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2023年01月06日 12:00 更新

「子どもの集中力がない、大半は親の誤解です」脳科学者に聞く子どもの集中力

予測不能な時代を生き抜くためには、これまでの常識とは異なる「〇〇力」が重要になってくるかもしれない。そんな「〇〇力」を子どもが身につけるためには、親はなにをしてあげられるだろうか。今回のテーマは「集中力」。集中力を鍛えることは、本当に可能なのだろうか、脳科学者の篠原菊紀先生に話を聞いた。

親は「集中力」を誤解している!?

子どもが宿題や習い事をしているときに「他のことに気を取られてばかりで、集中力がないなあ」「集中してやり始めるまでに時間かかりすぎじゃないかな」と、心配になってしまう。
今回はそんな悩みを持つKIDSNA STYLE編集部のママが、「子どもの集中力」をテーマに、脳科学者の篠原菊紀先生にインタビューをしました。

脳科学者 篠原菊紀先生

ーー一年生の長女は全く集中力がありません。好きな動画は集中して見ているけれど、宿題となると始めるまでに30分ダラダラ。ようやく始めたと思っても5分やったらダラダラ。どうしたら集中して宿題に取り組めるのでしょうか?

篠原先生:動画は集中して見ていると言いましたよね? ということは、集中力はあるんじゃないですか?

ーーえ……! 動画はなにも言わなければ何時間でも見ています……。でも、それって集中力なんですか?

篠原先生:もちろんです。「宿題は集中できないけれど、動画は集中して見ている」といったように対象によっては集中できるのであれば、その子に集中力がないとは言えません。

ーーたしかに動画を見るのにも集中力は必要ですよね。苦手な宿題をなかなかやらないからって集中力がないと決めつけるのは乱暴だったのかもしれません……。私だって苦手なことはなかなか集中できないし。

篠原先生:そもそも集中力という言葉は学術的にはあまり使わず、「注意」という言葉を用います。

注意の中には、「選択的注意」「分散的注意」「注意の持続」の3つの要素があり、皆さんがイメージする集中力という言葉は、多くの場合が「選択的注意」すなわち何かにのめりこむようなことを指していると思います。

そして、それが続くような状態「注意の持続」も欲しいと考える親が多いでしょう。

篠原先生:この3つの要素のどれがどのくらい強いかを見ると、その子のタイプが大まかには分かります。

もちろん宿題、動画、絵を描いているときなど何をしているかによって違うはずですが、全体的に見るとお子さんはどの傾向が強いですか?

ーーうちの長女は分散的注意の傾向が強そうです。色んなことに気が取られてしまいがちなので……。

篠原先生:分散的注意が強い人は集中力がないと思われがちだけど、「他のことも気になる力がある」とも言い換えられます。

もし今が狩猟時代で、いつ危険な動物に襲われるか分からないような状況だったら注意は分散しないと危険ですから、お子さんの分散的注意は絶対に必要なはず。

ーー環境や時代によって、それぞれのタイプが活きる場面があるということですね……!

子どもによって違う「集中力スイッチ」を探すには

ーーこのようなタイプは生まれつき決まっているんですか? それとも育つ環境によって変えられるのでしょうか?

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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