【医師監修】頭皮にできるかさぶたの原因は? 予防・改善のためのケア方法

【医師監修】頭皮にできるかさぶたの原因は? 予防・改善のためのケア方法

かわいい赤ちゃんの頭に突然、かさぶたが⁉ 松かさのようにびっしり付いていて驚くこともあるのではないでしょうか。何かの病気ではないか、髪に影響はないのか心配はつきませんが、多くは自然に治る乳児脂漏性皮膚炎によるものです。


この記事の監修ドクター
大越陽一先生
杏林大学医学部卒業、杏林大学医学部小児科学教室任期助教、埼玉県立小児医療センター循環器科医長を経て現在アルテミスウィメンズホスピタル小児科部長。小児科専門医

頭皮にかさぶた状のものができる原因は?

赤ちゃんの頭の髪の毛が生えているあたりにできたかさぶた。これは何なのでしょうか?

かさぶた」ってなに?

そもそも「かさぶた」とは、血漿や炎症細胞、壊死塊などが皮膚の表面で固まったもの。医学用語では「痂皮(かひ)」と呼ばれます。血が混じっていると赤く(血痂)、膿が混じるなどすると黄色に見えます(膿痂)。外傷ができたときのほか、とびひ(痂皮性膿痴疹)や水ぼうそうなどの感染症、皮膚炎が治る過程でできることがあります。

赤ちゃんの頭皮などにつくことがあるかさぶた状のものは皮脂が固まったもの。黄色い「かさぶた」のように見えますし、そう呼ばれることも多いのですが、正確には「かさぶた」ではありません。

赤ちゃんの頭のかさぶたはなに?

赤ちゃんの頭皮にできる黄色いかさぶた状のものは「乳痂(にゅうか)」と呼ばれます。頭皮だけでなく、おでこや眉毛にも出ることがあり、乳児脂漏性皮膚炎によるものです。

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脂漏性皮膚炎とは

脂漏性皮膚炎とは、皮脂腺の密度が高いところ(顔や頭皮、体幹上部)に皮膚の炎症があらわれる皮膚炎。「脂漏性湿疹」ともいいます。

乾燥したフケや脂ぎった鱗屑(りんせつ:角質層がうろこのようにはがれる)が見られ、かゆみの程度は様々ですが、かゆみを伴わないことが多いとされています。

原因は詳しくはわかっていませんが、人の皮膚に常在し脂質を栄養源とする真菌マラセチアが関わっていると考えられています。生後3ヶ月以内の乳児と30〜70歳の成人に好発します。

赤ちゃんの場合は、乳痂のほか、耳の後ろの亀裂、顔面の赤いブツブツ(紅色丘疹)、頑固なおむつ皮膚炎などが発生することも。乳児期のものは自然に治ることが多くなっています[*1]。

赤ちゃんは脂漏性皮膚炎になりやすい

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赤ちゃんの脂漏性皮膚炎は「乳児脂漏性皮膚炎」といわれ、おむつかぶれ(おむつ皮膚炎)や新生児ざ瘡などと同様に赤ちゃんに起こりやすい皮膚炎です。新生児ざ瘡と乳児脂漏性湿疹などをまとめて乳児湿疹ということもあります。

赤ちゃんは、お母さん由来の黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響で、生理的に皮脂の生産・分泌が進むことにより、皮脂腺や毛包が詰まりやすくなったり、皮脂をエサにするマラセチアが増えやすくなっています。特に生後間もなくから2ヶ月くらいの赤ちゃんに多く見られ、その後、皮脂分泌が減っていくにつれて少なくなっていき、生後6ヶ月を過ぎるとほとんど見られなくなります。治ったあと再発することはほぼありません。

乳児脂漏性皮膚炎は感染することはありません。乳痂と一緒に毛が抜けることはありますが、その後、脱毛の原因になる心配もありません。

頭にかさぶた状のものができたときの対処法

生後2ヶ月ごろまでの赤ちゃんに多く見られ、その後おさまっていく乳児脂漏性皮膚炎への対処は清潔と保湿が基本となります。正しい方法を知って、増えるのを防いで少しでも早くきれいにしてあげたいですね。入浴時にしっかり洗うことを意識して、なくなるまで下記のケアを続けていきましょう。

家でのケア・予防方法は?

家でのケアは、まずはせっけんなどを使って洗い、余分な皮脂を取り除くことです。できてしまった乳痂は普通に洗うだけでは落ちにくいので、オリーブオイルなどでふやかしてから洗いましょう。入浴する30分くらい前に、オリーブオイルやベビーオイル、ツバキ油などをコットンに含ませ、乳痂がある部分に当てて染み込ませておきます。乳痂がふやけて柔らかくなったら入浴し、せっけんなどをよく泡立てて、指の腹でやさしく洗ってください。爪を立てて洗うことや強くこすることはやめましょう。入浴の後は忘れずに保湿を。

この方法で一気に取れないかもしれませんが、毎日繰り返して無理なく取っていけば、1~2週間くらいできれいになるでしょう。その後も、頭と顔はせっけんなどを使って洗うことが予防になります。

かさぶた状の部分を爪で剥がしたくなることもあるかもしれませんが、皮膚を傷つける可能性があるので無理に剥がすのはやめましょう。

病院での治療方法

上記の方法でも改善しない、皮膚がむけている、赤い、じくじくしている、膿んできたときなどは、小児科か皮膚科を受診してください。ホームケアの指導を受けられるほか、症状が重いときには外用の抗真菌薬や炎症所見があると判断されればステロイド軟膏が処方されることもあります。

まとめ

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頭にかさぶたのようなものができる主な原因は、乳児脂漏性皮膚炎。赤ちゃんによくある症状のひとつで、清潔と保湿を心がければ、自然に軽快することが多く、再発も少ないです。それでも治りにくい、悪化する、かゆみが強い、ほかの場所へ広がっていくような場合には小児科や皮膚科を受診するようにしましょう。

(文:佐藤華奈子/監修:大越陽一先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]MSDマニュアル「脂漏性皮膚炎」
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/14-皮膚疾患/皮膚炎/脂漏性皮膚炎
[*2]鹿児島大学医学部「赤ちゃんの洗顔―せっけんを泡立てて使用―」
http://www.kufm.kagoshima-u.ac.jp/~ped/kodomoiryo/05.first%20aid%20kit/kodomokyukyu237.htm

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
※新型コロナウイルス感染症についての最新情報は、[内閣官房][厚生労働省]妊婦に関する情報[日本小児科学会]幼児に関する情報など公的機関等で発表されている情報をご確認ください。

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