知ってる? 「塩素系漂白剤」と「酸素系漂白剤」の使い分け方
同じ漂白剤なのに、「塩素系」と「酸素系」って何が違うの? なんとなく使っているけれど、本当にこの使い方、合っているのかな? なんて思ったことはありませんか? 今回はそれぞれの性質に合った使い方をご紹介します。
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こんにちは。ライフオーガナイザー®︎の松谷麻子です。
シミがついちゃった! 汚れがひどい! そんな時は漂白剤の出番ですね。
「漂白剤」には
■「塩素系」(液体)
■「酸素系」(液体・粉末)
があることはよく知られていることだとは思いますが、正直どっちを使えばいいのかわからなくて……と思われている方、いらっしゃいませんか?
うまくシミが取れない……。色落ちしちゃった……。そんなご経験もきっとお持ちかと思います。
「使い分け方に自信がない」そんな方に、今回は漂白剤の使い分けがしやすくなるポイントをご紹介したいと思います。
漂白剤の種類
手に入りやすい漂白剤は、全て汚れを分解するタイプで3つの種類に分かれます。
「塩素系」漂白剤
お馴染み、プールのニオイがする漂白剤ですね。
●形状 液体
●主成分 次亜塩素酸ナトリウム
●液性 強アルカリ性
●使えるもの
水洗いできるものや場所、白物繊維(素材が主に木綿、麻、ポリエステル、アクリル)、プラスチック製品(メラミン除く)、シリコン製品、ナイロン製品、人工大理石、陶器、ガラス、木、竹
●使えないもの
水洗いできないものや場所、色物・柄物、デリケートな繊維(ナイロン・ポリウレタンな、絹・毛など)金属製のもの、メラミン食器、漆器、獣毛のハケ、食品、塩素系は使えないと表示にあるもの
●特徴
漂白力が強いので、染料まで脱色してしまうことがあり、色柄物には使用できません。また、強いアルカリ性なので、綿・麻・ポリエステル・アクリル素材のみに使えます。また高い殺菌力もあります。
「酸素系」漂白剤
酸素系漂白剤には、形状が粉末のものと液体のものがあります。
<粉末>酸素系漂白剤
●形状 粉末
●主成分 過酸化水素
●液性 弱アルカリ性
●使えるもの
水洗いができるもの、色物、柄物の繊維(主に木綿・麻・ポリエステル・アクリル)
●使えないもの
水洗いができないもの、デリケートな繊維のシルクやウール、水洗いのできない衣類、含金属染料で染めた衣類、金属製の容器、ステンレス水筒の外装、アルミ製のもの、ボタン、バックル、漆器など
●特徴
液体タイプに比べて漂白力が高く、除菌効果も強力です。また、溶かした液は弱アルカリ性なので、衣類系では、「中性」または「中性洗剤使用」指定の衣類系(デリケートな素材の、毛、絹、ナイロンなど)には使うことができません。油汚れを強力に分解する力も持っているので、掃除にも使えます。
<液体>「酸素系漂白剤」
●形状 液体
●主成分 過酸化水素
●液性 弱酸性
●使えるもの
(主に衣料用として)水洗いができるもの、色物、柄物の衣類(木綿・麻・化学繊維・毛・絹)
●使えないもの
(主に衣料用として)水洗いができないもの、金属の付いているもの
●特徴
粉末タイプよりも漂白力が弱いものの、毛や絹にも使えるなどの素材にやさしく扱いやすいのが特徴です。主に洗濯用として販売されており、水洗いできる洋服のシミ取りに使ったりと、手軽に使えます。油汚れを分解する力は持たないため、基本的には洗濯洗剤など他の洗剤とあわせて使います。
漂白剤の使い分けのポイント
【ポイント①】漂白力の強さの順序を知っておく
それぞれの液性により、漂白力が違います。
強い順から
(アルカリ性)塩素系漂白剤
(弱アルカリ性)粉末酸素系漂白剤
(酸性)液体酸素系漂白剤
と覚えておきましょう。
【ポイント②】衣類の「色」「素材」をチェック
装飾に金属などがついているものは、漂白剤を使うのは避けましょう。
装飾がない衣類のシミについてご説明します。
まず白なのか色物・柄物なのかで判断しましょう!
その上で素材で判断していきます。
【白】
・木綿、麻、ポリエステル、アクリルの場合
塩素系も酸素系(粉末・液体)どれでも漂白できます。頑固なシミには塩素系を使うことより強い漂白効果を得られます。
・絹、毛、ナイロン、ポリウレタンなど上記以外のデリケートな繊維の場合
液体の酸素系漂白剤を使いましょう。
【色物・柄物】
色落ちを避けるために、酸素系漂白剤(粉末・液体)を使いましょう。
・木綿、麻、ポリエステル、アクリルの場合
酸素系漂白剤であれば、粉末・液体どちらも使えます。頑固なシミには粉末を溶かして使うことにより、より強い漂白効果が得られます。
・絹、毛、ナイロン、ポリウレタンなど、上記以外のデリケートな繊維の場合
液体の酸素系漂白剤を使いましょう。
【ポイント③】掃除の用途
家の中で水洗いできる場所であれば、塩素系も酸素系も使うことが可能です。
漂白剤とはいえ、汚れを分解して落とすのですから、掃除にも大いに利用しましょう。
【使い道①】頑固なカビ、シミ取りに
強力な漂白力を持つ塩素系を使うことで、汚れを除去できることがあります。ただし、素材自体にも負荷をかけますので、裏面の使用量の目安を守って使うことをおすすめします。
【使い道②】除菌、殺菌などの消毒用として利用する
漂白剤を薄めた溶液を使って拭きあげることによって、除菌・殺菌効果を得ることができます。
(薄める量はメーカーの指示に従いましょう)
梅雨時に室内干しすると、洗濯物が生乾きで嫌なニオイが発生することがありますよね。それは衣類に残った皮脂やタンパク質が菌を増殖させてしまうのが原因です。
色物にも使える粉末の酸素系漂白剤を洗濯時に混ぜると、殺菌することができ、ニオイが発生しにくくなります。
【ポイント④】温度によって使い分ける
粉末の酸素系漂白剤は、40℃以上のぬるま湯を使って溶かしましょう。粉のままだと漂白効果はあまり得られないので、お湯できちんと溶かしたうえで確認してから使いましょう。
また、溶けたとしても温度がすぐに下がってしまったら、漂白効果は低くなってしまいます。
冬場のつけおきはすぐに冷たくなってしまうので、温度に気をつけましょう。
私は冬場に関しては水の温度管理が大変なので、酸素系漂白剤は使わずに塩素系漂白剤を使うことが多いです。このように水の温度から使い分けることもできます。
まとめ
なんとなく分かっているようないないような……という漂白剤を3つのタイプを比較してみると、その性質や使い方も違いが分かるのではないでしょうか。
それぞれの性質を理解して家に常備しておくことで、汚れやシミと上手に付き合うことにできるようになり、せっかく買ったお気に入りのお洋服を色落ちさせることもなくなりました。
ぜひ参考にして使い分けしてみてくださいね!
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