【医師監修】妊活中の男性がやるべきこととは? 意外に多い男性不妊と普段気を付けたいこと

【医師監修】妊活中の男性がやるべきこととは? 意外に多い男性不妊と普段気を付けたいこと

妊活はまだまだ「女性が頑張るもの」というイメージ強いかもしれませんが、本来は夫婦が協力して行うもの。赤ちゃんを望んでいるのであれば、男性も積極的に妊活に取り組むことが必要です。妊活中に男性が気を付けたいことや生活の注意点などを紹介します。


不妊の約半数が男性側に原因あり

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男性が妊活で行うべきことについて知る前に、まずは男性不妊について知っておきましょう。

男性側に原因があるのはよくあること

不妊とは、妊娠を希望しているのに何らかの原因で赤ちゃんが授からないことをいいます。具体的には妊娠を希望し、定期的に性生活を持っているにもかかわらず、12ヶ月(1年)以上妊娠しない場合、「不妊症」と定義されます[*1]。この定義は2009年、WHO(世界保健機関)によって提言されました。

不妊になる原因は実に多岐にわたりますが、その割合を男女別に示したデータをWHOが過去に発表しています。それによると原因が女性のみ:41%、男性のみ:24%、夫婦両方:24%、原因不明:11%となっており、不妊の原因の約半数は男性側にもあることがわかります[*2]。男性不妊は決して珍しいものではないのです。

ところがまず検査を受けるのは女性

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「不妊の原因の約半分は男性側にもある」といっても、率先して検査を受けるなど積極的に妊活にかかわる男性はまだまだ少数派なようです。

女性より先に検査を受けた男性は約1割

なかなか子供が授からない時、検査を受け、どこに原因があるのかを調べることは妊活の第一歩といえます。先ほどもお伝えしたように、原因の約半分は男性にあるのですから、検査も当然、夫婦で一緒に受ける必要がある……のですが、積極的に検査を受ける男性は多いとはいえないようです。

2015年4月に厚生労働省子ども・子育て支援推進調査研究事業で行った調査によると、男性不妊の検査である精液検査を「女性よりも先に受けた」という男性は273人中28人[*3]と、約1割に過ぎませんでした。同調査では5割近くにあたる129人の男性が「女性の検査が終わってから」検査を受けたと回答しています[*3]。「妊活は夫婦で協力して取り組むことが大切」といわれるものの、「まず検査を受けるのは女性」という流れはいまだに変わっていないようです。

男性が精液検査を受けたタイミングのグラフ

精液検査を受けたタイミング(計273人のデータ)[*3]

男性不妊の有無がわかることは、その後の妊活プランに大きく影響します。男性も「積極的に検査を受ける」ことから始めてみましょう。

意外と知らない男性不妊の事実

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男性不妊の正しい知識を得ることも立派な妊活のひとつです。男性不妊については意外に知られていない事実も多いもの。この機会に知っておきましょう。

精子にも加齢による影響がある

女性は出生時にすべての卵子の素(卵母細胞)を持っており、これは生まれたあとに増えることはありません。女性が性的に成熟すると、生理周期あたりこの卵母細胞のなかの約千個ずつが同時に育ち始め、そのうちの1つだけが排卵されるという生理周期を閉経まで繰り返します。

つまり、卵母細胞は女性とともに年をとり、卵子も女性の加齢とともに古くなっていきますが、加齢とともに卵子の質は下がり、妊娠する力(妊孕性)は下がります。女性の年齢が妊娠しやすさなど卵子の質に影響することは、よく知られるようになってきました。

一方、成人男性では生涯にわたって精巣で精子が作られ続けます。そう聞くと女性のように年齢の影響はあまり受けなさそうな気がしますが、実は男性の生殖機能や精子の質も、年齢と共に低下することがわかってきました。卵子同様、精子も年齢とともに老化し、妊娠のしやすさや流産リスクの上昇などに影響を与えるのです。精子にも加齢の影響があることをぜひ知っておいてください。

精液検査の結果にはばらつきがある

精液検査は、男性不妊で医療機関を受診した人がまず受ける、基本的な検査です。実際に採取した精液を調べ、その量やそこに含まれる精子の濃度・運動率・形態などが、WHOの定めた基準値に達しているかどうかを確認します。

