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2023年04月09日 09:01 更新

間一髪! こんなにある子育て中のヒヤリ・ハット体験【医師監修】

子どもは、大人が思ってもみなかった行動をとることがあります。物心がついてからも、心配なことがたくさん。子どもの安全は大人が守る以外にありません。ヒヤリ・ハットの事例を知って、大きな事故を防げるよう、心の準備をしましょう。今回は、実際にあった育児中のヒヤリ・ハット案件を項目別にまとめました。

子育てをしていて間一髪だった【ヒヤリ・ハット】体験はありますか?

子育てをしていて間一髪だった【ヒヤリ・ハット】体験はありますか?

約82%の人が、育児中のヒヤリ・ハットを経験しています。日常生活のなかにも危険が潜んでいることを、しっかりと認識する必要があります。

ヒヤリ・ハット案件で大事な点は、情報を共有するということ。パートナーに報告しづらい気持ちもわかりますが、子どもに関わる大人全員で共有し、今後の事故を防がなくてはなりません。

子ども自身にも、危ないことが何か、きちんと伝えてあげましょう。

やけど

●1歳になったばかりで、やっとつかまり立ちができた次男。ふと見ると、炊飯器の蒸気がたちのぼるところに手を伸ばそうとしていました。間一髪! 火傷せずに事なきを得ました。よかった~。とほっとしました。(女性/41歳/医療・福祉/専門職)

●一番下が1歳のとき、焼肉するため鉄板をあっためてるときに子どもが手で鉄板を触ってやばいってなりました。幸い温めてる最中だったので、大事にはなりませんでした。(男性/31歳/自動車関連/技術職)

●当時1歳の息子が、テーブルの上に置いてあった熱湯が入ったコップを両手で持ち上げて、自分の方へ思いっきりかけてしまいました。足だけ少しのやけどで済みましたが、顔にかかっていたら大変なことになっていたと思います。(女性/34歳/小売店/販売職・サービス系)

乳幼児がいる家庭では、安全のために火器の使用を制限していることが多いのではないでしょうか。石油ストーブなど、直接炎が出る機器にはガードをつけるなど、対策を施して、危なくないように気を付けていきましょう。

そして、やけどの危険は火によるものだけではありません。盲点なのが、湯沸かしポットや炊飯器の蒸気。吹出口からは高温の蒸気が出ている場合があるので、触れられないように置き場所を工夫しましょう。子どもには温度の違いがわからず、加湿器の蒸気と同じだと勘違いして手を伸ばすこともあります。一見すると熱く見えないホットプレートも同様で、試しに触ってみたらやけどしてしまいかねません。

また、まだ自由に身体を動かせない赤ちゃんの時期であっても、電気カーペットや湯たんぽなどによる低温やけどなどに注意が必要です。

転落

●1歳の子どもと2階に上がり私は洗濯物を干していました。子どもがひとりで階段のほうに歩いて行ってしまい、洗濯物を干し終わり見に行くと誤って階段のケージがあいていてヒヤッとしました。1階を覗き込んでいて、2階から落ちなくてよかったと思いました。(女性/34歳/専業主婦)

●2歳ぐらいのころチャイルドチェアの上に立っててバランス崩して落ちたけどギリギリキャッチできた。(男性/37歳/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)

●当時2歳だった息子が祖母の家の縁側で遊んでいたとき、蝶々が飛んで来てそれを捕まえようと立ち上がった瞬間ぐらついて私が支えなければ地面に落ちていました。大人にとっては高くなくても子どもにとっては危ない高さなので、気をつけようと思いました。(女性/36歳/自動車関連/製造)

子どもの転落は本当にヒヤリとします。とくに乳幼児は頭が重いため、バランスを崩すと頭から転落してしまうので大きな事故につながりやすいのです。

また、台になるものがなくても、器用に手足を使ってベランダの柵や手すりを乗り越えてしまうことがあります。

「まだ小さいから」と油断せずに、ベランダに出るサッシや出窓には二重に鍵をつけておき、締め忘れのないようにしましょう。子どもの手が届かない上方に追加の鍵を設置することをおすすめします。

寝返りを打てない赤ちゃんも、急に寝返りをしてベビーベッドから落ちてしまうことがあります。必ず柵はロックして使用してください。

誤飲

●2歳の娘をお店のカートに乗せ買い物をしていました。大人しくしてもらうために棒つきの飴を食べさせていました。食べ終わる前にその飴が棒からはずれ口の中に入ったようで、喉を詰まらせました。焦った私は娘を抱き上げ自分の膝辺りに娘のお腹を当て背中を叩き飴を吐かせ、大事には至らず。ほっ。こういうことがありうるから飴玉ではなく棒つきの飴にしたのですが、結局危ないことになりかけました……。(女性/44歳/専業主婦)

●3歳のころ、上の子と一緒にタピオカを飲んでいて、突然喉を触ってオエッとしだしたので喉に詰まったかと焦った。泣き出したので詰まったわけではないとわかったが、飲ませたことをとても後悔した。(女性/47歳/専業主婦)

●上の子が8ヶ月くらいのころ、私が食べていたリンゴをとって食べはじめており、喉に詰まってしまったことがありました。焦って、すぐ背中を叩きました。すると大きなかけらがぽろっと取れました。ほんとに死んでしまうかと思い、泣きながら背中を叩いたのを覚えています。(女性/36歳/医療・福祉/専門職)

