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【医師監修】子どもがヘルパンギーナにかかった時の対処法は?

【医師監修】子どもがヘルパンギーナにかかった時の対処法は?

夏に流行するヘルパンギーナ、手足口病、プール熱(咽頭結膜熱)は、総称して「三大夏風邪」とも呼ばれています。どれも珍しい病気ではありませんが、小さいお子様がいるご家庭では、夏場によくかかる感染症として心配になりますよね。そんな夏風邪の一つ、ヘルパンギーナについて、詳しくご説明していきましょう!


この記事の監修ドクター
北浜こどもクリニック 北浜 直 先生
聖マリアンナ医科大学卒業、山王病院新生児科医長を経て、北浜こどもクリニックを設立。
医療機関併設型の病児保育やインフルエンザ等の予防接種、育児相談などお気軽にご相談下さい。
http://www.kitahama-kidsclinic.jp/

ヘルパンギーナとは

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夏に流行する感染症「ヘルパンギーナ」

ヘルパンギーナは、38~40℃の熱が出て、喉が痛む、いわゆる夏風邪の一種です。口の中に発疹ができて痛むことが特徴で、初夏から秋にかけて、5歳以下のお子様がかかることが多いです。

ヘルパンギーナの原因は?

ヘルパンギーナを引き起こすのは、主に「エンテロウイルス属」に属するウイルスで、潜伏期間(ウイルスが体内に侵入してから、発症するまでの期間)は2~4日程度と言われています[*1] 。主な感染経路としては、くしゃみや咳(せき)などを通してうつる「飛沫(ひまつ)感染」と、排便後やオムツ処理後の手洗いが不十分なままの手などで触れたものを通じてウイルスが広がる「接触感染」、そのウイルスが口から入ってしまう「経口感染」があります[*2]。

大人もヘルパンギーナにかかる?

ヘルパンギーナはお子様に多い感染症ですが、ストレスや疲労などにより、リンパ球機能(免疫力)の低下した大人でも稀(まれ)に感染することがあります。お子様の看病をしながら自分もうつってしまったということがないように、体調管理はしっかりしましょう。

妊娠中の方がヘルパンギーナにかかってしまうこともあります。出産直前の方がヘルパンギーナに感染すると、生まれてくる赤ちゃんにも感染する可能性もあります。夏場に出産予定の妊婦さんは十分に注意し、念入りに手洗い・うがいをして、感染を予防しましょう。もっとも、新生児のヘルパンギーナ感染も、比較的軽症で済むことが多いようです。妊娠中にヘルパンギーナにかかってしまったとしても、あれこれ心配しすぎるよりは、栄養と休息をたっぷりとって、早く治すことに集中しましょう。

何度もヘルパンギーナにかかる可能性も

エンテロウイルス属にはいくつかの種類があり、同じシーズンに違う種類のウイルスに感染し、何度もヘルパンギーナにかかることもあります。インフルエンザにもA型、B型があるのと同じですね。一度かかったからといって、安心して予防を怠らないようにしましょう。

ヘルパンギーナの症状

急な高熱・喉(のど)の痛みと口内炎

症状としてはまず、38℃以上の高熱が1~3日続きます。喉は赤く腫れ、口内に1~2mm程度、大きくても5mmほどの発疹ができて痛みます。そのため、赤ちゃんであれば、不機嫌になったり、母乳を飲まなくなったりもします。食欲不振、全身のだるさなどが起き、また、頻度は低いですが、腹痛や下痢の症状が出ることもあります。ただし、ほとんどの場合、その後症状はよくなっていきます。

ヘルパンギーナで注意すべきこと

ヘルパンギーナは症状がひどくなると、口内炎や喉の痛みにより水分や食べ物を摂ることが困難となることがあります。特に小さいお子様の場合は、脱水症状を起こさないよう、水分は少しずつこまめに飲ませるようにしましょう。おしっこが出ない、くちびるが乾燥しているといった場合は脱水症状を起こしている可能性があります。すぐに医療機関を受診しましょう。

また、ヘルパンギーナの症状として出る高熱にも、注意が必要です。ヘルパンギーナであるかどうかにかかわらず、お子様に38℃以上の発熱があれば、医療機関を受診しましょう。日本小児科学会では、生後3か月未満のお子様に38℃以上の発熱がある場合、あるいは、生後3か月以上6歳までのお子様に38℃以上の発熱があり、「元気がなく、ぐったりしている」「おしっこが出ない」「活気がない」「よく眠れずにうとうとしている」「水分をとるのをいやがる」といった症状がみられた場合は、すぐに急患診療所を受診すべきとしています。こうした症状がなく、熱があっても元気で水分がとれていれば、診療時間になるのを待ってから、かかりつけ医を受診しましょう。[*3]

ヘルパンギーナとほかの夏風邪との違い

同時期に流行する手足口病との違いは、手足の水疱を伴う湿疹の有無で判断します。手足に湿疹が出ているときは、ヘルパンギーナではなく手足口病であることが多いでしょう。また、これも同時期に流行するプール熱の場合は、目の充血や目やにが出て、喉(のど)に膿(うみ)がみられることから、ヘルパンギーナと区別することができるとされます。

ヘルパンギーナの治療法と治療薬

ヘルパンギーナにかかったかも、と思ったら?

