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2021年01月13日 16:38 更新

【医師監修】赤ちゃんの頭皮に異変!乳児脂漏性湿疹はどうすればいい?

赤ちゃんのお肌はスベスベだと思っていたら、頭や眉毛にかさぶたやウロコのようなものができたり、顔にニキビのようなものができてびっくり! というママやパパは多いもの。赤ちゃんの頭皮や肌の特徴や起こりやすいトラブルについて解説します。

赤ちゃんの頭皮の特徴は?

頭皮がきになる赤ちゃん
Lazy dummy

赤ちゃんの頭皮はどのような特徴があるのでしょうか。赤ちゃんと頭皮、それぞれの特徴から説明します。

新生児期の赤ちゃんは皮脂量が多い

赤ちゃんの肌はみずみずしく、皮脂が少ないイメージがありますが、新生児期から生後2ヶ月ごろまでの間は、胎児期にお母さんからもらった性ホルモンの影響が残っているため、皮脂の分泌が多くなります。
なお、それを過ぎると皮脂量はぐっと少なくなります。

頭皮は皮脂量が多い場所

頭皮は顔の皮膚などとは別のもののように感じられますが、基本的な構造は同じです。違うのは、頭には毛穴が密集していること。皮脂は毛穴から出てくるため、頭皮は体のほかの部位に比べて皮脂が多くなります。皮脂を分泌する皮脂腺が最も多いのは頭皮。ついで額、鼻などのいわゆるTゾーンです。
毛穴から出てきた皮脂は角層に広がり、水分の蒸散を防いで皮膚の潤いを守る働きをしていますが、皮脂の分泌量が多すぎても肌トラブルが起きやすくなります。

つまり、生後2ヶ月ぐらいまでの赤ちゃんの頭皮や額などは皮脂量が多く、それによる肌トラブルが起きやすい状況にあるのです。

皮脂が過剰なために起こる肌トラブル

皮脂分泌が多い新生児期に起こりやすい肌トラブルの代表的なものに「新生児ざ瘡(ニキビ)」と「乳児脂漏性湿疹(にゅうじしろうせいしっしん)」があります。このうち頭皮にできやすいのが乳児脂漏性湿疹です。

頭皮にかさぶた? 乳児脂漏性湿疹とは

頭皮にかさぶたがあり、乳児脂漏性湿疹と疑われる赤ちゃん
Lazy dummy

乳児脂漏性湿疹は頭皮や額、眉毛などに皮脂が固まった黄白色のかさぶたやウロコ、フケのようなものがみられるものです。場合によっては赤い湿疹がみられます。乳児脂漏性湿疹はマラセチアという皮脂を好む常在菌が関与していると考えられています。

生後間もなくから2ヶ月くらいまでの赤ちゃんにできやすいですが、多くの場合、適切なホームケアで自然とよくなります。なお、皮脂量が減る生後4~5ヶ月ぐらいになると、顔や体の部位によって、脂漏性湿疹と乾燥性湿疹が混在することもあります。

おうちでのケアや小児科を受診する目安

乳児脂漏性湿疹を早く治すには、お家でのケアが肝心。また、受診したほうがいいケースなども知っておきましょう。

どうケアすればいい?

入浴する赤ちゃん
Lazy dummy

はじめのうちは、「赤ちゃんの顔を洗うのがこわい」と不安感があるかもしれませんが、洗うことをためらっていると悪化の原因となってしまいます。せっけんを使って洗い、しっかり洗い流しましょう。洗った後は保湿もします。

大きなかさぶた状の塊は、無理やり剥がすと傷になり、炎症を起こす可能性があります。入浴前にベビーオイルなどでふやかしておいてから、少しずつ取りながら洗います。

受診の目安

乳児脂漏性湿疹は、かゆみを感じる子もいますが、かゆみを伴わないことが多いです。かゆみが強い、頭や顔だけでなく体や手足にも発疹やただれがある、じくじくしている、膿んでいる、ホームケアをしていてもなかなか症状が改善しないなどの場合は、アトピー性皮膚炎など小児科や皮膚科を受診して治療を受けましょう。

まとめ

新生児から生後2ヶ月ごろまでの赤ちゃんは、皮脂量が多く、特に体の中でも頭皮などの皮脂腺が多い部分には、乳児脂漏性湿疹ができやすくなっています。乳児脂漏性湿疹はホームケアが大切で、せっけんで洗う、かさぶた状の塊はベビーオイルでふやかす、洗った後は保湿するなどを心がけましょう。ホームケアでなかなかよくならず、ただれたり、じくじくしたりしている場合には、小児科や皮膚科を受診しましょう。

(文:村山真由美/監修:梁尚弘先生)

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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