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2018年10月23日 14:32 更新

郵便局の学資保険「はじめのかんぽ」とは?契約時の4つの注意点

郵便局に学資保険の取り扱いがあることをご存知ですか?「はじめのかんぽ」という商品名で販売されています。郵便局で販売というだけで安心感がありますが、その内容はどのようなものなのでしょうか。他の生命保険会社の学資保険と比べてどのような位置づけなのかも気になるところです。「はじめのかんぽ」について早速みていきましょう。

郵便局の学資保険「はじめのかんぽ」とは?

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郵政民営化にともない誕生した日本郵政グループの生命保険会社が、株式会社かんぽ生命(以下「かんぽ生命」という)です。このかんぽ生命が取り扱う学資保険が「はじめのかんぽ」です。郵便局という圧倒的な知名度と信頼性、全国どこにでもあるため加入がしやすいことや、発売された当初は保障が手厚かったことなどから、抜群の人気を誇っていました。

今では、他の生命保険会社も返戻率の良い学資保険をたくさん販売するようになったため、どの商品を選べば良いか悩むママやパパも多いと思います。この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。

「はじめのかんぽ」の特徴としては、以下の5つが挙げられます。

1.ライフプランに合わせて学資金の受け取りが3つのコースから選べる
2.万が一契約者が死亡した時は、以後の保険料は払い込み不要だが、学資金は予定通り受け取れる
3.出生前加入制度があり、出産予定日の140日前から加入できる
4.学資金の必要な時期に合わせて17歳満期も用意
5.子供の医療保障も準備できる

かんぽ生命の魅力はなんといっても全国にある郵便局で手続きが可能だという点です。「はじめのかんぽ」では、子供が0~3歳までに限られているものと、0~12歳まで加入できるものの2種類があります。いずれも出生予定日の140日前から加入できるため、妊娠中からさまざまな学資保険と比較しながら検討してみてはいかがでしょうか。

●株式会社かんぽ生命保険ホームページ「学資保険 はじめのかんぽ」
http://www.jp-life.japanpost.jp/products/lineup/gaksi/prd_lu_gks_index.html#course

選べる3つのプラン

「はじめのかんぽ」には保険金の受取時期が異なる3つのコースがあります。一般でいう祝い金や満期金を「学資金」という呼び方で統一しているようです。

【「大学入学時」の学資金準備コース】

17歳または18歳満期で保険料の払込期間が12歳、17歳、18歳から選べます。返戻率を100%にするには、入院保障特約などをつけずに12歳までの払い込みにすることがポイントになります。大学入学時は、短期間のうちに大きな出費あるため、計画的に準備できると安心ですね。

【「小・中・高+大学入学時」の学資金準備コース】

小学校・中学校・高校の入学前の12月に祝い金がもらえ、さらに大学入学時に満期の保険金が受け取れるというものです。保険料の払い込みは大学入学時の学資金準備コースと同じく、12歳、17歳、18歳から選べます。祝金は受け取れますが、その分返戻率が低くなるため、元本割れします。他のコースは加入対象年齢が0~12歳に対し、このコースだけは0~3歳に限られている点も特徴です。大学入学時の大きな学資金に加えて、何かと入り用な小・中・高入学前の12月にも学資金がもらえるのは嬉しいですね。

【「大学入学時+在学中」の学資金準備コース】

大学入学時(18歳)だけでなく、在学中(19歳、20歳)にも祝い金が受け取れ、大学4年(21歳)の時には満期保険金と契約者配当金が受け取れるコースです。保険料の払い込みは12歳と18歳から選べます。祝い金が受け取れる回数は多いのですが、その分返戻金が下がってしまうのが特徴です。大学入学時だけでなく毎年支払う授業料などをしっかり準備しておけば、大学4年間を余裕をもって過ごせそうですね。

親に何かあっても学費は確保できる

「はじめのかんぽ」の2つめの特徴に、万が一契約者が死亡した時は、以後の保険料は払い込み不要だが、学資金は予定通り受け取れるというものがあります。これは学資保険の代表的な特徴ともいえるもので、「保険料払込免除特約」という特約の一種です。特約ということで、つけるかどうかの選択ができる場合もあるのですが、「はじめのかんぽ」の場合は2016年6月2日以降は「保険料払込免除特約」をつけたものしか取り扱いがないようです。

産まれる前から加入OK

子供の出産予定日の140日前から加入できる「はじめのかんぽ」ですが、契約者は父または母に限られます。そして産まれた時には速やかに郵便局や、契約をした支店に連絡が必要です。出生前は特約がつけられないのですが、出生通知と同時に特約の付加ができるため、気になる特約がある場合には事前に調べておくといいでしょう。

