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2018年11月20日 10:37 更新

マルチリンガル育児は難しい? 課題とポイント

子供のうちから複数の言語を話せるなんて、憧れますよね。グローバル化を考えると日本語のほかに英語、さらに別の言語を巧みに使い分けられたらすごいと思いますが、一般的にマルチリンガル育児は思うようにいかないのが現状のようです。どうすればマルチリンガル育児はうまくいくのでしょうか、課題やポイントをみていきましょう。

マルチリンガル育児

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マルチリンガル育児とは複数の言語でコミュニケーションを取り育児をしていく方法ですが、国際結婚をしているママとパパの子でも解決しにくい課題があるようです。家庭内での言葉の壁を子供に感じさせないよう、何を意識すればよいのでしょうか。

マルチリンガルって?トライリンガル(トリリンガル)とは違うの?

1つの言語のみを話す人を”モノリンガル”、2つの言語を話す人を”バイリンガル”、3つ以上の言語を話す人を”トライリンガル(トリリンガル)”という言葉で表現されます。さらにマルチリンガルとは、複数言語話者のこと。複数の言語を話す人を指すので、バイリンガル、トライリンガル(トリリンガル)を含めてマルチリンガルと呼ぶようです。

マルチリンガル育児のメリット

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マルチリンガル育児の脳への影響

マルチリンガルの子はふだんから複数の言語を相手に合わせて使い分け、コミュニケーションを取るという習性が身についています。モノリンガルの子供に比べて他者の立場に立って考える能力が高い傾向にあり、他者の意図をくみ取る脳が発達していることが実験によって証明されています。

また、複数の言語のなかから一つの言語を使うときは、ほかの言語を抑制し、脳内の言語システムをコントロールしている状態になります。日常に行われているこの動作は、集中力、問題解決力、共感力を高め、衝動性を抑える。つまりものごとを瞬時に効率よく判断できる能力につながっているようです。

メリットが必ずしも十分に活かされるわけではない

マルチリンガルの環境で育っても、すべての言語を完璧なものにするには本人に習得する意思があるかどうか、そしてすべての言語を使う環境が日常にあるかどうかということが重要なようです。日本人が英語を学んでも使う機会が少なく、なかなか活かせないという状況と同じように、マルチリンガルにおいても活かせる条件が整っていることが必要なのかもしれません。

マルチリンガル育児の難しさ

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親がすべての言葉を理解してあげられない場合がある

マルチリンガル育児の主流は”1親1言語メソッド”だそうです。例えばママが日本語、パパがフランスを母国語としている場合、ママと子供が会話をするときは日本語のみ。パパが子供と会話をするときはフランス語のみという方式です。ママとパパがお互いの言語を十分で理解できないと、それぞれから学んだ子供の言葉をすべて理解してあげられないという事態が発生し、コミュニケーション不足やストレスを抱えることも少なくないようです。

住む国の言語とのバランスが難しい

英語圏の国に住んでいるなら外では英語、家庭内ではパパとママの母国語を使うと、3カ国語がバランスよく習得できるでしょう。ところが日本に住んでいる場合、保育園や幼稚園、学校など外と家庭内で日本語を使う度合いが多くなるので、ほかの言語とのバランスが難しくなってしまうようです。外で使う言語と家庭内で使う言語は別のほうがバランスを保てると言えるでしょう。

途中で住む国が変わる可能性がある

単一言語家庭よりも住む国が途中で変わる可能性が高いと言えるでしょう。日本からほかの国に移住する場合、これまで日本語が主だったものが移住先の言語に変わり、対応しなければなりません。言語のバランスが変わったり、新たに一言語追加になるなど影響があるでしょうが、子供は大人よりも柔軟性があり対応力が高いので、ママやパパのほうが冷静に受け止めていきたいですね。

マルチリンガル育児の大切なポイント

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どの程度のマルチリンガルを目指すか目標を定める

子供に何かさせるときは、目標を定めるとよいでしょう。スポーツや芸術でも世界で活躍する人材を目指すなら、練習内容や環境などを考える必要がありますよね。マルチリンガルも同様、仕事で通用するレベルまでにしたいのか、母国語レベルまであげたいのか、外国人とコミュニケーションがとれるくらいの英会話程度でよいのかなどによって、マルチリンガルメソッドを選んでいきましょう。いずれにしても”発音”は小さいころからネイティブの発音に慣れ親しんでおくことが大切です。最初はリスニングを重視し、次に読み書きへと進めていくとよいようです。

まとめ

どのレベルまでを目標にするかによりますが、目指すレベルまで複数の言語を習得できるよう、マルチリンガル育児を進めてください。家庭内での言語とのかかわり方、コミュニケーションの取り方を工夫し、楽しく教育していきましょう。

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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