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花粉症対策とくすりの話【ママ女医と娘の○○な日常 vol.33】

花粉症対策とくすりの話【ママ女医と娘の○○な日常 vol.33】

もうすでに各地で花粉の飛散が始まっています。花粉症の方、どんな対策をされていますか? 毎年症状の強い方は、症状が出る前や軽いうちの受診をお勧めします。


記事の著者  
のんびり子育て中のママ女医   HAL先生
内科医。大学病院研修中にうつ病を発症し、数年間療養生活を経て復帰。その後、病気の間支えてくれた医者の夫と結婚し、娘を出産。現在は田舎で夫、3歳の娘と暮らす。自身の出産・育児の日々をもとに、医学的なエビデンスを交えて育児情報・ニュースなどをブログで発信。またTwitterでは、娘との会話や、ほっこりあたたまる育児エピソードも紹介し、注目を集めている。
http://halproject01.blogspot.jp/
https://twitter.com/halproject00

日本人の4人に1人がスギ花粉症

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花粉症とは、スギやヒノキといった花粉がアレルゲン(アレルギーの原因)となって、くしゃみや鼻水、目のかゆみといったアレルギー症状を起こす病気です。花粉症を起こす花粉の種類は60種類ほど報告されていますが、一番多いのは皆さんご存知の「スギ」です。2008年の鼻アレルギーの全国疫学調査によると、スギ花粉症の有病率はなんと26.5%、つまり日本人の4人に1人がスギ花粉症であるという事が報告されています。

花粉症は大人の病気と考えていらっしゃる方もいるかもしれませんが、実は子どもも花粉症を起こします。スギ花粉の飛散が始まる2月頃は風邪ひきさんも多い時期、「なんだかずっと鼻水が出ていて、風邪が治らないなあ……」と思っていると、実は花粉症でしたという事もあります。熱も出ないのに、鼻水やくしゃみが止まらない、目のかゆみを訴える(目のあたりにやたらと手をやる)といった症状がある時には、一度耳鼻咽喉科や小児科を受診する事をお勧めします。

大人が辛い花粉症。当然、子どもも辛いです。症状のせいでみんなと同じように遊べなかったり、集中力がかけて勉強できなかったり、夜よく眠れなかったり……。飲み薬や点鼻薬、点眼薬を使う事で症状を軽くする事ができます(小児にも使える薬もあります)ので、花粉症を疑ったら、ぜひ一度相談してみてください。

●環境省「花粉症環境保健マニュアル Ⅰ.花粉症とは 4.花粉症の患者数」
https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/manual/1_chpt1.pdf

花粉症の薬を上手に使おう

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花粉症対策は「花粉をできるだけ避ける」事に加えて、「早めのお薬」をお勧めしています。「まだひどくないから、もうちょっと症状がきつくなってからお薬をもらいに行こう」とお考えの方も多いと思いますが、スギ花粉の飛散が始まる前、もしくは症状が軽いうちに薬を使い始めると、症状をより軽く抑える事ができます(初期療法と言います)。

花粉症の薬は眠くなるからと敬遠している方もいらっしゃるかと思います。どうしても花粉症の飲み薬は眠気がきやすいのがネックなのですが、昔に比べて眠気の出にくい飲み薬も出ています。薬の効き方に個人差があるように、副作用の出方にも個人差があります。使いながら主治医と相談して合う薬を探してみてください。

また、点鼻薬や点眼薬も併せて上手に使ってみてください。点鼻薬や点眼薬は、全身の副作用が出にくく、局所の症状を抑えるのにぴったりです。市販されていない薬もありますので、まずは病院で相談して、ご自分に合う薬を探してみてください。

薬だけでなく、花粉をシャットアウトしよう

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そして、いくら薬を使っても、花粉を無防備に浴びれば症状が出やすくなります。ですので、花粉情報を見ながら花粉対策をぜひやってみてください。花粉症の方は既にご自身でいろいろ試されていると思いますが、改めていくつか紹介させていただきますと

マスク

吸い込む花粉を3分の1から6分の1まで減らします。隙間がないように着用する事が大切ですが、インナーマスク(マスクの内側にガーゼをあてる)をする事で99%以上の花粉をカットできます。

眼鏡

通常の眼鏡でも目に入る花粉を40%減らし、花粉症用の眼鏡では65%も減らします。コンタクトの場合、アレルギー性結膜炎をひどくする事があります。コンタクトの方は、花粉が舞う季節には是非眼鏡を使う事をお勧めします。

服装

ウールは花粉がつきやすいので避けましょう。帽子や手袋を使う事で、頭や顔、手への花粉の付着を減らす事ができます。家に入る前に、衣服に付いた花粉をはたきおとしましょう。

洗顔・うがい

家に帰ってからは、洗顔やうがいで花粉を洗い流しましょう(女性は化粧があるので大変かもしれませんが……)。

家の中での対策

布団や洗濯物は外に干すと花粉がついてしまい、家に持ち込む原因になります。特に布団は夜に症状を悪化させる原因になりますので、花粉の多い季節は外に干さないようにしましょう。換気をする時は、レースのカーテンがあると室内へ入る花粉を4分の1にカットできます。

ワセリンも使えるかも?

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我が家は幸い家族みんな花粉症がありません。花粉症の家族はいませんが、花粉への無駄な暴露を避けるために、花粉症のシーズンは布団を外に干さないようにしたりと最低限の花粉対策は行っています(布団乾燥機と掃除機を使っています)。

しかし、去年から私が少し花粉のシーズンに目の違和感が……ついに花粉症になったかなあ。今年ひどくならないといいのですが。

そんなわけで、去年は花粉が多い日の外出にはマスクに加えて、ワセリンを鼻と目の周りにちょっと塗ったりしました。ワセリンはベタベタするので、花粉がくっついて鼻や目に入りにくくなります。もちろん根本的な対策ではなく補助的なものですが、いくつか論文も出ています。ワセリンを塗る事の害はほぼないので、花粉症でお困りの方は試してみてもいいのではないかなと思います。

(詳しい解説は筆者ブログをどうぞ↓↓)
●「妊娠中・授乳中の花粉症、ワセリンを試してみませんか?」
http://halproject.blogspot.jp/2016/03/blog-post_13.html

今年の花粉の飛散予測

日本気象協会によると、今年は多くの地域(四国〜東北)で昨シーズンを上回るスギ花粉の飛散が見込まれています。一方で例年比で見ると、多くの地域は例年並み、もしくはやや少ない予想です。青森県では「非常に多い」見込み(現地調査の結果より)なので、青森県にお住まいの方は特に注意されてください。

そして、症状がひどくなる前に、是非一度受診をどうぞ。妊娠中や授乳中でも、一度お尋ねください(使える薬もあります)。花粉のシーズンを、少しでも楽に乗り切れるようお祈りしています。

●環境省_花粉症環境保健マニュアル-2014年1月改訂版-
http://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/manual.html

●2018年春の花粉飛散予測(第3報) - 日本気象協会 tenki.jp
https://tenki.jp/pollen/expectation/


(HAL)

※記事内の画像はすべてイメージです

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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