食感が七変化！　長芋をもっと味わうおすすめレシピ

こんにちは♪　キャラ弁・フラワーケーキ講師のよんぴよままです。

こんなに食べ方があったの？ と、驚く食材に出会うことがありますが、その中のひとつが長芋です。以前、大きな長芋を入手したときに、どんな風に食べたらいいの？　すりおろすくらいしか思いつかない……と思ったことがありました。

さすがに何日も同じ食べ方をするのも飽きてしまうので、他の調理方法を探してみたところ、そのバラエティーの広さにびっくり。

今回は、そんな大きな可能性とおいしさを秘めた長芋の魅力と、おすすめレシピをご紹介します。

長芋はヤマノイモ科ヤマノイモ属の植物。根の部分を食べる根菜です。長芋の収穫は「春掘り」と「秋掘り」の2回あります。秋は皮が薄くて瑞々しく、春は冬を超えて凝縮された旨みがあります。一般的に山芋の1種として認知されていると思いますが、山芋は長芋や自然薯などを含める総称で、山芋という品種があるわけではありません。

長芋の大きな特徴はなんといってもこの粘り。山芋の中では比較的水分量が多くて粘りは控え目ですが、それでも他の食材にはないヌメリ成分があります。ネバネバ食材は健康に良いと認知されてきましたが、長芋もその食材の代表選手。

長芋のネバネバ成分は、消化器の粘膜を保護する働きや、消化を助けたり、肝機能を高めることでも知られています。その他にもビタミン類やカリウムなどのミネラル、食物繊維も豊富。さらには消化促進を促すアミラーゼやジアスターゼなどの酵素、アミノ酸の1種であるアルギニンやサポニンは血行を良くしたり、血液サラサラ効果も。

実は芋類はカロリーが高いものが多いのですが、長芋は低カロリーなうえ、糖の吸収を抑えてくれる成分が豊富。上記の成分の多くは、消化を助け、疲労回復や抗酸化作用の高いものばかりなので、ダイエットや美容のためにもおすすめな食材といわれています。

栄養豊富な長芋ですが、食べる時や調理するときに注意しなくてはいけないことがあります。長芋に含まれるシュウ酸カルシウムの結晶が皮膚を刺激し、赤くなったり痒くなったりすることがあります。この結晶は酸に弱いため、酢を使って対策するのが一般的です。

長芋は皮を剥いたり、切ったりすると、色が黒く変色してしまいます。これは長芋のアク成分で、ポリフェノール系のドーパミンという成分が空気に触れて酸化するため。アク抜きをして白くきれいな状態で仕上げられるように、皮を剥いたり切ったりしたらすぐに酢水に浸けます。これでアク抜きとヌメリ取りもできて、すりおろしたり切ったりしやすくなります。

長芋を取り扱うときに酢を使わないままでやると、後々まで痒みが続くこともあるので、酢で手を濡らしたり、酢水に浸したりして防いでくださいね。

長芋は生でも加熱しても食べられる食材です。調理の仕方によって食感がガラッと変わるので、いろいろな楽しみ方ができるのが長芋料理の大きな特徴。

「ネバネバ」「トロトロ」「サクサク」「ホクホク」「シャキシャキ」「もちもち」「ふわふわ」など、長芋の食感の七変化には驚きです。

長芋の食べ方の代表といえば「とろろ」。すりおろしたとろろをご飯にかけて食べるとおいしいですよね！　味付けはシンプルに醤油やだし醤油をたらしたり、卵を加えたとろろ卵かけご飯もおすすめ。

まぐろとの組み合わせも定番。

とろろそばもおいしいですよね。

オクラ、納豆、メカブなどのネバネバ食品と合わせたらさらにパワーUP！　ご飯にかけてネバネバ丼や、うどんやそうめんなどの冷たい麺類にも合います。胃腸が疲れたり食欲が出ない、夏やお正月明けなどにはこんなネバネバ食材ならするっと食べることができるのではないでしょうか。

すりおろした長ねぎとは違い、そのまま食べる食感はシャキシャキ！　とろみも付いていてどんどん食べられます。キュウリや海苔と一緒に和えればあっという間に1品ができます。

【材料　4人分】
・長芋…200g
・キュウリ…1本
・大葉…4枚
・海苔…1枚
・ごま…適量
・ポン酢…大さじ2

【作り方】
①長芋は拍子木切りにして酢水（分量外）にさらす。
②キュウリも長芋の大きさに合わせて切る。
③大葉は半分に切ってから太めの千切りにし、水にさらす。
④水を切ってちぎった海苔も加えて、ポン酢で和える。
⑤ごまをふって完成。

海苔はふやけるので、最後に加えてください。

長芋を加熱すると、ホクホクとした食感に。シンプルに片栗粉をまぶして、からりと揚げてのり塩味を付けました。「カリッ」「ホクホク」「ネバトロ」と、食べ進むにつれて食感が変化していきます。火の通り方によっては「シャキ」っとした食感も。なんだか新しい新食感！　じゃがいものフライとはまた違う味わいで、大人も子どもも大好きな味です。

【材料　3～4人分】
・長芋…300g
・片栗粉…大さじ3
・青のり…大さじ1/2
・塩…小さじ１
・油…適量

【作り方】
①長芋は乱切りにして片栗粉をまぶす。
②青のりと塩を混ぜる。
③からりと揚げ、②をかける。

のり塩がおすすめですが、醤油を下味で付けたり、カレー粉をふったり、味付けをアレンジしてもいいですね♪

長芋はクセの無い素朴な味なので、豚肉の旨みをプラスしてこっくりと仕上げました。火の通り加減によって「サクサク」「シャキシャキ」「ホクホク」「ネバネバ」とした食感が楽しめます。

