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2023年03月26日 05:17 更新

学校見学っていつ・どうやって行けばいいの?|低学年のための中学受験レッスン#10

中学受験をするうえで重要な「どの学校を受けるのか」という問題。「〇〇中学に進学したい!」という本人の強い希望は、受験勉強の大きな原動力となります。志望校や受験予定校は、早めに決めておいた方がよいでしょう。今回の記事ではべテラン受験指導者の宮本毅先生が、志望校選びに役立つ「学校見学」についてアドバイスしてくれます。

まず、どの学校から見に行くべき?

中学受験を考えて間もなくの親御さんは「うちの子に合う学校ってどこなのかしら」「そもそも私立ってどんなところなのかわかってない」そう思われる方も少なくないでしょう。

ホームページなどを見ても、最近はどこの私立中学もプロのウェブデザイナーがかっこよく仕上げていて、正直特徴がありませんよね。

またネットの掲示板などを見ると、なんだかよくないうわさもたくさん書き込まれていたりして、不安を感じてしまいます。

ママ友からもいろいろな話を聞かされ、情報過多で、どう選んだらよいのかかえって迷ってしまいます。

そんな時にはぜひ、実際に学校に足を運んでみてください。

どの学校に行ったらいいかわからないときは、まずは自宅から一番近い私立中学に行ってみるのがよいでしょう。もし家の近くに「通いたい」「通わせたい」と思えるような学校があったらラッキーですよね。

中学受験は「肌感」と言いますか、インスピレーションのようなものが非常に重要です。本人だけではく、保護者の方が、その学校や、その学校が所在する街の雰囲気に対してネガティブな印象を感じてしまうようなら、志望校として適さない可能性が高いです。

実際に足を運んでみないと、ホームページやパンフレットだけではわからないこともあると思うのです。

学校説明会・文化祭。定番イベントへ参加するときの注意事項

では、いつ学校を見に行ったらいいのでしょう?学校説明会?それとも文化祭でしょうか?

子ども同伴の説明会参加は慎重に

その学校の指導方針であったり、学校の先生方はどんな人柄かといった情報は、学校説明会などでないとわからない部分です。ですから保護者の方は、興味のある学校の説明会には必ず参加されるべきだと思います。

学校によっては、説明会はすべて抽選になっていて、なかなか取れないということもありますが、前日や当日の朝にキャンセル待ちを狙うのも手です。出題傾向などを話してくれるケースもあるので、志望校の場合は特に参加が必須です。

しかし、学校説明会に子どもを連れて行くと、たいていの場合眠くなって寝てしまいます。大人にとっては非常に重要な情報も、子どもには退屈なことが多いからです。

もちろん、校長先生の中にはものすごくお話のうまい方もいらっしゃって、学校説明会に連れて行くと子どものやる気が爆上がりするという、そんな素敵な学校もあるにはあります。でも、正直そう多くはありませんので、下手に子どもを連れて行くと「この学校、先生の話がつまらない」と、かえって悪印象を与えてしまうこともあるのです。

学校説明会に子どもを連れて行くのは、慎重な判断が必要となります。

文化祭は学校の「よそいき顔」だと心得て楽しもう

では文化祭はどうでしょう。

たしかに文化祭は、子どもにとってとても魅力的な場です。連れていけばたいていの場合、「楽しかった」「この学校に行きたい」と思うのではないでしょうか。勉強のモチベーションアップにもつながるので、ぜひ行ってみてください。

しかし、子どもが受験前に学校を訪れた経験が「文化祭だけ」になるのは賛成できません。

というのも、文化祭とは「ハレ」すなわちその学校の非日常なわけです。学校生活の99%は「ケ」つまり日常生活なのですから、「ハレ」の部分を見て「ケ」を判断すべきではないと私は考えます。

実際、入学後に「文化祭が楽しかったからこの学校を選んだけれど、通ってみると現実はまったく違った」なんてことになるケースも散見されます。「文化祭」はあくまでも参考程度にとどめておくべきでしょう。

文化祭に参加したら、「鉄道研究会のNゲージジオラマ」や「クイズ研究会のクイズ大会」のような派手な催しだけではなく、地学部や人間科学部といった渋い部活動の研究発表も見せてほしいです。

また、生徒が普段の授業で作成した課題やレポートなどが展示されていれば、ぜひじっくり読んでみてください。

そうした日常の学校生活から生まれた成果物に対して子どもが興味を持てるようであれば、その学校はその子にとって「合っている」といえるでしょう。

おすすめ!登下校時の学校訪問で、6年間の通学をイメージする

実は、学校説明会や文化祭以上に、その学校が「我が子」あるいは「自分」に合っているかどうかを判断できる絶好の機会があります。

それは「その中学の登下校時にその学校を訪れてみる」ことです。

下校時ならば、小学校が終わった後に見に行くことも可能です。まさに「ケ」、すなわち生徒たちの日常の様子が見られる絶好の機会です。

「下校時」というのは一日の学校が終わって気持ちがのびやかになっているので、その学校の生徒たちの「本性」が出やすいものです。

通学路を騒ぎながら駅に向かって歩いているかとか、お友達同士で仲良く帰っているとか、そうしたところに学校の先生方のきめ細やかな指導が現れたりします。

学業も大切ですが、人間形成にかかわる大切な6年間を託す場所であることを考えると、学校からあたたかく生徒を送り出し、周囲に迷惑をかけないよう、不安なく帰れるよう気づかってくれているかといったところまで、やはり注視しておきたいですね。

また、学校周辺の環境も確認することができます。

もう何十年も前の話なので参考になるかどうかわかりませんが、私が通っていた中学校の最寄り駅の周辺には、たくさんのゲームセンターがありました。学校帰りに寄ることも多く、中学生の時にはかなりお金を遣いました。

同級生の中には高校時代にパチンコにハマる者もいて(制服がなかったというのも影響していたと思いますが)、今にして思えばなかなかに風紀が乱れていたなぁと思います。最寄り駅周辺の環境はとても重要でしょう。

さらに、通学時の電車の混雑状況や乗り換え確認などもできるので、平日の下校時に志望校に行ってみるというのは、ぜひやってみてください!

まとめ

今でもよく覚えていますが、小4の平日のある夕方に母親と共に自転車で訪れたことが、私と母校との最初の出会いでした。その日に「自転車でこの学校に通学したい」と強く思ったことが強烈に記憶に残っています。

文化祭や学校説明会ではなく、平日の夕方に学校を訪れたことが私に中学受験と現実を強く結びつけ、以後の大きなモチベーションになったことは間違いありません。

「ただ見に行くだけ」なら、時期も時間も予約も気にする必要はありませんしね! ぜひ足を運んでみてください。

中学受験ナビの連載『低学年のための中学受験レッスン』の記事を、マイナビ子育て編集部が再編集のうえで掲載しています。元の記事はコチラ

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