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2021年03月29日 11:01 更新

【助産師解説】新生児のしゃっくり対処法でNGな方法とは

初めてママになって、毎日出会う赤ちゃんに関する発見や驚き。その中のひとつに「しゃっくり」があるようです。新生児を含む赤ちゃんはびっくりするほど多く出ることがあります。今回はそのしゃっくりについてママ体験談と、助産師さんによる解説をお届けします。

赤ちゃんのしゃっくり体験談

しゃっくりが止まって眠る新生児
Lazy dummy

まずはママたちの「うちの赤ちゃんのしゃっくり事情」について聞いてみました。

「しゃっくりで生まれてきたことを実感」

「おっぱい時の恒例行事」

「新生児のしゃっくりにあたふた」

助産師「赤ちゃんしゃっくり」解説

新生児期を含め、赤ちゃんはしゃっくりをよくします。今回は「新生児・赤ちゃんのしゃっくり」について解説したいと思います。

しゃっくりって何?

しゃっくりは、医学用語では「吃逆(きつぎゃく)」といいます。
「ひっく、ひっく」という特徴的な音が口から聞こえますが、しゃっくりに影響しているのは口よりもっと体の奥、肺の下・胃袋の上あたりにある「横隔膜(おうかくまく)」という筋肉です。この横隔膜が何らかの刺激を受けたりして「けいれん」することで、しゃっくりが出るのです。

赤ちゃんのしゃっくり、多く出るのはなぜ?

新生児期を含め、赤ちゃんの臓器は大人に比べ未発達なので、刺激を受けやすいためしゃっくりも出やすいようです。
母乳やミルクを飲んだときなどにしゃっくりが出るのは、膨らんだ胃が横隔膜を刺激していることが考えられます。 
お腹の中の赤ちゃん・胎児のしゃっくりの理由について、明確にはわかっていませんが、肺呼吸の練習のためなど諸説あります。

赤ちゃんのしゃっくり、どうやって止める?

結論から言いますと、「赤ちゃんのしゃっくりは止めなくて大丈夫」です。しゃっくりをしていても、呼吸が苦しいなどはありませんので、無理に止める必要はありません。
胎児のしゃっくりを感じたママも多いかと思いますが、こちらも同様で、心配ありません。
多くの場合しばらくすると自然としゃっくりは治まりますが、以下のような方法で止まる場合もあります。

・ゲップを出す

母乳やミルクだけでなく、空気を飲み込むことでもお腹が膨れ、それがしゃっくりにつながっていることもあります。胃袋の中の空気を抜く、つまりはゲップを出してあげることで、しゃっくりが止まることもあります。

・母乳などを飲ませる

大人がしゃっくりを止めるときに水を飲んだりするように、赤ちゃんに母乳を飲ませるとしゃっくりが止まることがあります。ミルク育児の場合は、湯冷ましを哺乳瓶に入れて飲ませてもいいでしょう。

しゃっくりが出ること自体はほとんどの場合心配ありませんが、一時的なしゃっくりだけではなく、「ぐったりして元気がない」「熱がある」「勢いよく吐く」など様子がおかしいところがあれば、医師に相談してください。

赤ちゃんのしゃっくりの止め方で避けるべき方法

赤ちゃんのしゃっくりを止めてあげたい時、やってはいけない方法があります。

赤ちゃんをうつ伏せ寝させる

授乳後などに、大人の太ももの上に赤ちゃんを腹這いにさせると、ゲップが出てしゃっくりも止まることがあります。そのようなゲップの出し方は試して大丈夫ですし、赤ちゃんが起きている時に大人が目を離さない状況で腹這いにするのは問題ありません。しかし、なかなかしゃっくりが止まらないからと言って、うつ伏せのまま眠らせるのはいけません。うつ伏せ寝は窒息の危険があり、またSIDS(乳幼児突然死症候群)発生率が高くなることがわかっています。

■SIDSとは:前触れや既往歴(それまでにかかった病気)がないまま、乳幼児が死んでしまう原因不明の病気。窒息などとは異なります。1歳まではあおむけで寝かせる、可能な限り母乳で育てる、親を含め周囲の人が禁煙するなどで発症率が低くなるとされています。

大人と同じ止め方を赤ちゃんにする

「息を止める」「大きな声で驚かせる」など、大人がよくやるしゃっくりを止める方法を、そのまま赤ちゃんに当てはめるのはいけません。

まとめ

お腹の中にいるときからしゃっくりをしている赤ちゃん、生まれてからもしばらくは頻繁にしゃっくりをするものです。その多くが心配ないもので、無理に止める必要はありません。特に、「うつぶせ寝」や「大人と同じ方法」でしゃっくりを止めることはやめましょう。ゲップをさせたり、母乳などを飲ませたりするとしゃっくりが止まる場合もありますので、気になるママは試してみてください。

(文・構成:マイナビ子育て編集部、監修・解説:佐藤裕子先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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