重曹の代わりにならない!?　ベーキングパウダーが掃除に向かない理由

料理を作るときに購入したベーキングパウダーが、あまってしまうことってありますよね。ベーキングパウダーは重曹の仲間なので、お掃除に使えるはず、と思っている方もいるのではないでしょうか。実はベーキングパウダーは、お掃除には向きません。その理由についてご説明します。

まず、重曹とは、ベーキングパウダーの成分のひとつである「炭酸水素ナトリウム」のこと。一方、ベーキングパウダーは、重曹に加え、助剤や分散剤が含まれたものです。つまり、ベーキングパウダーは、単純にお掃除洗剤効果のある成分だけで構成されていないのです。また、ベーキングパウダーは適切な状態を長い期間キープするために、食品添加物が含まれています。つまり、自然由来の素材である重曹に対し、ベーキングパウダーは重曹の改良版であるため「人の手が加えられている人工物」ということになります。

ベーキングパウダーと似た用語で「ベーキングソーダ」があります。ベーキングソーダとは、重曹の英語名です。混同してしまいがちですが、ベーキングソーダ＝重曹と覚えておきましょう。ベーキングソーダとベーキングパウダーは前述のとおり、成分が違いますので注意してください。

ベーキングパウダーには、コーンスターチといわれる「でんぷん成分」が配合されています。コーンスターチは水と混ざると糊のような状態になります。つまり、シンク内の掃除にベーキングパウダーを使うとキレイになるどころか、ベタベタになり汚れがこびりついてしまう可能性もあるのです。さらに、他にも添加物が多く含まれているので、炭酸水素ナトリウムだけである重曹と比べ、お掃除効果が低く、適していないと言えます。

自然由来の素材を使用してお掃除をするナチュラル掃除において、重曹は外すことのできない重要アイテムです。食用としても使うことができるため安全性が高く、万一体内に取り込んでしまっても害がないため、お子さまのいるご家庭でも安心して使うことができると人気。では、お掃除用として使うための重曹は、どんなものなのでしょうか。

重曹の成分である「炭酸水素ナトリウム」は、とても柔らかく弱アルカリ性の性質を持っています。弱アルカリ性は、酸性のこびりついた汚れを浮かせる働きをしてくれるので、掃除をしやすくしてくれる役割があります。

重曹は「食用」や「掃除用」と、表記を分けて販売されていることがあります。しかし、実際は中身に大きな違いがありません。表記の違いは、適用している法律の違いによるもの。こういった用途で使用しても体に害はないですよ、という国からの許可を明確にするために、「食用」「掃除用」などと分けているのです。

中身はあまり変わりませんが、食用のほうが掃除用よりも価格が高い傾向があります。これは、「食用」として販売するために通過しなければならない手続きや検査などが多いため。

一方で掃除用は適用法令がないため、安く流通できるという仕組みです。ただし、掃除用の重曹を食用として使うことはオススメできません。掃除用は食用の基準をクリアしていると言えないからです。

重曹はナチュラル掃除の大定番アイテム。特徴をよく知った上で、落としやすい汚れに対して使うとお掃除時間の短縮につながり、効率よく掃除を行うことができます。ベーキングパウダーなど、重曹と似たものがたくさんありますので、事前にしっかりと確認をしてから購入をしてくださいね。