誤飲事故には、2種類の危険があります。ひとつは、ここにあげられているような喉をつまらせてしまう危険。もうひとつは、洗剤やタバコなどの異物を飲み込んでしまう危険です。

喉にものが詰まったときは、背面殴打法が有効です。下を向かせて背中を強く叩きます。トイレットペーパーの芯を通るものは、飲み込んでしまう可能性が十分にありますから、おもちゃを使用しているときは要注意です。上の子が持っている小さなおもちゃは、しばらく封印するか、大人が見ている間だけ別の場所で遊ばせるなど、注意を払っておきたいですね。

薬物などを飲んでしまったときは、慌てずに地域の中毒110番に電話を。事前に番号をひかえておくと安心です。救急車を呼んだ方がよいか判断に迷うときは「#7119」へ相談を。緊急の場合は躊躇せずに「119」に通報して指示をあおいでください。

水の事故

●1歳半のとき、お風呂で私がシャンプーしてるときに、子どもが湯船に落ちました。かなり焦りました。(女性/41歳/専業主婦)

●上の子が7歳、下の子が2歳になりたてのころに、近所のプールに連れて行きました。妻はプールサイドで少し休憩しており、少しアトラクションっぽい滑り台のあるプールで両子どもを遊ばせていました。上の子が急にお母さんのところへ戻ると言い出し、気をつけて戻りなさいと後ろを向き見送った一瞬、下の子から目を離した隙に30cmくらいの水深のところで足を滑らせたのか、下の子が溺れそうになっていました。水場で一瞬でも目を離した自分が悪いのですが、心臓が止まる思いでした。(男性/36歳/医薬品・化粧品/営業職)

●当時5歳の次女とお風呂に入ったときの事です。次女はひとりで湯船に入り、私が身体を洗っていたら、知らぬ間に寝ていて溺れるところでした。以降ひとりで入るときは次女の様子をしっかりと把握しながら入っています。(男性/40歳/金属・鉄鋼・化学/技術職)

水溺事故は家庭内でも起こりえるため、十分な注意が必要です。子どもは、水深たった3cmで溺れるおそれがあります。一緒にお風呂に入っていても、目を離すことがないようにしてください。大人の洗髪は、子どもをお風呂から出したあとに。浴槽のお湯は、すぐに抜きましょう。

プールや海には監視員さんがいるので安心しがちですが、人が溺れるときは声も出せず、静かに溺れてしまいます。また、脚をはめるタイプの浮き輪を使用した場合、ひっくり返ると自力では脱出できません。子どもから決して目を離すことなく、厳しすぎるくらいの監視体制を心がけましょう。

キャンプ場の川や水辺で遊ぶときは、救命胴衣の着用を強くオススメします。数千円で命が助かると考えれば安いものです。

自動車との接触事故

●6歳くらいのとき、ようやく自転車に乗れるようになり、一緒にサイクリングに出かけましたが、ブレーキがかけられずに危うく自動車とぶつかりそうになり、青ざめたことがあります。(男性/38歳/建設・土木/技術職)

●6歳のときに押しボタン式の信号が青に変わった瞬間に、右左もまったく見ずに走って渡ろうとしたので、車が来ていたと思ったらゾッとしました。(男性/40歳/金融・証券/専門職)

●上が5歳、下が3歳のころのこと。幼稚園バスで登園していて、バス停に向かっているところ、バスが早めに到着していて「バス来たっ!」って突然上の子が走り出し、道路に飛び出してしまって、焦りました。(女性/43歳/専業主婦・主夫)

車を運転している人ならわかる通り、自動車はたいへん危険な乗り物です。注意深い運転者にも死角があります。交通ルールは、何度も真剣に教えなければなりません。

横断歩道だから大丈夫、とも言えません。大人が先に渡り、黄色信号になっているのに慌てて子どもがついていくという状況も起こり得ます。

子どもの飛び出し事故を防ぐのに、遊びのなかでの訓練が有効という知見があります。「ストップ!」と大人が叫んだらすぐに止まる、といった遊びを通じて、もしものときにとっさに止まれるように練習しておきましょう。

監修・ 甲斐沼先生のコメント

厚生労働省人口動態調査及び医療機関ネットワーク事業の事故情報を消費者庁で分析したところ、子どもの中でも0~1歳の入浴中の溺水事故が最も多い、そして大人が少しの時間目を離している隙に発生する事故が多く、わずかな水深でも事故が発生していることが判明しました。
御家庭で子どもが溺水する事故を防止するために、大人が洗髪して目が離れる際には、子どもを浴槽から出す、子どもだけで入浴させないようにすることが重要です。
また、子どもが小さいうちは、入浴後は浴槽の水を抜くことを習慣にして、使用後の洗面器やバケツに水を溜めたままにしないように注意しましょう。
子どもは声や音を出さずに静かに溺れることもあるため、少しの時間、少しの水量と油断せずに、子どもの見守りと合わせて溺水事故が起こらない住環境づくりを実践してください。

まとめ

事故を防ぐためには、さまざまな予防策があります。エレベーターの巻きこまれや遊具のひっかかり事故を防ぐための服装の注意、住環境の整理整頓など、ひとつひとつ生活を見直していきましょう。事故をおそれるあまり、子どもの自由な活動を阻害するのもよくありません。みなさんが経験したヒヤリ・ハット事例を参考に、今後の対策を家庭内で話し合ってみてください。

マイナビ子育て調べ
調査日時:2023年1月7日~8日
調査人数:119人(22歳~40代までのパパ・ママ)

(マイナビ子育て編集部)

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