【材料　2人分】
・長芋…100～120g
・豚肉（生姜焼き用）…6枚
・大葉…9枚
・薄力粉…大さじ3
・砂糖…大さじ1/2
・醤油…大さじ1/2

味付けはお好みでしょうが汁を加えたり、濃さも調整してください。豚肉は、薄切り肉なら2枚重ねて使うなどすれば同じように作れます。生姜焼き用は少し厚みがあるので叩いたり伸ばしたりして広げてください。

【作り方】
①長芋を豚肉の長さに合わせ、1cm角にカットし、酢水（分量外）に浸けてアク抜き。
②豚肉を広げて大葉を1枚半乗せ、長芋を巻く。
③薄力粉をまぶす。
④フライパンでこんがり焼く。
⑤豚肉に火が通ったら砂糖と醤油を加えて煮からめる。

長芋のステーキにもう少し手を加えて、満足度の高い1品にしました。明太マヨネーズのコクと旨み、ピリッとした辛みがアクセント。チーズとの相性も抜群です。

【材料　2人分】
・長芋…8cm
・明太マヨネーズ…大さじ2
・とろけるチーズ…40g
・油…小さじ1～2
・海苔…適量

【作り方】
①長芋を2cm幅に切って酢水（分量外）に浸けてアク抜きする。
②フライパンに油をひき、長芋をこんがり両面を焼く。
③明太マヨネーズを塗って、とろけるチーズを乗せる。
④蓋をして弱火でチーズが溶けるまで焼く。
⑤細く切った海苔をかけて完成。

溶けて流れ落ちたチーズがパリパリに焼けると、これがまたおいしいです。

「サクサク」「ホクホク」「トロリ」と、加熱具合や食べ進めるうちに食感も変わります。

簡単なのに見栄えする「もっちり」食感がすごい長芋まんじゅう。白だし餡をかけた優しい味です。海老や枝豆など味と食感の違う具を混ぜて彩り良く仕上げました。

【材料　4人分】
・長芋…150～180g
・卵…1個
・カニカマ…4本
・海老…4尾
・枝豆…80g
・細ネギ…2本
・片栗粉…大さじ2
・砂糖…小さじ1
・塩…小さじ1/4
・白だし…小さじ1/4

（白だし餡）
・水…200ml
・白だし…大さじ1
・醤油…小さじ1
・片栗粉…小さじ2

【作り方】
①長芋は皮を剥いて酢水（分量外）に浸してアクを抜く。
②細ねぎは小口切り、飾り用に少量取りおく。カニカマは3つに切ってほぐす。枝豆は殻から外す。
③長芋はすりおろして、②の材料と、卵、片栗粉、砂糖、塩、白だしを加えて混ぜる。
④カップにラップを敷き、殻を剥いて背ワタを取った海老を底にいれる。
⑤③を入れてラップを絞り、輪ゴムで縛り、600wの電子レンジで5分加熱する。
⑥その間に鍋に白だし餡の材料を入れて、とろみがつくまで混ぜながら温める。
⑦ラップを外して器に盛り付け、白だし餡をかけて細ネギを散らす。

長芋まんじゅうはもちもちを通り越して「もっちり」。たけのこや椎茸など入れたり、具材はアレンジできます。

すりおろした長芋を焼くと、ふわっふわでトロっとした食感に。お好み焼き風にキャベツもたっぷり入れて焼きました。下味をつけてあるので、そのまま食べてもおいしいです。

【材料　4人分】
・長芋…250g
・卵…2個
・ベーコン…80g
・キャベツ…2～3枚
・細ネギ…3本
・薄力粉…大さじ2
・顆粒だし…小さじ1
・醤油…小さじ1

【作り方】
①長芋の皮を剥いて酢水（分量外）に浸してアク抜きする。
②キャベツは5mm幅に、細ねぎは小口切り、長芋はすりおろしてベーコン以外の材料を混ぜる。
③4cm幅に切ったベーコンをフライパンで焼く。
④③を流し入れ、蓋をして弱火で蒸し焼きにする。

長芋のネバネバ効果で気泡がいっぱいできるため、ふわっふわな状態で火が通ります。元々生でも食べられる食材なので、完全に火が通らなくても大丈夫ですが、表面が固まるまでじっくり蒸し焼きにしましょう。

ひっくり返すとこんがりベーコンがいい感じ♪　この塩気がまたよく合うんです。生地自体はふわっふわですが、食べるとトロっとした食感もあります。優しくじんわりおいしい味です。キャベツの他にニラやニンジンなど入れてもいいですね。紅ショウガも入れると彩りもよく、まさにお好み焼き味。このまま食べても十分ですが、お好みでポン酢を付けたり、ソースやマヨネーズをかけても。

豊富な栄養たっぷりの長芋は、すりおろしてとろろにするのが主な食べ方と思いがちですが、実はバラエティー豊かな味わいができる食材です。調理方法によってがらりと七変化する食感は、他の食材にはあまりないくらい多彩。生でも加熱しても食べられるので、飽きずにさまざまな料理にすることができます。皮を剥いたり切った後そのままにすると酸化して変色したり、触ると赤くなったり痒みが出たりします。お酢を活用してアク抜きしたり、ヌメリを取ると扱いやすくなりますよ。