになる?」というママの疑問を1日の生活スケジュールを提案しながら解決していきます。