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2018年11月12日 10:30 更新

結露防止にインナーサッシの設置が効果的? 選び方と相場をチェック

窓が結露してしまうと、カビが繁殖する原因になるといわれています。結露を発生させないようにするためには、インナーサッシを取り入れて断熱効果を高めるのがおすすめです。今回はインナーサッシを取り上げ、構造や効果について解説。選び方や導入するのにかかる価格相場、利用可能な補助金制度などについてもご紹介します。

結露を防ぐインナーサッシって?

Photo by Masaaki Komori on Unsplash

インナーサッシの構造

インナーサッシは、現在ある窓の内側に取り付ける窓のこと。二重窓にすることで、外側の窓と新しく取り付けた窓とのあいだに空気の層を作ります。空気の層を維持するために、なるべく隙間を作らず気密性が高くなるように工夫されていて、外気の侵入を防いで高い断熱性や防音性も高めてくれます。

インナーサッシの断熱効果は?

Photo by Michael Browning on Unsplash

インナーサッシは、気密性が高い内窓であることから、高い断熱効果を発揮します。二重窓とすることで、外から冷気が侵入するのを防ぐことが可能です。外気と室内の暖かい空気とのあいだに中間的な空気層が作られることで、窓の内側と外側の温度差を緩和させる作用も期待できます。そのため結果的に、結露が発生しにくい状態を作るのです。

インナーサッシには、室内の熱を外へ逃さない働きもあります。冷気の出入り口となりやすい窓の断熱効果が高まることで、暖房効率が大幅にアップしますよ。

ペアガラスとどう違う?

二重窓と機能が類似しているものとして、ガラスが二重になっているペアガラスが挙げられます。それぞれ3mm程度の厚みをもったガラスのあいだに、乾燥した空気や空気よりも熱伝導率が低いアルゴンガスを入れ込んであるのが特徴です。二重サッシと同様に空気の中間層を作るため、熱の移動が遮断され、一般的な一枚窓に比べて断熱性が高くなります。室内の空気を、冬はより暖かく、夏はより涼しく維持することが可能です。

ところが、ペアガラスは空気の中間層に厚みがないので、外気の影響を受けやすく、二重窓ほど結露を防ぐ効果は期待できません。内部の空気やアルゴンガスは、封着剤によって閉じ込められていますが、封着剤は劣化しやすいという特徴があります。使い込むうちにペアガラスの内側に湿った空気が入るようになり、内部結露が生じることがあるのです。

インナーサッシの選び方

Photo by Felix Russell-Saw on Unsplash

インナーサッシの種類

インナーサッシは窓の開け方によって、「引き違い窓」「開き窓」「固定窓」の3種類があります。引き違い窓は、国内の住宅で最も多いタイプです。開き窓は、蝶番を回転させて開閉するもので、これも国内の住宅に多く取り入れられています。固定窓は窓の開閉ができない採光用の窓のこと。FIX窓ともいいます。

メーカーごとの商品タイプとしては、インプラスト株式会社の「プラスト」、YKK AP株式会社の「プラマードU」、AGC株式会社の「まどまど」、株式会社LIXILの「インプラス」などがあります。

インナーサッシの決め手は気密性?

空気には、温度が下がると水蒸気を一定量以上含むことができないという性質があります。そのため、外気によって冷やされた窓に室内の暖かい空気が触れると、余分な水蒸気が水に変わり、結露が発生してしまうのです。

結露を防ぐには、窓と窓のあいだの中間層にできるだけ室内の空気が流れ込むのを抑える必要があります。水蒸気をたっぷり含んだ暖かい空気をインナーサッシがシャットアウトできれば、外窓は結露しません。つまり、インナーサッシの気密性が高ければ高いほど、外窓の結露を防ぎやすくなるというわけです。

インナーサッシにするにはいくらかかる?

Photo by Olu Eletu on Unsplash

インナーサッシ設置の相場

インナーサッシを取り付けるには、インナーサッシ本体の価格と工事費用が必要です。インナーサッシ本体に工事費をくわえた設置費用は、掃き出し窓(180cm×170cm)の場合で8万~15万円程度。サイズが大きいと、15万~30万円程度となります。逆に、腰高窓や小窓であれば、4万~6万円ほどです。

ただし、選ぶインナーサッシや必要な部品・部材によって、価格は変動してきます。例えば、性能の高い断熱ガラスを使用すると、一般的な掃き出し窓のサイズでも設置費用が30万円ほどになります。

なお、工事は30分から2時間ほどで完了します(1ヶ所あたり)。

サッシリフォームの補助金って?

環境省の管轄のもと、「高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業(断熱リノベ)」が実施されています。「一般社団法人環境共創イニシアチブ」が定める要件を満たし、規定の製品(未使用品)を使うと補助金が支給されます。

補助されるのは、補助対象費用のうちの3分の1以内です。戸建て住宅だと120万円、マンションなど集合住宅は15万円という上限が定められています。

東京都の住宅に限定した補助金制度もあります。「一般社団法人環境共創イニシアチブ」が定める製品を使用するなどの条件を満たすと、費用の6分の1ないしは50万円のうち、いずれか低いほうの金額が補助されます。

●平成30年度断熱リノベ|事業概要パンフレット(1.5MB)
https://sii.or.jp/meti_material30/uploads/brochure_2.0.pdf

まとめ

インナーサッシを取り入れて二重窓にすることで、カビの原因となる結露を防ぐことができます。断熱性が大幅にアップすれば、電気代を節約することもできますよ。メリットとなることが多いインナーサッシ、ぜひ検討してみてください。

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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