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2022年12月05日 14:13 更新

【医師監修】つかまり立ちはいつから?練習する時の注意と便利なグッズ、事故防止について

赤ちゃんが寝返りやお座りをマスターしたら、次はつかまり立ちする日が楽しみになってきますね。ここでは、つかまり立ちができるようになる時期や練習してもいいかどうか、事故防止について説明します。

つかまり立ちはいつごろから?

新生児期は泣く・飲む・寝るだけだった赤ちゃんも、月齢を追うごとにできることが増えてきます。つかまり立ちをするまでは、どのような順で発達するのでしょうか?

「座る」までの運動発達

生まれてすぐの赤ちゃんは、自分ひとりで自由に動き回ることはできません。
次のように、頭に近いところから少しずつ運動発達が進んでいきます。

頭を上げる

頭をあげる赤ちゃん
Lazy dummy

生後2週で25%、生後1ヶ月で90%の子ができるようになります。

首がすわる

生後2ヶ月で25%、生後3ヶ月で90%の子ができるようになります。

寝返り

生後3ヶ月で25%、生後6ヶ月で90%の子ができるようになります。

5秒以上座れる

生後4ヶ月で25%、生後8ヶ月で90%の子ができるようになります。

ひとりで座る

一人で座るようになった赤ちゃん
Lazy dummy

生後6ヶ月で25%、生後10ヶ月で90%の子ができるようになります。[*1]

発達の進み方は赤ちゃん1人1人で違います。そのため、順調に発達が進んでいても、この目安よりもできるようになる時期が遅い子もいます。
ただし、「お座りができるようになってから、つかまり立ちができるようになる」という順番だけは、どんな赤ちゃんにも共通しています。

つかまり立ちが始まる時期って?

乳児健診において「つかまり立ちができる」の定義は、長時間かかってもいいので、何かにつかまって自力で立ちあがることです。誰かが手伝って立たせた場合は、つかまり立ちができているとは見なしません[*2]。

お座りの後、つかまり立ちまでの発達は次のように進んでいきます。

つかまって5秒以上立つ

つかまり立ちを5秒以上できるようになった赤ちゃん
Lazy dummy

生後6ヶ月で25%、生後10ヶ月で90%の子ができるようになります。

つかまり立ちをする

生後7ヶ月で25%、生後10ヶ月で90%の子ができるようになります[*1]。
赤ちゃんの中には発達がゆっくり目の子もいるので、99.5%の子がつかまり立ちをできるようになる時期は1歳2~3ヶ月となります[*3]。

なお、低出生体重の赤ちゃんはさらに運動がゆっくり発達する傾向があります。
厚生労働省の調査によると、出生体重が100g未満であれば1歳2ヶ月の中ごろ、1000~1499gであれば生後10ヶ月の終わり、1500~1999gであれば1歳と半月ごろには、90%の赤ちゃんがつかまり立ちができるようになるとされています[*4]。

つかまり立ちの練習方法って?

つかまり立ちがなかなかできないと、親としては心配になりますが、練習をさせる必要はあるのでしょうか?

楽しそうなら練習もOK!

つかまり立ちは、練習をしなくても発達が進むにつれていつかはできるようになります。
そのため、つかまり立ちをなかなかしなくても、無理やり練習させる必要はありません。

もし赤ちゃんが、お母さんやお父さんに支えてもらいながらつかまって立つのを喜ぶなら、遊びの中でやってみてもいいですね。
でも、赤ちゃんに嫌がる様子があれば、無理にやらせるのはやめましょう。

つかまり立ちの時期、ここに注意!

動けるようになると事故が増える

キッチン周りでつかまり立ちをする赤ちゃん
Lazy dummy

つかまり立ちができるようになると、遠くまで見えるようになって赤ちゃんは喜びます。
その一方で、赤ちゃんは体に対して頭が大きく、手足の骨や筋肉は未発達なこともあって転びやすいです。また、高いところにあるものにもつかまり立ちで手が届くようになるので、注意をしましょう。

つかまり立ちが始まったら気をつけたい事故は次の通りです。

転倒

転倒したときに尖ったものや硬いコンクリートなどに強く頭をぶつけると、怪我をすることがあります。
また、イスに座らせていても、つかまり立ちをしようとすることがあります。そのまま転ぶと高いところから落ちることになって危険です。

誤飲

今まで手の届かなかった場所にあるものも、つかまり立ちで手が届くようになると、誤飲や中毒の危険が増します。テーブルの上のタバコや化粧品、洗剤、医薬品、ボタン電池などを飲み込んでしまうこともあり、とても危険です。

やけど

テーブルの上や台所などに置いてある熱い飲み物や食べ物も、つかまり立ちをすると危険になります。特にテーブルクロスやマットを引っぱって、お茶やみそ汁、カップ麺などをひっくり返し、やけどする事故がよくあります[*5]。

もう一度部屋の見直しを

部屋の窓近くでつかまり立ちをする赤ちゃん
Lazy dummy

今までは事故が起こらなかったとしても、つかまり立ちが始まったらもう一度部屋の中を見直してみましょう。

つかまり立ちで手が届く場所に危ないものがあったり、下から引っ張ると落ちてくるものがあれば、赤ちゃんの見えないところや手の届かないところに移動しましょう。テーブルクロスやテーブルマットは、赤ちゃんが引っ張ってお茶やみそ汁などをこぼす原因になるので、使うのをやめましょう。

転落の危険があるのでイスで遊ばせるのはやめさせ、安全ベルトがあれば使用しましょう[*5]。
家具の角はクッションガードなどを使って、ぶつかっても痛くないようにガードしておくのがおすすめです。

赤ちゃんを好きにつかまり立ちさせてあげられるように、ぜひ安全な環境を整えてくださいね。

まとめ

つかまり立ちの時期には個人差がありますが、早い子では生後6ヶ月ごろから5秒以上つかまって立てるようになり、1歳2〜3ヶ月で99.5%の子が自力でつかまって立ち上がれるようになります。
つかまり立ちは、運動機能が発達するにつれて自然と身につきます。そのため大人が働きかけてやらせるような練習は必要ありませんが、赤ちゃんが喜ぶなら、遊びの中で楽しくつかまり立ちに挑戦するのもいいですね。
つかまり立ちが始まると、転倒のリスクが高くなり、手の届く場所も増えて事故が起こりやすくなります。つかまり立ちが始まる前か始まったらすぐに部屋の中の見直しをしましょう。安全な環境で、楽しくつかまり立ちをさせてあげてくださいね。

(文:大崎典子/監修:梁尚弘先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]「デンバー発達判定法 DENVERⅡ」W.K.Frankenburg.M.D,2005 社団法人日本小児保健協会 日本小児医事出版社
[*2]「平成22年乳幼児身体発育調査の概況について I調査結果の概要」厚生労働省 P9
[*3]一般調査による乳幼児の運動機能通過率「平成22年度乳幼児身体発育調査」厚生労働省
[*4]「乳幼児健康診査身体診察マニュアル」国立成育医療研究センター(平成30年3月)
[*5]「子どもを事故から守る!!事故防止ハンドブック」消費者庁

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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