生理開始予定日前に頭痛の症状が。妊娠と関係あるの……?
頭の全体や一部、後頭部と首の境目などが痛む ……頭痛はよくある症状ですが、つらいものです。中には何度も繰り返したり、日常生活に支障が出るほど痛みが強かったりする場合もあります。
妊活中に頭痛が起こった時、もしかして妊娠と関係する場合もあるのでしょうか?
そもそも、子育て世代の女性には頭痛のある人が多い
「片頭痛」持ちの女性は多く、30歳代女性の約20%にみられるとされています[*1]。
片頭痛は脳内で血管が拡がり、周囲の神経を刺激することで起こるとされています。妊娠中には普通、症状が軽くなる傾向があると言われますが、そうでない妊婦さんもいます。また、妊娠中に改善したとしても、半分以上の人で産後1ヶ月以内に発作が再発すると言われています[*2]。
最近はスマホやPCをよく使用することで、頭の周りや首の後ろから肩、背中にかけての筋肉が緊張するために起こる「緊張型頭痛」 を起こす人も増えています。
妊娠の影響で起こる頭痛の可能性
実は、妊娠による体の変化が頭痛を引き起こすこともあります。妊娠するとプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増えますが、これが自律神経に作用して脳内の血管を拡張させることで起こる頭痛です。
また、つわりにより食事があまり摂れないと低血糖となり、これが頭痛を起こすこともあります。

【医師監修】妊娠初期の頭痛はなぜ起こる?考えられる原因と対処法、注意すべき症状
https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/7556妊娠が成立すると体にさまざまな変化が起き始めて、時に不快な症状が現れます。頭痛もその1つ。頭痛もちの人の症状がひどくなったり、頭痛もちでないのに頭痛がするようになったり。ここでは妊娠初期の頭痛を中心に解説します。
PMS(月経前症候群)が原因の場合も
生理(月経)の3~10日前 には、月経前症候群(PMS:Pre Menstrual Syndrome)と呼ばれる不快な症状が出る場合もあり、それによって頭痛が引き起こされることもあります。
PMSの症状には、頭痛だけでなく、腹痛、腰痛、胸の張り、むくみなどの身体的症状や、精神的症状であるイライラ、集中力の低下、眠気、落ち込む、不安などがあります。PMSが原因の頭痛だった場合は、生理が始まると消えたり軽くなったりすることが多いでしょう。
その他の原因で起こる頭痛
女性は生理があるので、貧血になりやすいものですが、貧血の症状として頭痛が現れることもあります。
貧血は、血液中のヘモグロビンが減少する状態のことですが、ヘモグロビンは酸素を全身に運搬する働きがあるため、貧血になると全身に十分な酸素が行き渡らなくなります。その結果、脳が酸素不足となり、頭痛などの症状が起こることがあるのです。
その他、睡眠不足やストレス、水分不足により頭痛が起こることもあります。
妊娠超初期に頭痛薬は飲んでも大丈夫?
頭痛が起こったらなんとかして治したいですよね。ただし、確定はしていないけれど妊娠の可能性があるとき、自己判断で頭痛薬を飲んでも問題ないのでしょうか?
症状がひどい場合は、まず医療機関に相談しよう
頭痛がひどいけれど、赤ちゃんへの薬の影響が心配なのであれば、産婦人科を受診してみましょう。症状の程度などを考慮して相談に乗ってくれるはずです。 また、さきほど紹介したように貧血が原因の場合は、鉄剤による治療が行われることもあります。 受診の際は妊娠の可能性があることを必ず伝えてください。
もし、突然殴られたような痛みを感じたり、吐き気や嘔吐を伴うなど、頭痛以外の症状がある場合はすぐに医療機関を受診しましょう。
セルフケアで予防や改善する方法も
頭痛はストレッチをしたり、生活習慣に注意することで、予防したり和らげたりすることもできます。
ストレッチなどで血行を改善する
片頭痛や緊張性頭痛は、首や肩周りの筋肉の血行を改善するストレッチも有効です。肩や首回しを簡単にできるストレッチを日本頭痛学会で紹介しています。頭痛で辛いときに試してみると良いでしょう。
その他、水分も不足しないよう、こまめに摂るようにしましょう。
まとめ
早く赤ちゃんに来て欲しいと心待ちにしている時に、何か不調があると不安になりますよね。頭痛はよくある症状なので軽く考えがちですが、妊活中の大事な時だからこそ、頭痛で辛かったら我慢せず医療機関を受診しましょう。その際は妊娠の可能性があると伝えるのを忘れずに。

(文:マイナビウーマン子育て編集部/監修:宋美玄先生)
※画像はイメージです
[*1]日本頭痛学会 頭痛の診断と治療の概説
[*2]日本神経学会・日本頭痛学会: 慢性頭痛の診療ガイドライン, p139, 医学書院, 2013.
[*3]厚生労働省「健康のため水を飲もう」推進運動
※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます