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2021年01月18日 16:11 更新

ベビーフードの冷凍保存はできるのか?気を付けるべき点【管理栄養士監修】

ベビーフードは、外出時だけでなく、おうちでも時間のない時などに便利で、毎日家事や育児、仕事で忙しいママたちが使う機会は増えているようです。今回は、ベビーフードを一度に使いきれない時に冷凍保存はできるのか、もしできるならどんな点に気を付けたらいいのかまとめました。

※記事内の商品を購入した場合、売上の一部がマイナビウーマンに還元されることがあります。

ベビーフードの冷凍保存はできるのか?

ミルク、野菜などのベビーフードの冷蔵保存について
Lazy dummy

ベビーフードの保存に関する各メーカーの情報から、ベビーフードは冷凍保存できるのか、どんな形態のものが冷凍保存に向くのか、冷凍保存する上での問題点はないのかまとめました。

まずは、パッケージの表示を確認

ベビーフードの保存に関する情報は、まずは、各メーカー商品のパッケージの表示を確認しましょう。商品によって保存方法や注意事項は異なるので、購入時もしくは使用時に確認して、不明な点は各メーカーに問い合わせるのもいいでしょう。

「保存方法」の欄には、開封前の保存方法が表示されています。

たとえば、加圧加熱殺菌されている瓶詰やレトルト商品は「直射日光を避け、常温で保存してください」といった表示、粉末や顆粒タイプの商品は「直射日光、高温多湿を避け常温で保存してください」といった表示です。

一方で、開封後の保存については、「使用上の注意」の欄もしくは欄外に表示されていることがあります。たとえば「開封後はなるべく早めにお使いください」「食べ残しや作りおきはあげないでください」といった表示です。中には、開封後の保存方法や注意点、冷凍保存について説明しているものもあります。

●キューピーレトルトパウチタイプの使用上の注意表示例
「食べる分量を別の容器にとり、残りは冷蔵庫(10℃以下)に入れ、その日のうちにお使いください。」
「必要な分量に小分けし、冷凍保存できます」

出典: https://www.kewpie.co.jp

●和光堂粉末タイプの使用上の注意表示例
「袋開封後は吸湿しやすいので袋の口を輪ゴム等でしめて、なるべく早めにお使いください。」

出典: https://community.wakodo.co.jp

ウェットタイプのベビーフードの場合

瓶詰め、レトルトパウチ、レトルトカップの形態で、調理完成品としてすぐに食べられる液状、または半固形状のウェットタイプのベビーフードの場合、その内容量はひとつ70~100g入りが多いようです。対象月齢が「5ヶ月ごろから」のものでも、離乳がすすんだ「月齢9ヶ月ごろから」のものでも量は変わらず、主食タイプでもおかずタイプでも同じだけ入っていたりするので、1回に使い切れないこともあるでしょう。

このタイプのベビーフードは、開封後に細菌などが付いたり、増えたりしないように衛生的な取り扱いができれば、冷凍保存をして後日食べさせることもできるでしょう。ただし、冷凍保存をして、後日加熱解凍をした状態がその商品の本来の性状と変わってしまう可能性はあります。

素材の固さや大きさ、味付け、とろみ具合は、離乳食の大切なポイントです。ベビーフードは、「授乳・離乳の支援ガイド」(離乳食の進め方目安)を参考に商品設計されているようですが、冷凍保存とその後の加熱解凍による影響については各メーカーの詳しい情報はありません。もし、ベビーフードを冷凍保存するなら、最終的に赤ちゃんに食べさせる前にママが食べて確認する必要はあるでしょう。

ドライタイプのベビーフードの場合

粉末状、顆粒状、フレーク状、固形状で水や湯を加えて元の形状にして食べるタイプのベビーフードの場合、開封後でも溶かす前の状態で、湿気を含まないよう直射日光を避けて密閉すれば、常温保存できるようです。

開封したものは吸湿しやすので、なるべく早めに使う必要はありますが、必要な分だけ溶かして使えるので、無駄にならないですね。ベビーフードを余らせてもったいないと思うことが多ければ、ドライタイプのベビーフードを使ってみるのもいいでしょう。

ただし、一度溶かしたものは冷凍保存などはせず使いきるようにしましょう。パッケージにも「食べ残しや作りおきはあげないでください」との注意表示があります。

ベビーフードを冷凍保存する前に知っておくべきこと

ベビーフードを冷凍保存する前に、赤ちゃんに食べさせる離乳食を用意する上で大切なこと、衛生的な取り扱いについてまとめました。

開封後の衛生的な取り扱い

赤ちゃんは細菌などへの抵抗力が弱いので、離乳食に細菌などが付いたり、増えたりしないように衛生的な取り扱いをすることは欠かせません。それは手づくりの離乳食に限らず、ベビーフードの購入後の取り扱いにも言えることです。

