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2021年01月13日 17:08 更新

【医師監修】赤ちゃんのよく笑う・笑わないはどう違う?笑顔にするためにできること

赤ちゃんの笑顔は大人を幸せにします。でも、親としては笑顔ひとつとっても「ほかの赤ちゃんの方がよく笑うような気がする」「いつからよく笑うようになる?」などと心配になるものです。今回は、赤ちゃんの笑いがどのように発達するのかについて解説し、笑顔を引き出す遊びの例も紹介します。

赤ちゃんの笑いってどのように成長するの?

よく笑う赤ちゃん
Lazy dummy

赤ちゃんの笑顔や笑い声はとてもかわいいですね。一方で、笑顔が少なかったり、声を出して笑ってくれないと、心配になってしまうことも。そもそも、赤ちゃんは生まれた時から笑うものなのでしょうか。まずは赤ちゃんの笑いがどのように成長するのかをみてみましょう。

新生児のころから見られる笑顔

よく笑う赤ちゃん
Lazy dummy

赤ちゃんの笑い顔は、新生児期から見られます。眠っている時に一瞬、目を閉じたままにっこりするのを見たことがある人もいるでしょう。しかし、この時期の笑いは、うれしいことや楽しいことなど、外部からの刺激によって引き出されたものではなく、反射的に起こる生理的なものです。これを新生児微笑(生理的微笑、自発的微笑)といいます。

生後2ヶ月ごろになると新生児微笑が消えるとともに、人の顔を見てにっこりする「社会的微笑」が見られるようになります。この時期の赤ちゃんは顔によく反応します。ママやパパの顔だから笑うというわけではなく、ぬいぐるみなどの顔にも笑いかけます。

赤ちゃんが声を出して笑うのはいつ?

では赤ちゃんが声を出して笑うようになるのはいつごろなのでしょうか。

デンバー発達判定法(DENVERⅡ)「日本における観察項目の達成年月齢」によると、25%の子が3.9週までに、50%の子が1.9ヶ月までに、75%の子が2.9ヶ月までに、90%が3.9ヶ月までに、声を出して笑うようになるとされています。
 
また、25%の子が1.8カ月までに、50%の子が2.8ヶ月までに、75%の子が3.8ヶ月までに、90%が4.9ヶ月までに、キャアキャア声をあげて喜ぶようになります。笑顔だけでも嬉しいものですが、かわいい声が聞けるとますます愛おしさが募りますね。

赤ちゃんの「笑い」の発達(達成月齢)

25% 50% 75% 90%
自分から笑いかける 1.5月 3.3月
あやすと笑う 2.7週 2.0月 3.3月
声を出して笑う 3.9週 1.9月 2.9月 3.9月
キャアキャア喜ぶ 1.8月 2.8月 3.8月 4.9月

デンバー発達判定法(DENVERⅡ)「日本における観察項目の達成年月齢」より抜粋

このように、赤ちゃんの笑いは発達していきますが、すべての子が目安どおりに成長するわけではありません。

笑いにも個人や時間帯で違いがある?

口を開けている赤ちゃん
Lazy dummy

ほかの子と比べて「あまり笑わない」「声を出して笑わない」と心配する親御さんがいますが、大人になって静かな人とにぎやかな人がいるように、赤ちゃんにも個性があります。あやしたときにキャッキャと声を出して笑う子もいれば、微笑むだけの子もいるのです。声を出して笑わなくてもニコニコしていたり、ママやパパの声を聞いて表情が変わったり、泣きやむなどの反応があれば、それは個人差の範囲だと考えられます。

また、全ての子に当てはまるわけではありませんが、新生児期から3〜4ヶ月ごろの赤ちゃんは、夕方機嫌が悪く、泣くことが少なくありません。これはコリック(黄昏泣き)と呼ばれるもの。原因ははっきりわかっておらず、自然に解消していきますが、この時間帯はなかなか赤ちゃんの笑顔がみられないかもしれません。これは、1日に約3時間、生後6週間でピークに達し、その後は1日に1〜2時間程度となり、生後3〜4ヶ月には減ってきます。数時間以内に落ち着きいてきて、ほかの時間帯は一日中比較的穏やかなのであれば、特別心配することはないとされています[*1]。

赤ちゃんの笑顔の写真が撮りたい場合などは、朝や午前中などの機嫌のいい時間帯を選ぶのもいいかもしれませんね。

笑いと発達障害は関係がある?

