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2023年03月08日 11:26 更新

災害時などに命を救う正しい「止血方法」をマンガで解説!出血時にまずやるべきことは?

千葉大学発医療スタートアップ企業「Smart119」はこのほど、「災害時などケガをした際の止血方法」のイラストレーションを一般公開しました。

画像は(株)Smart119 提供

災害時などに命を救う「止血方法」

東日本大震災から12年が経ち、その後も国内外で水害や災害の報道を多く目にします。

突然の自然災害の罹災は、広域で多くの傷病者が発生し、救護支援を受けるまでには時間がかかります。出血を伴うケガでは、生命の危険性が高まります。救護を待つことなく速やかな止血手当を行わなくてはなりません。

今回は、救急集中治療医の見地から「止血方法」について親しみやすいマンガで解説。命を救うことと、犠牲者を減らす「減災」の知識となります。この資料は学校、企業、公共機関、町内会等で自由に配布・利用することが可能です。

救急集中治療医・中田孝明氏による、災害時に覚えておきたい止血のポイント

突然起こる災害では、多くの人が被災し、平時とは異なり救急救命の専門的な人員や道具が不足します。救急車を要請しても駆けつけられない、包帯も入手できないことが考えられます。

特に大地震では建物の倒壊や散乱する破片などから負傷し、出血を伴う場合が多くみられます。大人の場合、出血によって1リットル以上の血液を失うと生命に関わります。救命措置として止血を速やかに行わなければいけません。

止血方法は、「直接圧迫止血法」と「間接圧迫止血法」があります。「直接圧迫止血法」は、全ての出血に対して最初に行います。傷口にタオルやガーゼを直接押し当てて圧迫し止血する方法で、ほとんどの出血を止めることができます。

止血を促すために、傷口を心臓より高い位置に上げることも重要です。この方法では、感染症を予防するために、手袋やビニール袋をつけて、傷口や血液に素手で触れないようにしましょう。

「間接圧迫止血法」は、動脈血管を圧迫して末梢血管への血流を遮る方法です。脇の下や股のつけ根などには「止血点」と言われる動脈血管が表皮近くを通る箇所があります。傷口よりも心臓に近い止血点を手や指で圧迫し血液の流れを止めて止血します。この方法は、出血が激しい時やガーゼや包帯を準備している間に行います。

大量出血を防ぐ止血は命を救う方法です。災害時では、たくさんのケガ人が同時に発生し、応急処置のための道具、救急隊が圧倒的に足らなくなってしまいます。今回の止血方法をはじめ、手当方法を知って、万一のときに備えておきましょう。犠牲者を少なくする減災へもつながります。

◆出血を伴うケガでは

*大人の場合では、1リットル以上出血をした場合は命に関わる
*出血量が多い場合は、止血手当を急ぐ必要がある

◆止血方法:直接圧迫止血法
すべての出血に対して、最初に行う

①出血している箇所を特定し、清潔なタオルやガーゼを当てる
②出血部分を「点」として確認できる時は指で圧迫する
③出血部位が広範囲の場合は、タオルやガーゼを広めに当てて全体を圧迫する

●直接圧迫方法の注意点
・感染を防ぐために、血液や傷を素手では触れない
・傷を抑える時は、手袋やビニール袋をつける
・傷口を心臓よりも高い位置に上げる

◆止血方法:間接圧迫止血方法
出血が激しく続いている時、またガーゼや包帯を準備している間に行う

*身体の表面近くを通る動脈血管には圧迫しやすい「止血点」がある
*出血している部位より心臓に近い止血点を、手や指で圧迫し止血する

◆止血点
・頭部:こめかみ
・上半身:脇の下、肘の内側
・指:心臓に一番近い関節
・下半身:股のつけ根

◆解説者
中田孝明
株式会社Smart119 代表取締役
千葉大学大学院医学研究院 救急集中治療医学 教授
https://twitter.com/Nakada119

◆監修協力
新井久美子(救急科専門医)
矢澤まり(外科専門医)

◆印刷用資料ダウンロードリンク
https://smart119.biz/manga/000568.html

◆参考資料
・東京消防庁
普通救命講習(短縮救命講習用) 出血の応急手当
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/learning/contents/lifesaving/contents05_1.html#beginning

・総務省消防庁
救命処置「12.止血法」
https://www.fdma.go.jp/relocation/e-college/cat65/cat65/cat44/12.html

◆医療情報イラストレーション・シリーズ ホームページ
https://smart119.biz/manga/

Smart119
https://smart119.biz/

(マイナビ子育て編集部)

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