万が一、流産や死産などされた場合、契約は無効となり、すでに払い込まれた保険料は契約者に払い戻されます。

注意点としては、子供が産まれる前に18歳満期の学資保険加入した場合、保険料期間満了時の実際の子供の年齢は17歳となり満期保険金の支払いが高校2年時になる場合があることです。必要な時に間に合わないのは困りますが、早まる分には問題ないのではないかと思います。

ニーズに合わせて17歳満期も

推薦入試やAO入試など入試制度の多様化で、早いケースでは高校3年生の秋に受験費用や入学金が必要になります。学資金を必要な時期に受け取れるように、満期年齢が17歳か18歳か選ぶことができます。

ホームページの例では「1月に申し込みをし、契約日が2月になった場合、17歳満期:17歳(高校2年生)の2月に、18歳満期:18歳(高校3年生)の2月に満期保険金をお受け取りいただけます。」とあります。

子供の医療保障も準備

子供の、万が一の事故によるケガや病気にそなえる医療保障として、入院保障特約があります。「はじめのかんぽ」の場合は、特約を付けるとその日から保障が付いてきます。入院保障特約を付けると掛け捨ての保険料が発生するため、保険料が上がって結果的に返戻率が下がってしまうという特徴があります。

内容や学資保険の返戻率などを相対的に考えると、医療保障は学資保険の特約として付けるよりも、別に医療保険として準備した方が良いかもしれません。

「はじめのかんぽ」を契約する際のポイント

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かんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」に限らず、加入前に知っておきたいポイントをご紹介します。これを知っているのといないのとでは大きく差がつきますよ!

払方期間について

「はじめのかんぽ」では保険料の払い込みが12歳、17歳、18歳から選べるのですが、最短の12歳は保険料の総額を抑えたい方におすすめです。反対に最長の18歳は月々の保険料を抑えたい方に向いています。どちらを選ぶか判断するには、将来の収支を見通すライフプランを作成するのが一番です。長期に渡って払う保険料ですから、無理のないようにシミュレーションしておきましょう。

祝い金について

「はじめのかんぽ」に限らず、学資保険商品一般的に、祝い金という制度があります。満期の時に保険金をまとめて受け取るのではなく、決められた時期に小出しに保険金を受け取るというものです。満期にまとめて保険金を受け取る場合と比較して、返戻率が下がることを覚えておきましょう。

「はじめのかんぽ」の場合も同様に、学資金を受け取る場合は返戻率が下がります。コースや払い込み満了年齢によっては元本割れするものもあるため、加入前には確認しておくことをおすすめします。

契約者貸付について

学資保険には他の一般的な生命保険商品と同様に、契約者貸付制度があり1年間の期限つきで保険会社からお金を借りることができます。契約者貸付制度でお金を借りることができるのは契約者のみで、借りられる金額は解約返戻金の70~90%の範囲内というのが一般的です。契約内容や経過年数によっても異なり、契約後短期間の場合は貸付を受けることができない場合もあります。

契約者貸付制度でお金を借りた場合、所定の期間内で利息も含めたお金を返済する必要があります。返済をしなかった場合は、祝い金や満期でもらえるはずの保険金から差し引かれるため、利用する前にしっかりと返済計画を立てることが大切です。

途中解約には注意

学資保険を払込満了年齢まで保険料を支払うのではなく、積み立ての途中で解約する時は「解約返戻金」を受け取ります。かんぽ生命の「はじめのかんぽ」で医療保障の特約をつけた場合、解約返戻金はそれまで学資保険に加入していた期間にかかった子供の医療保障のお金が差し引かれたお金が支払われることになっています。

他社の学資保険よりも保障が充実している分、「解約返戻金」は少なくなる点に注意しましょう。

他社保険との返戻率の比較

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将来の教育資金の貯蓄として学資保険を検討する際には、返戻率はチェックしておきたい項目のうちの1つです。「はじめのかんぽ」の返戻率についてご紹介します。

かんぽ生命は返戻率は低め

学資保険の返戻率はさまざまですが、返戻率100%以上をキープしている商品を販売している保険会社も多くあります。

かんぽ生命の学資保険は、2016年にかんぽ生命が行った保険料の改定により返戻率が下がってしまいました。そのため「はじめのかんぽ」では、コースの選び方や払込満了年齢によっては返戻率が100%を切ってしいます。基本的に12歳払い込みを選択しないと返戻率は100%を超えないと思っておいた方が良さそうです。

まとめ

学資保険の加入目的に多い「貯蓄」を重視したい人にとっては、「はじめのかんぽ」に大きなメリットはないでしょう。反対に、「保障」を重視したい人にとっては特約の充実している「はじめのかんぽ」は魅力的な商品といえるかもしれません。

いずれにしても長期的にお金を預けることになる学資保険ですから、商品選定は慎重に。実は商品自体の良し悪しよりも、ご自身のライフプランに合っているかどうかの方が重要だったりするのです。ぜひ学資保険をきっかけに、今後のライフプランについても考えてみてくださいね。

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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