【医師監修】夜泣きの原因は? 月齢・年齢別の考えられる主な要因と対処法

【医師監修】夜泣きの原因は? 月齢・年齢別の考えられる主な要因と対処法

夜中の授乳が減ってきて、やっとゆっくり眠れるようになったと思ったら今度は夜泣きが始まった! そんなママ・パパも多いのではないでしょうか。夜泣きに悩むママ・パパのために、今回は夜泣きの原因と対処法について詳しく説明します。


そもそも、夜泣きってどんなもの?

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子育て中のママ・パパにとって、「夜泣き」はよく聞く言葉でしょう。そもそも「夜泣き」はどのような状態のことを言い、いつからいつごろまで続くのか……。まずは夜泣きの基本について知っておいてください。

夜泣きとは?

「夜泣き」は赤ちゃんによく起こりますが、病気でも病名でもありません。医学的にはっきりした定義はありませんが、一般的には「乳幼児が夜に眠らないで泣き出したり眠ったりを繰り返すこと」と考えられていて、おもな特徴は泣くことです。

夜泣きの程度は個人差が大きく、毎晩、何回も激しく泣いて起きる赤ちゃんもいれば、一晩に1回だけ泣く子、たまにしか泣かない子など、さまざまです。また、夜泣きをする時期や時間帯にも個人差があり、中には夜泣きをほとんどしない子もいるのです。

夜泣きはいつごろ始まり、いつまで続くの?

夜泣きがよく起こる月齢は生後6~11ヶ月ごろで、生後3~12ヶ月の赤ちゃんの約20%が1週間に3日以上夜泣きをするといわれています。

つまり、夜泣きをする赤ちゃんは、0歳代では5人に1人というほど珍しくないのですが、通常、1歳を過ぎると急激に少なくなり、3歳過ぎても夜泣きをしているという子はほとんどいなくなるとされています[*1]。

赤ちゃんの夜泣き 考えられる要因は?

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赤ちゃんの夜泣きなぜが起こるのかは、はっきりとは解明されていません。不安感や興奮、室内の環境やおむつの汚れなどの不快感、睡眠サイクルの乱れ、刺激やストレスなどさまざまな要因が考えられますが、月齢や年齢によっても多少違ってきます。

月齢・年齢別に、その時期の睡眠の特徴と考えられる夜泣きの要因について説明します[*2]。

0歳代

新生児期の睡眠時間は1日16~20時間ほどで、昼夜関係なく1~4時間眠っては1~2時間起きているというサイクルを繰り返します。夜中にも何回か泣いて起きますが、これは空腹や不快感が原因で、その後に始まる夜泣きとは別のものと考えます。

生後3ヶ月ごろには、1日の睡眠時間は合計14~15時間くらいとやや少なくなり、3~4時間はまとめて眠るようになります。

生後6ヶ月ごろには1日の睡眠時間は13~14時間になり、夜に6~8時間まとめて眠って2~4時間の昼寝を1日1~2回するようになるでしょう。このころには昼夜の区別もだんだんはっきりしてきます。生後9ヶ月には、1日の睡眠の70~80%を夜にまとまってするようになってきます。

また、「レム睡眠(浅い眠り)」「ノンレム睡眠(深い眠り)」という言葉を聞いたことがあると思いますが、0歳代ではこのサイクルも大人とはだいぶ異なります。乳幼児は大人に比べレム睡眠の割合が多いのですが、成長とともに減少していきます。

このように、1歳までは睡眠のリズムやパターンの変化が著しい時期で、これが夜泣きに影響している可能性があります。そのほか、昼間の刺激や体調不良、おむつの汚れなどの不快感なども夜泣きを引き起こす要因として考えられます。

1歳代

1日の睡眠時間は11~12時間程度になり、ほぼ夜に眠って、昼寝は1.5~3.5時間を1日1回くらいとるようになってきます。夜泣きの要因は、0歳代のころと同様に、睡眠リズムが定まっていないこと、昼間の刺激、体調不良や体の不快感など、いくつかが考えられます。

さらに、1歳過ぎるとひとりで歩けるようになる子も多くなってきます。行動範囲が広がることで、赤ちゃんにとっての刺激も増えるでしょう。

こうした刺激などがきっかけとなって、一般的には夜泣きがおさまってくるはずの1歳を過ぎてから、夜泣きが始まることもあるものです。

2~3歳

3歳になるまでの睡眠時間は、1歳代と変わらず1日11~12時間くらいですが、3歳を過ぎるとさらに少しずつ短くなり、1日10~11時間くらいになっていきます。

このころの夜泣きの要因も、0歳代、1歳代と同様のものが考えられますが、成長とともに行動範囲がさらに広がりいろいろな経験をする機会が増えます。日中に刺激的な経験をすることが夜泣きのきっかけとなる可能性もまだあると考えられます。

また、2~3歳以降に始まる夜泣きは、夜驚症などの睡眠障害が原因となっている場合もあります。

一度治まった夜泣きが、再開することは?

