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2018年10月22日 09:52 更新

学資保険の掛け金の平均相場は?途中で変更・解約はできるの?

保険は一度加入すると何年も保険料を払うことになるので、適切な保険料の目安を知ることや、不測の事態に備えて対処法を確認しておくと安心です。子供の将来のために備える学資保険であればなおさらですね。

学資保険とは?

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子供が産まれて、教育資金準備の方法として学資保険を選ぶご家庭も多いのではないでしょうか。子供の進学に合わせて祝い金や満期保険金が受け取れるのが魅力です。

学資保険は原則として親が契約者、子供が被保険者になって契約をします。契約者である親に万が一のことがあった場合、以後の保険料の払い込みが免除されます。さらに、育英年金や一時金が受け取れるものもあります。

市場にはたくさんの学資保険があり、どの保険に加入するか悩むところですね。でも、商品選定にだけ気を取られて肝心のライフプランに合っているかどうかを疎かにしてしまう方も少なくありません。そうならないためにも保険料を決める時の考え方や、不測の事態への対処法を知っておく必要があります。

学資保険の保険料の目安は?

ソニー生命の「子供の教育資金に関する調査2018」では、子供の進学費用のための備えとして1人あたりいくら支出しているかという質問に対し、平均支出額は15,437円という結果でした。昨年よりも3,000円ほど増加しているようです。

意外にも子供の進学準備を全くしていないという0円の回答が29.3%と最も多く、次いで「10,000円〜14,999円」を備えているという方が19.2%、30,000円以上が15.6%、「20,000円〜29,999円」が15.2%という結果でした。

準備をしていると回答した人に対して、どのような方法で準備しているかという問いに対する回答は「銀行預金」が58.2%、「学資保険」が46.3%となりました。

学資保険の場合、受取総額を200万円~300万円にすると、保険料は月に約1万円~2万円となり、上記の平均支出額に近い金額になりそうです。ただし、この受取総額は「大学入学時」には問題ない金額だと思われますが「大学卒業」までを考えると、心もとない金額かもしれません。毎月支払い続けられる額というのは大前提として、学資保険の掛け金の目安を知るには、まず学費全体を把握し、どこまでを学資保険で準備するのかを決める必要があります。

●ソニー生命保険株式会社ホームページ「ニュースリリース(平成29年度)子供の教育資金に関する調査委2018【子育て・教育に関する支出の実態】」
https://www.sonylife.co.jp/company/news/29/nr_180125.html

適切な積立額は逆算がポイント

基本的に学資保険は「大学進学」のための積立として利用するご家庭が多いようです。受験費用、入学金、授業料などの初年度にかかる費用だけではなく、下宿する場合は敷金や礼金、生活費も必要になります。そのため、一般家庭でパッと簡単に出せる金額ではないため、子供の大学進学時の備えとして、学資保険に加入する人が多いのです。

まずは4年間の大学生活でかかる費用についてみていきましょう。
生命保険文化センターによると、私立文系で約683万円、国立で約523万円が相場といわれています。

●公益財団法人 生命保険文化センター ホームページ「大学生にかかる教育費はどれくらい? 大学生の教育費総額(平成26・27年度)」
http://www.jili.or.jp/lifeplan/lifeevent/education/6.html

例えば現在0歳の子供がいると仮定し、私立文系でかかる683万円を毎月の積立額に直すと約3.2万円になります。これだけ見れば貯蓄可能な金額と思われるかもしれません。しかし、教育費は大学までかからないというわけではありません。むしろ大学までの教育費は日々の生活費の中から捻出する必要があるため、プラスアルファの貯蓄が必要というわけです。そのため、大学だけではなく、幼稚園、小学校、高校でどのような教育を受けさせたいかについても考えておく必要があります。参考までに下記に私立と公立の学費を載せておきますので、学費全体の計算に役立てていただければと思います。

〈私立と公立でこんなに違う学費〉

・幼稚園 公立 222,264円 私立 498,008円

・小学校 公立 321,708円 私立 1,535,789円

・中学校 公立 481,841円 私立 1,338,623円

・高等学校(全日制) 公立 409,979円 私立 995,295円

・大学等
国立大学 5,390,000円 ・私立文系大学 6,830,000円 ・私立理系大学 8,220,000円 ・私立家政、芸術、体育科大学 7,930,000円 ・私立医歯系大学 25,400,000円 ・私立短期大学 3,740,000円

途中で変更・解約したい時の対処法

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学資保険は将来のためにコツコツ積み立てをするタイプの保険です。不測の事態があった時に損をしないためにも、対処法をしっかり確認しておきましょう。

自動振替貸付の利用

保険料の支払いが無かった場合、解約返戻金の中から自動で保険料を振り替えてくれる制度のことです。短期的に保険料の支払いが難しくなった場合に使える対処法ですね。

月々の支払い金額は変更できる?