ベビーフードは瓶、レトルトパウチ、またはその他容器に密閉する前または後に殺菌されていますので、賞味期限内のものを開封後すぐに清潔な食具を使って食べさせれば細菌などによって赤ちゃんの健康が害される心配はないかと思います。しかし、開封後に食べきれない分を取り分けて冷凍保存をして別の日に食べさせるとなれば、離乳食を手づくりしてあげる時と同じように衛生的な取り扱いには気を付けなればなりません。

特に気を付けたいのは食中毒菌です。食中毒は、一般家庭の食事でもよく起こることなので、赤ちゃんがいる家庭ではなおさら、日頃から食中毒予防を意識しておきたいところです。食中毒予防の三原則は、食中毒菌を「付けない、増やさない、殺す」です。食中毒は簡単な予防方法をきちんと守れば予防できるので確認しておきましょう。

冷凍室の過信は禁物

細菌の多くは10℃以下で増殖がゆっくりとなり、-15℃で増殖が停止します[*1]。しかし、細菌が死ぬわけではありません。冷凍保存中も注意しておくことがあります。家庭用冷蔵庫の冷凍室温度は-18℃以下の設定ですが、冷凍室の機能が落ちていないか温度計で確認すること。そして冷凍室内の温度はドアの開け閉めにより変化しやすいので、一定の温度を保てる位置、いわゆる冷凍室の奥の方で保存をするといいでしょう。冷凍室内の整理整頓をして清潔を保つことも大切ですね。それでも、冷凍中の品質劣化は徐々に起こるので、できるだけ早く使いきること。冷凍室の過信は禁物です。

加熱解凍について

ベビーフードの冷凍保存中にもし細菌などが付いたりしても、食べさせる前の加熱を十分に行うことで殺すことができます。中心部75℃以上1分間以上の加熱が目安になりますが、細菌の中には、120℃以上の加熱が必要なやっかいな菌も存在し、さらには加熱に強い毒素を作る種類もあるということです[*1]。

電子レンジで少量のベビーフードを加熱解凍しようとすると、すぐに温度は上がりますが十分な加熱時間を確保できないこと、加熱ムラがあるなど十分な加熱ができているのか不安が残ります。やはり、細菌などが付かないように開封後の衛生的な取り扱いは欠かせません。

ベビーフードを冷凍保存するなら、ここに気を付けよう!

ベビーフードに含まれる食材のイメージ
Lazy dummy

瓶詰め、レトルトのベビーフードを冷凍保存する場合の注意点です。

保存方法

手をきれいに洗ったあと、開封後すぐに清潔なスプーンを使って、清潔な冷凍用の容器に取り分けたら、直ちに冷凍室に入れます。一度口にしたスプーンをつけたもの、食べ残したものは破棄してください。全量を食べられないと分かっていれば、あらかじめ取り分けるようにします。

商品の容器(袋)のまま冷凍しないように注意しましょう。ひび割れや破裂の危険があるので、冷凍用の容器を用意します。蓋つきのものを選び、乾燥や異物混入を防ぐようにします。そして、日付を記入して管理しましょう。冷凍室内が-15℃以下を維持できているか温度計で確認し、温度変化が少ない冷凍室内の奥のほうで保存するといいでしょう。

保存期間

冷凍後の保存期限は1~2週間が目安ですが、条件により変わります。冷凍室を過信せず、できるだけ早く使うようにしましょう。使用する前に状態を必ず確認して、不安な時は思い切って破棄しましょう。

解凍方法

解凍するときは、必ず加熱解凍します。自然解凍は細菌などが繁殖しやすくなるので、食べる直前に冷凍室から出して、凍った状態から加熱します。中心部が75℃以上1分間以上の加熱ができれば殺菌もできて安心です。

鍋で解凍する場合は、スープやだしを少し入れて沸騰するまで加熱します。おかずタイプのベビーフードであれば、お粥の鍋の中に入れて加熱してもいいでしょう。ただし、本来のベビーフードの素材の固さやトロミ具合が変わる可能性があるので、食べさせる前にママが食べて確認してあげてください。

電子レンジで解凍する場合は、短時間の設定で様子を見ながら加熱します。少量で水分が蒸発しやすいので、少し水をかけるといいでしょう。加熱ムラが出るので途中でよくかき混ぜ、食べさせる前には必ず温度を確認しましょう。電子レンジでは十分な加熱殺菌ができない可能性があるので過信は禁物です。

解凍後

解凍後は、細菌などが繁殖しやすくなるので、なるべく早く食べさせてください。一度解凍したベビーフードは残っても破棄しましょう。

まとめ

離乳食を食べる子供
Lazy dummy

瓶詰め、レトルトのベビーフードであれば冷凍保存することもできるようです。ただし、冷凍や解凍の仕方が悪いと赤ちゃんには好ましくないものになるので注意が必要です。赤ちゃんには安全で、発達の段階にあわせた離乳食をあげられるようにベビーフードの取り扱いにも気を付けてあげてください。

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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