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2023年01月16日 10:16 更新

持ち物から伝えるべきことまで!現役小児科医が教える「クリニックの上手なかかり方」

小児科クリニックのかかり方って、誰にも教わることがないのでよくわからないもの。そこで、よりスムーズに、より正確な診断を受けるための上手な受診の仕方を、小児科医の森戸やすみ先生に聞きました!

何歳でも母子手帳とお薬手帳は大切

(※画像はイメージです/PhotoAC)

まず、乳幼児健診や予防接種の時によい小児科クリニックを見つけ、同じところにかかるようにしましょう。そうすれば、予防接種の打ち忘れがないかどうか、成長や発達に問題がないかを継続的に診てもらうことができるからです。また、保護者と医師、お子さんと医師のコミュニケーションもスムーズになります。

さらに病気などにかかった時も、これまでの既往歴や投薬についてもよくわかっているので、より正確な診断や治療に繋がるでしょう。ただ、もちろんのことですが、その小児科クリニックが合わないと思ったら、途中で別のところに変えても構いません。

次に当然のことですが、受診時には以下の4つを持参しましょう。一つのケースにまとめて入れておくとよさそうですね!

①保険証(その月の初めての受診時)
②乳幼児医療証か子ども医療証(その月の初めての受診時)
③母子手帳
④お薬手帳


じつは何歳のお子さんでも、予防接種時以外でも、母子手帳を持ってきていただけると助かります。妊娠中や出生時の様子、身長や体重の成長、乳幼児健診の結果、予防接種歴などを知ることができるためです。同じくお薬手帳も持って来ていただけると、他のクリニックにかかった時にどんな薬が出ているのか確認できるので、より安心です。

そして、必要な場合は事前に予約し、所定の時間に受診してください。発熱している場合は、その旨を伝え、やはり所定の発熱外来の時間に行くようにしましょう。あまり早めに行ったり遅れて行ったりすると、待ち時間が長くなる場合、感染対策のために外で待つことになる場合もあり、お子さんにも負担になります。

なお、意外なことかもしれませんが、予防接種枠で予約した場合は、通常の診察が受けられないことがあります。予防接種と同時に通常の診察も受けたい場合は、できれば予約時に、急きょの場合は当日、受付に伝えてみてください。

症状や質問をメモしておくとスムーズ

クリニックに着いたら、感染症のリスクがあるので飲食は控えましょう。また、お子さんが床をハイハイしたり、寝転がったりしないよう気をつけてください。どこであっても床には多くのウイルスや細菌が落ちていますが、クリニックには特に多いと考えられるためです。

問診では、医師に以下のようなことを教えてください。

①お子さんの名前、年齢、性別、持病の有無
診察室では、まず他の人と間違えないよう名前を教えてください。次に年齢と性別もお願いします。これは年齢と性別によって、かかりやすい病気が違うから。例えば、乳幼児が発熱して咳をしていたらRSウイルス感染症の可能性が高いのですが、小学生なら新型コロナやマイコプラズマ肺炎の可能性が高いのです。持病がある場合も教えてください。

②主訴
次に、高熱がある、咳が止まらない、嘔吐している、下痢をしているなど、主に困っている症状を教えてください。いつからか、どの程度なのかを教えてもらえると助かります。発熱なら体温の推移の記録(グラフ)、嘔吐や下痢は写真があればよりいいと思います。

③普段と違うところ
母乳もミルクも普段の半分程度しか飲まない、食事の量が少ない、夜眠れていない、ずっと機嫌が悪いなど、いつもと違うところがあれば教えてください。どういう病気なのか、どんな症状を改善すべきか、判断材料の一つになります。

④周囲で流行している病気
友達の数人が嘔吐や下痢をしている、同じクラスに新型コロナで休んでいる子がいる、家族がインフルエンザに感染したなど、保育園・幼稚園や学校、家庭内で感染症にかかった人がいれば教えてください。診断の助けになり、不要な検査をしないで済むこともあります。

⑤希望する薬の形状や回数
どんなにいい薬も、使えないと意味がありません。例えば、お子さんがシロップしか飲めないのに、錠剤が処方されると困りますね。また保育園では投薬してくれないのに、1日3回の薬が処方されると飲みきれません。ですから、お子さんに合う薬の形状と回数を教えてください。内服薬には、シロップ薬、粉薬(ドライシロップ)、水なしで飲めるOD錠やレディタブ®錠、錠剤、カプセルなどがあります。その他の薬としては、坐薬、テープ薬、湿布薬、塗り薬、点眼薬、点鼻薬などもあります。ちなみに小さい子供の場合、解熱剤は座薬が使いやすいと思います。

こうしたことにプラスして、医師に聞きたいことを家でメモしてから受診するとスムーズで、聞き損ねもないので安心ですよ。小児科クリニックを上手に利用してくださいね!

参照)森戸やすみ『小児科医ママの子どもの病気とホームケアBOOK』(内外出版社)

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