保険会社によって下限が定められていることがほとんどですが、保険料の減額は可能です。その場合、専門用語では「部分解約」という扱いになり、解約した分はその時点の解約返還金として受け取ることになります。保険契約自体は継続することになりますので、保険料の支払いは減額した額で今後も続くこと、部分解約しているため将来受け取る満期金も少なくなることに注意しましょう。

〈払い済み保険にする〉
「契約は続くが、今後の保険料を払わなくてもいい」というのが払い済み保険です。今まで支払ってきた保険料の分だけ保障を買うイメージです。払い済み保険にすると特約は付加できなくなってしまう点には注意が必要です。その他、保険金額や加入年数、そして保険会社によっては払い済みに出来ないこともあるため、加入前に確認しておくと安心です。解約するよりも損してしまう金額は少なくなるはずです。

解約するとどうなる?

学資保険をどうしても解約しなければならない場合、解約のタイミングを見計らうことが重要です。保険会社に確認すると、解約返戻金と返戻率が載っている表をもらえるはずです。その表で解約返戻金が払い込み保険料と同じ、つまり返戻率が100%を超えるタイミングで解約されると損が少ないでしょう。たった1年の違いでも返戻率が変わることがあるため、解約前に確認するようにしましょう。

学資保険の思わぬ注意点

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意外と知られていない学資保険の注意点についても触れておきたいと思います。

満期金受取には税金がかかる場合がある

学資保険の満期金額を受け取る時の注意点として、税金がかかることがあります。基本的に学資保険の保険料を支払うのは親です。しかし、受取人を子供に設定していた場合「親からお金を貰った」ということになり、贈与税が加算されてしまうのです。

例えば500万円の受取総額があったとすると、500万円から基礎控除の110万円を引き「390万円×20%-25万円=53万円」という計算式に当てはめた結果、贈与税として53万円を納めなければなりません。

保険料を支払う人と同じ人(つまり親)が満期保険金を受け取った場合は所得税とみなされます。所得税では一時所得扱いとなり、ほとんどの場合で税金はかかりません。

ということで、学資保険の受取人はできるだけ契約者である親にしておいた方が良さそうですね。

離婚したらすぐ連絡

学資保険に加入していて受取人が別れた父親、母親が親権者となった場合、これまで夫婦で積み立ててきた満期保険金を受け取れない場合があります。母親に契約者変更をする手続きが必要をする、最悪は途中解約するという可能性もあるでしょう。いずれにしても離婚した場合は速やかに保険会社へ連絡することを忘れずに。

おすすめの学資保険プラン

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こちらでは、おすすめの学資保険プランを紹介します。どの学資保険にすればいいか悩んでいる人は、参考にしてみてはいかがでしょうか。

すべての条件を揃えることは難しいのですが、比較しやすいように下記の設定で比較してみました。

受取学資金:175万円〜200万円 
払い込み:最短10年〜12年 
契約者:30歳男性 
被保険者:0歳 男の子 
学資金の受け取り時期:18歳〜22歳

《ソニー生命|学資金準備スクエア》

保険料を10歳までに払い込むプラン。中学進学前に保険料を払い終えることができます。学資金の受け取りは18歳、19歳、20歳、21歳、22歳で、それぞれ35万円をもらうことができます。

・返戻率:107.2%(受取学資金総額175万円/10年払込契約)
・上記の場合の月額保険料:13,597円

●公式サイト
http://www.sonylife.co.jp/gakushiplan-camp/index.html?cid=sli620

《アフラック|夢みるこどもの学資保険》

同じく保険料を10歳までに払い込みます。高校入学時に学資一時金として30万円を受け取り、学資年金を大学入学時に60万円、大学2年〜4年は30万円ずつ受け取るプラン。学資年金は一時金としてまとめて受け取ることもできますが、年金で受け取る場合より総額は少なくなります。

・返戻率:98.1%(受取学資総額180万円/10年払込契約)
・上記の場合の月額保険料:15,276円

●公式サイト
http://www.aflac.co.jp/education/gakushi/

《かんぽ生命|はじめのかんぽ》

保険料を最短の12歳までに払い込み、満期学資金を18歳時に受け取るシンプルなプランです。医療保障などを特約としてつけることができます。

・返戻率: 97%(受取学資総額200万円/12年払込契約)
・上記の場合の月額保険料:14,320円

●公式サイト
http://www.jp-life.japanpost.jp/products/lineup/gaksi/prd_lu_gks_index.html

まとめ

子供の将来のために備える学資保険ですが、長期に渡って保険料を支払い続ける必要があるため無理をして途中解約をすることは避けたいですね。学資保険で準備する大学の費用の目安はもちろん、それまでにかかる教育費についても頭に入れておいて損はありません。途中でアクシデントがあった場合の対処法なども参考にしてください。

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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