夜泣きの多くは、一時的なもので終わります。ただ、ここまでで説明したとおり、子供は成長とともに新たな体験をするようになり、受ける刺激も変わってくるものです。その過程で、一度おさまった夜泣きがしばらくして再開することもあります。

例えば、心身の成長がいったん落ち着いたり、生活環境や生活リズムを工夫するなどで一度おさまった夜泣きが、何かのきっかけで再発するというパターンです。

また、2歳過ぎてから夜泣きが始まった場合は、一般的な夜泣きと違って、たとえば「夜驚症」などの睡眠障害が原因のこともあります。

「夜驚症」は眠っていた子供が急に、泣き叫んだり暴れたりする睡眠中の異常行動です。原因は、深い眠りの状態から中途半端に目を覚ましてしまうことだと考えられています。症状はしばらくするとおさまりますし、成長とともに自然に治るのでたいていは治療せずに様子を見ることになります。

赤ちゃんが夜泣きをするときの対策は?

「これ!」といった特効薬がない夜泣きですが、できるだけ早く解放されたいものですね。まずは、年齢別に以下の方法を試してみるとよいでしょう。

0歳代

昼夜の区別がついていない生後3ヶ月ごろまでは、夜中に泣いて起きるのはおなかがすいているか、不快感からです。授乳やおむつ替えをして、落ち着かせてあげましょう。

生後3~4ヶ月を過ぎて、ある程度まとめて眠るようになってきたら、規則正しい生活リズムを意識し始めましょう。朝起きる時間と夜寝る時間、授乳の時間をだいたい決めたら、毎日できるだけ同じ時間帯になるようにします。ただし、無理はしないでOK。その子のペースに合わせて、徐々に整えていくようにしましょう。

1歳代

0歳代と同じく、規則正しい生活を心がけることが基本です。昼寝をする場合は、夜の就寝時間に影響しないよう、夕方にずれこまないように気をつけましょう。

また、夜寝る前には、テレビ、スマホ、タブレット、パソコンなどを見せないようにすることも大切です。LEDディズプレイからのブルーライトを見ていると、眠気をさそうメラトニンというホルモンの分泌が抑制されて、寝つきが悪くなってしまうからです。

2~3歳

保育園などの集団生活をする子も多くなってきて、環境の大きな変化を経験する機会が増えてくるころです。2歳までは航空券が無料だからと旅行に出かけることもあるかもしれません。

体だけでなく心も著しく成長している時期なので、環境の変化で不安になったり気持ちが不安定になったりしがちです。そんな様子が見られた日には、寝る前にやさしく抱っこするなどして、安心して眠りに入れるようにしてあげましょう。

まとめ

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なぜ夜泣きをするのかはまだはっきりわかっていませんし、考えられる要因も月齢や年齢、またその子によってさまざま。そのため、「これをすれば必ず夜泣きがおさまる!」といえる対応策がないのがつらいところですね。

夜泣きが続く時にはまず、思い当たる要因がないかを考えてみて、できる対策から試してみましょう。何をしても効果がない場合もありますが、夜泣きはやがておさまるものです。ママひとりで抱え込むのではなくパパや周囲の協力も得ながら、何とかうまく乗り越えてくださいね。

この記事の監修ドクター
大越陽一先生
杏林大学医学部卒業、杏林大学医学部小児科学教室任期助教、埼玉県立小児医療センター循環器科医長を経て現在アルテミスウィメンズホスピタル小児科部長。小児科専門医

(文:村田弥生/監修:大越陽一先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]厚生労働省:子どもの心の健康問題 ハンドブック, 124p
http://rhino.med.yamanashi.ac.jp/sukoyaka/pdf/sinsin.pdf
[*2]厚生労働省:未就学児の睡眠指針
https://www.mhlw.go.jp/content/000375711.pdf

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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