ヘルパンギーナの診断には、インフルエンザやRSウイルスのような迅速検査はなく、医師がお子様の症状、喉の状態をみて判断することが多いです。ご家庭でほかの夏風邪などと見分けることは難しく、発熱をきっかけに、「風邪かな?」と思って受診したらヘルパンギーナと診断されたということが多いでしょう。たとえば保育園でヘルパンギーナが流行している場合などでも、自己判断は避け、医療機関を受診してください。

ヘルパンギーナに治療薬はない

残念なことに、ヘルパンギーナのウイルスに効果のある薬は、現在のところありません。高熱が出たら「抗菌薬(抗生物質)」と思う人が多いかもしれませんが、抗菌薬は溶連菌などの細菌感染にしか効果がありません。したがって、ウイルス感染したヘルパンギーナの症状に対しては、抗菌薬は全く意味がないのです。

ヘルパンギーナにかかった場合は、高熱や喉の腫れに対して症状を和らげる対処療法が行われます。通常、熱は2~4日ほどで下がり、その後は喉の腫れもなおっていきますが、水分や食事が摂れない場合は、点滴が行われることもあります。

ヘルパンギーナは、ワクチンなどで予防することもできません。外出先から帰ってきたとき、トイレの後やオムツ処理の後の手洗いを、しっかりと行うようにしましょう。

ヘルパンギーナの症状を抑える薬

高熱に対する薬

高熱が出ている場合は、解熱鎮痛薬が処方されることがあります。アセトアミノフェンを主成分とする「カロナール」が処方されることが多いでしょう。粉薬、シロップ、坐剤があり、そのほかにも同じくアセトアミノフェンを主成分とする坐薬「アルピニー」「アンヒバ」を処方されることもあります。カロナールとアルピニー、アンヒバは製造会社が別で名前が違うだけで、成分としては同じです。医師の処方通りの用法用量を守って、同時に使用しないように注意しましょう。

喉の腫れに対する薬

喉の腫れには消炎・止血作用のある「トランサミン」と呼ばれる薬を処方されることもあります。0歳から使用できる薬です。お子様の場合はシロップや粉薬として処方されることが多いでしょう。副作用としては、アレルギー症状と、吐き気・嘔吐がありますので、処方を受ける際に医師や薬剤師とよく相談しましょう。

ヘルパンギーナになったときの対処方法

体温調節

高熱の場合の対処として重要なのは、体温調整をきちんとすることです。小さなお子様の場合は自分で「寒い」「暑い」と訴えられないので、母親や家族がよく見て、衣服や室温を調節してあげる必要があります。お子様の手足が冷たい場合は、これから体温が上昇することが多いので長袖の服と靴下、布団をしっかりかけることで身体を温めてあげられます。反対に顔が赤く手足が熱い、汗をかいている場合は肌着の着替えや、熱が籠らないように首回りのボタンを少し緩め、布団を軽く外してあげるようにしましょう。また、頭や背中に保冷まくらなどを当ててあげると、ひんやりして眠りやすくなります。身体が冷えすぎないように、必ず保冷まくらにはタオルなどを巻いてから、当てるようにしましょう。

食事の工夫

口内炎や喉の痛みで食事がなかなか摂れない場合の対処としては、熱いものや酸っぱいもの、味の濃いもの(特に塩分)は避け、柔らかく、飲み込みやすいものにしましょう。水分さえ摂れていれば、栄養のためにと無理に食べさせる必要はありません。食べものの例としてはヨーグルト・プリン・ゼリーなどのどごしの良いものや、スープ・うどん・おかゆ・薄味の味噌汁がよいでしょう。高熱で汗をかくことで体内の水分が奪われるので、水分はこまめに摂るようにしましょう。スポーツドリンクや、最近薬局・ドラッグストアでも売られている経口補水液も、水分・塩分・ミネラルのバランスをとるにはオススメです。子どもが飲みやすいチューブタイプのものも売られているので便利です。

注意点

嘔吐がある、水分が摂れない、おしっこが出ない、意識がはっきりせず視線が合わないなどの症状があった場合には、症状が悪化していたり、他の病気を合併していたりする可能性がありますので、すぐに医療機関を受診するようにしてください。また、感染を防ぐために、よだれが付いたものや、オムツの処理などには注意をしながら、手洗いうがいをしっかりするという一般的な対応を行ってください。

いつから登園していいの?

「いつまで休まなくちゃいけないの? 」というのは保護者の方からよくある質問の一つです。ヘルパンギーナについては、インフルエンザのように学校保健法での厳密な規定はなく、文部科学省は、全身の状態が安定している場合は、登園、登校は可能であるという目安を出しています[*2]。保育園や幼稚園に通っているお子様の場合は、熱が下がって48時間後に症状が落ち着いていれば登園しても良いでしょうと言われることが多いです。登園許可証など必要な手続きについては、住んでいる地区や通っている保育園や幼稚園によって、それぞれ決まりがありますので、まずは病院と通っている保育園や幼稚園に確認してみましょう。

まとめ

ヘルパンギーナについて分からないことは解決しましたでしょうか? 小さなお子様がいるご家庭では、一度はヘルパンギーナなどの夏風邪に悩まされることがあるでしょう。保育園や幼稚園に通っていると、さらに頻度は高いかもしれません。

しかし、ヘルパンギーナの場合、脱水症状や高熱にさえ気をつけていれば重症化することは少なく、それほど心配する必要はありません。まずは慌てずに、しっかりとお子様の状態を見極め、きちんと医療機関を受診しましょう。また、お子様だけでなく、ご家族の方も感染症にかからないように注意していきましょう。

参考文献
[*1] 国立感染症研究所『ヘルパンギーナ』
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/515-herpangina.html
(参照2018-6-5)
[*2] 公共財団法人 日本学校保健会『学校において予防すべき感染症の解説』
https://www.gakkohoken.jp/books/archives/211
(参照2018-6-18)
[*3] 日本小児科学会『こどもの救急』
http://kodomo-qq.jp/download/pdf/kodomo-qq_booklet.pdf
(参照2018-6-6)

※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビウーマン子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.06.18)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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