ところが男性の精液の状態はストレスや睡眠不足などに左右されやすく、検査を受けた時の体調によって良い結果になったり、悪い結果になったり、ばらつきが生じがちです。1回の結果だけで判断せず、複数回検査を受けるようにしましょう。

男性不妊の専門医は「男性不妊外来」にいる

不妊治療のエキスパートは「生殖医療専門医」ですが、これになるには産婦人科専門医または泌尿器科専門医である必要があります。「泌尿器科」を意外に感じるかもしれませんが、実は男性の生殖器を専門とするのは泌尿器科。ですから、大学病院など大規模な医療機関では泌尿器科の中に「男性不妊外来」が設けられています。

ただ、全国に785人いる生殖医療専門医の内訳は、産婦人科医722人、泌尿器科医63人で、圧倒的に産婦人科医の割合が高くなっています[*4]。また、日本泌尿器科学会認定の専門医は現在、全国に6,930人(2019年11月27日現在)[*5]ですので、泌尿器科のなかでも男性不妊を専門とする医師はかなり少ないことがわかります。

では、男性不妊の患者さんは何科を受診すれば良いのでしょうか。男性不妊外来が受診できればそれに越したことはありませんが、説明したとおり現状かなり数が少ないので、不妊治療を専門とする医療機関を受診することが多いようです。

なお、全国の泌尿器科かつ生殖医療専門医は、下記で調べることができます。

男性不妊の危険因子

男性不妊には遺伝や生まれつきによる先天性のものや子供のころの病気などが原因のものと、生活習慣や病気・薬などの影響によるものとがあります。

男性不妊の多くは精子がつくられる過程に問題があること(造精機能障害)で起こりますが、その原因は不明であることも少なくありません。原因不明なので予防が難しいことがほとんどですが、男性不妊の危険因子と言われるものはあるので、日常生活のうえで可能な限りそれらを避けることは、不妊症予防に役立つでしょう。

具体的には、ストレス、アルコール、喫煙、肥満、運動不足、糖尿病、精子の形成や射精に影響する薬剤や化学物質などです。また、長風呂や長時間のサウナなど精巣の温度を上げ過ぎる行動も避けたほうが良いとされています。

男性不妊と診断されたら、医療機関での治療はもちろん受けつつ、上記のようなことにも気を付けてみましょう。

まとめ

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妊活は女性だけ、男性だけなど、どちらか一方だけが頑張るものではありません。夫婦が共に同じ気持ちで臨んでこそのものです。正しい知識を身につけたうえで、できることから始めてみましょう。

この記事の監修ドクター
産婦人科専門医 齊藤英和先生
梅ヶ丘産婦人科勤務、国立成育医療研究センター臨床研究員、神戸元町夢クリニック顧問、浅田レディースクリニック顧問、近畿大学先端技術総合研究所客員教授、1 more baby 応援団理事、ウイメンズヘルスリテラシー協会理事。山形大学医学部卒業後、同大学、国立成育医療研究センターを経て現職。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖専門医、医学博士

(文:山本尚恵/監修:齊藤英和先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]日本生殖医学会:不妊症Q&Aよくあるご質問 Q2.不妊症とはどういうものですか?
http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa02.html
[*2]Comhaire FH. Definition of Infertility, Subfertility, and Fecundability: Methods to Calculate the Success Rate of Treatment In: Comhaire FH, editor. , ed. Male Infertility: Clinical Investigation, Cause Evaluation, and Treatment. London: Chapman & Hall Medical; 1996:123‐131.
[*3]厚生労働省:子ども・子育て支援推進調査研究事業「我が国における男性不妊に対する検査・治療に関する調査研究 平成27年度総括・分担研究報告書ダイジェスト版」P.9=精液検査を受けた人:そのタイミング N=273
https://www.urol.or.jp/lib/files/info/ministries/20170105_research_report.pdf
[*4]日本生殖医学会:生殖医療専門医 認定者一覧
http://www.jsrm.or.jp/qualification/specialist_list.html
[*5]日本泌尿器科学会:泌尿器科専門委とは
https://www.urol.or.jp/specialist/list/

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

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