赤ちゃんがあまり笑わないのは発達に問題があるから? と心配する親御さんも少なくないようです。

乳児健診で相談を

笑わないことと発達障害とは、なにか関連しているのでしょうか。

発達障害がある場合、2歳未満の時期に「あやしても笑わない」「目が合わない」「泣かない」「いつも泣いている」「抱っこを嫌がる」「寝つきが悪い」「寝てもすぐ目を覚ます」「親の後追いをしない」などの兆候が表れていることがあります[*2]。しかしながら、乳児期に発達障害の確実な診断を行うのは難しいのも事実です。

乳児健診では、体の発育や発達だけでなく、精神・社会性の面での問題の有無もみているので、何か気になることがあれば、乳児健診の際に相談してみましょう。また、かかりつけの小児科医に相談するのもいいでしょう。

赤ちゃんの笑いを引き出すふれあいや遊び

赤ちゃんの笑いには個人差があります。しかし、楽しいことやうれしいことが少なければ、笑う機会が少なくなるのも事実。赤ちゃんの笑いを引き出す関わり方を知っておきましょう。

五感を刺激しよう

赤ちゃんは、ママやパパとふれ合ったり一緒に遊んだりすることで、楽しい・うれしいという感情を持ちます。話しかけたり、見つめ合ったり体を使って遊んだりして五感を刺激し、赤ちゃんの笑顔を引き出しましょう。

新生児期におすすめのふれあいや遊び

ママと触れ合って遊んでいる新生児
Lazy dummy

ふれあいのコツ

生まれたばかりの赤ちゃんは、あやしても笑いません。だからといって無言で接するのではなく、たくさん話しかけましょう。泣いたら抱っこをして「どうしたの?」「大丈夫だよ」などと話しか、赤ちゃんを安心させてあげましょう。

おすすめの遊び

この時期の赤ちゃんには原始反射がみられます。これは、自分の意思とは関係なく起こる反応で、月齢を追うごとに自然とみられなくなってしまうものです。赤ちゃんの口の脇を指でツンツンすると指をくわえて吸おうとしたり、手のひらを軽く押すと握り返してきます。この時期にしかできないふれあいを楽しみましょう。

生後1〜2ヶ月ごろのふれあいや遊び

ママと触れ合って遊んでいる赤ちゃん
Lazy dummy

ふれあいのコツ

生後1〜2ヶ月ごろになると、機嫌がいいときに「あ〜」「う〜」などと声を出す(クーイング)様子が見られます。「なあに?」「あ〜、なの?」などと返事をして赤ちゃんとお話ししましょう。

おすすめの遊び

この時期の赤ちゃんは、視力の発達に伴い、人の顔をジッと見つめたり、周りのものをよく見るようになります。顔の前でおもちゃを左右にゆっくり動かして遊びましょう。

また、このころ、手足の動きが活発になり、足をバタバタさせるようになります。オムツ替えの時などに、赤ちゃんの足の裏でママの手の平をキックさせたり、足を曲げたり伸ばしたりして遊びましょう。

生後3〜4ヶ月ごろのふれあいや遊び

パパと触れ合って遊んでいる赤ちゃん
Lazy dummy

ふれあいのコツ

生後3〜4ヶ月ごろになると、あやすと声を出して笑うようになるので、赤ちゃんとのやりとりが楽しくなります。「ご機嫌だね〜」と笑顔で返してあげましょう。

おすすめの遊び

このころ、首がすわってくる子が増えるので、あおむけに寝かせた赤ちゃんの両腕を持ってゆっくり上半身をゆっくり上半身を起き上がらせ、目線があったら「いた〜!」「あばば〜!」などと笑顔で言う<起き上がり・いないいないばぁ>も赤ちゃんが喜びます。遊ぶ時はゆっくり引き起こして、またゆっくり戻してあげてくださいね。

生後5〜6ヶ月ごろのふれあいや遊び

パパと触れ合って遊んでいる赤ちゃん
Lazy dummy

ふれあいのコツ

このころ、離乳食がスタートしますが、食事は味覚や嗅覚を刺激します。「おいしいね」と笑顔で話しかけ、「食事の時間は楽しい、うれしい」と感じさせてあげましょう。

おすすめの遊び

生後5〜6ヶ月ごろの赤ちゃんは単純な動作を繰り返す遊びや手遊びが好きです。「いないないばあ」や「お手々パチパチ」「おつむてんてん」などを楽しみましょう。

まとめ

家族と触れ合ってよく笑う赤ちゃん
Lazy dummy

赤ちゃんが声を出して笑う時期には個人差があります。また、あやしたときにキャッキャと声を出して笑う子もいれば、微笑むだけの子もいます。それは個性であまり心配いりません。しかし、楽しいことやうれしいことが多い方が笑う機会は増えます。たくさん話しかけたり、親子で楽しく遊んで赤ちゃんの笑顔を引き出しましょう。赤ちゃんの反応できになることがある場合は乳児健診やかかりつけの小児科で相談を。

(文:村山真由美/監修:梁尚弘先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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