食器のニオイ移りを防ぐ裏技! 陶器は使う前のひと工夫が大事?
陶器を使っていると、調味料や食材のニオイが染みついてしまうことってありませんか? 実は、陶器には気泡が多く、ニオイ移りしやすいのです。このニオイ移りを防ぐためには、陶器を使う前にひと工夫加えることが大切。今回は、陶器のニオイ移りを防ぐ裏技をご紹介します。
陶器の正しい扱い方
陶器の特徴
私たちが毎日使用している食器には、陶器や磁器、漆器など、さまざまな種類があります。そのうち陶器と磁器はどちらも焼き物であり、似ている部分もありますが、実はそれぞれ異なる性質を持っています。
陶器と磁器で大きく異なる点は、その原料です。磁器が石を原料としてつくられているのに対し、陶器は粘土でつくられています。石でつくられた磁器の表面はツルっとしており、滑らかで洗練された印象を与えます。一方、粘土でつくられた陶器は、磁器に比べると表面が粗くザラザラしており、素朴であたたかみのある風合いです。
粘土を原料とする陶器の特徴は、気泡が多く含まれていること。気泡が多いため、陶器は磁器より軽く、保温性にも優れています。ただし、強度は磁器ほど強くないため、磁器よりも厚めにつくられています。
さらに、陶器は水分を含みやすい性質です。そのため、しっかりと乾燥させなければニオイの原因になったり、食品のニオイが付きやすくなっています。
陶器は使う前に「ぬるま湯」つけ置きを
気泡が多く、食器にニオイが移りやすい性質をもつ陶器。食事を盛りつける際に、別の食べ物のニオイが染みついているとなんだかおいしさが半減してしまうような気がしますよね。
実は、食器のニオイ移りは、陶器を使う前に"あること"をするだけで防ぐことができます。それは、ぬるま湯につけ置きすること。約30秒間~1分間ぬるま湯に陶器を浸しておくと、陶器の気泡に水分が入り込み、その後に盛りつける料理の油分やニオイ成分が染み込むのを防いでくれます。
料理を盛りつける前にぬるま湯に浸しておくことは、ニオイ移りの防止以外に、食器を温めて、温かい料理を温かいまま提供できるというメリットもあります。そのため、冷たい料理を盛りつける場合は、ぬるま湯の代わりに冷水を使うと◎。料理の温度に合わせて、つけ置きする水の温度を変えてみてください。
陶器の洗い方
ニオイ移りしやすい陶器は、香りの強い洗剤を使って洗うと、洗剤の香りが染み付いてしまうこともあります。食事のとき、「食器から洗剤のニオイがする……」なんてことにならないように、陶器を洗うときは香りの強い洗剤を使うことを控える方がよいでしょう。あまり陶器が汚れていないときは、洗剤を使わずにぬるま湯とスポンジで洗うだけでOKですし、もし洗剤を使う場合は液体せっけんを少量のみ使うようにすると◎。
また、陶器を洗った後は、よく乾燥させることが大切です。陶器が水分を含んだ状態のまま収納してしまうと、カビが発生して嫌なニオイの原因となることもあるので注意してください。
ニオイがついてしまったときはどうする?
「もうすでにニオイが染みついた陶器がある」「陶器を正しく扱っていたはずなのに、いつの間にかニオイがついてしまった」そんなときは、裏技を使って陶器のニオイを取りましょう。
陶器のニオイ取りに使うものは重曹です。重曹といえば料理で使うこともあり、口に入っても安全。重曹は弱アルカリ性の性質をもっており、酸性の性質を持つニオイ成分を中和することで陶器を消臭してくれます。
消臭方法は、重曹を水に溶かして、そこにニオイの気になる陶器を半日~1日ほどつけ置きしておくだけ。その後、しっかりと乾燥させるとニオイが気にならなくなるでしょう。
新品の陶器を使う前に「目止め」を
陶器の目止めとは?
陶器に料理のニオイが染みつくのを防ぐためには、「目止め」をしておくとよいでしょう。目止めとは、陶器特有の粒子間の隙間を埋めて、水分や油分の浸透を防ぐための作業のことを言います。
新品の陶器を買ったときは、使う前にまず目止めをしておくと、陶器の汚れやニオイ移りを防ぐことができますよ。
目止めのやり方
陶器の目止めはとっても簡単。新しい陶器を使うときは、米のとぎ汁を用意して、以下の手順で目止めを行ってみましょう。
①大きめの鍋に食器が全てつかる量の米のとぎ汁を入れる。(もしも米のとぎ汁がない場合は、小麦粉や片栗粉を水に溶いたもので代用可能)
②そこに食器をつけて、弱火で15~20分間ほど煮沸する。
③そのまま自然に冷えるまで放置する。
④冷えたら陶器を取り出して洗い、よく乾かす。
まとめ
気泡が多い陶器にニオイが入り込むのを防ぐためには、陶器を使う前にぬるま湯や水につけ置きしたり、新品の陶器を使う前に目止めをしたりすると効果的です。ちょっと手間がかかりますが、その手間の分陶器に愛着がわくでしょう。食器を大切に使い、お皿から料理を楽しんでくださいね。