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2022年11月30日 11:25 更新

「孤独死」になりやすい人の特徴とは?「人との交流が少ない」「お金の余裕がない」といった一人暮らしの高齢者に多い傾向

GoodServiceは、ケアマネジャーを対象に「ケアマネジャーからみた孤独死」に関する調査を実施しました。

孤独死にならないために、何ができる?

近年、「孤独死(孤立死)」が増えていることを聞いたことがある人もいるかもしれません。

単身世帯が増えたこと、それも「一人暮らしの高齢者」が増えていることが背景にあるようです。

少子高齢化が進み、子ども夫婦と同居する高齢者が減少するなか、孤独死する人の数は今後さらに増えることが予想されています。

では、身近な人が孤独死にならないために、どのようなことができるのでしょうか。

介護支援の専門家である「ケアマネジャー(介護支援専門員)」から、孤独死となりやすい人の特徴などを聞くことが、参考になるかもしれません。そこで、GoodServiceが「ケアマネジャーからみた孤独死」に関する調査を実施しています。

孤独死増加をどのように感じている?

はじめに、孤独死に関して聞きました。

「孤独死をする方の数はご自身が働き始めた当初と比べて増えたと思いますか?」と質問したところ、「とても増えた(30.7%)」「やや増えた(54.2%)」「変わらない(分からない)(14.5%)」「減った(0.6%)」という回答結果になりました。

「とても増えた」「やや増えた」と回答した人を合わせると、8割以上が増えたと感じているようです。核家族が進み、さらに一人暮らしの年配の人も増えているのかもしれません。

では、孤独死の原因はどのようなことが考えられるのでしょうか。

前の質問で「とても増えた」「やや増えた」と回答した人に、「孤独死が増加した原因として、特に強く当てはまると思うものを教えてください(上位3つまで)」と質問したところ、「一人暮らしの増加(61.5%)」との回答が最多に。

次いで「高齢者自体の増加(少子化の加速も含む)(57.0%)」「コロナ禍による交流機会の減少(38.5%)」「介護サービスを受けてない人(19.6%)」「介護要員の不足(19.0%)」と続きました。

6割以上が「一人暮らしの増加」と回答したことから、亡くなって数日気づかれないことも多いのかもしれません。

孤独死は誰にでも当てはまる!?孤独死になりやすい人の特徴とは?

では、孤独死するのはどの年代が多いのでしょうか。

「孤独死をする方の中で、多いと思う年代を教えてください ※一人暮らしが前提」と聞いたところ、約4割が、「80代以上」と回答。そのほか、「70代(27.3%)」「「60代(14.4%)」と続きます。

一人暮らしの年配の方が増え、それに比例して孤独死が増えているのかもしれません。

孤独死の原因には何が考えられるのかについては、「熱中症や脱水症(57.1%)」と回答した人が最も多く、次いで「病気や突然死(ヒートショックを除く)(55.5%)」「ヒートショック(32.4%)」「転倒事故など(15.6%)」「自殺(14.7%)」と続なりました。

では、孤独死をする人にはどのような特徴があるのでしょうか。

「孤独死をする方にはどのような特徴がありますか?近いと思うものを教えてください(複数回答可)※一人暮らしが前提」と質問したところ、「高齢者(65歳以上)(51.2%)」と回答した人が最も多い結果に。

次いで「親族や近所との交流が少ない(50.0%)」「経済的余裕がない(32.5%)」「慢性疾患がある(31.9%)」「食生活が偏っている(19.9%)」と続きました。

半数以上が「高齢者(65歳以上)」と回答したことから、高齢者で一人暮らしをしている人には定期的に連絡をとることで孤独死を防げることもあるかもしれません。

ケアマネジャーが孤独死に遭遇したケースとは?

このように80代以上の孤独死が多いなか、第一発見者はどのような人なのでしょうか。

「孤独死の第一発見者は、どのような方(職業)が多いと思いますか?」と質問したところ、「隣人などの地域住人(32.2%)」との回答が最も多くなりました。最近見かけなくなったり、ポストに新聞が溜まっていたりと些細なことで気づくことも多いのかもしれません。

次いで「管理人や警察官(23.1%)」「家族や知人(21.0%)」「ケアマネジャーや(ホーム)ヘルパー(20.1%)」「宅配便や新聞の配達人(3.3%)」と続きました。

では、介護の仕事をしている人が孤独死に遭遇する頻度は増えているのかについては、「とても増えてきている」「やや増えてきている」との回答と合わせると、8割近くが増えていると感じているようです。コロナ禍で人と交流する機会が減ったことで、孤独死が増え遭遇する機会も増えたのかもしれませんね。

では、実際に体験したエピソードを聞いてみましょう。

■体験した孤独死に関するエピソード
・ヘルパー訪問時にポストに新聞が溜まっており、不審に思ったヘルパーよりケアマネジャーに連絡があった。家族の許可がありレスキューを呼んで亡くなられていたのを発見した(30代/女性/兵庫県)
・夏場にクーラーがなく熱中症で倒れてた(30代/男性/北海道)
・訪問時に返事がなく、注文しているお弁当が溜まっていて中に入ると亡くなっていた(40代/男性/北海道)
・水道の検診をしていますが、水量がゼロになってしまった独居老人の孤独死を見たことがあります。とても生臭い匂いが玄関ドアの方から漂っていました(50代/男性/埼玉県)

上記のような回答が寄せられました。

ポストに新聞が溜まっていること、お弁当が溜まっていることで様子がおかしいと感じ、中に入ると亡くなっていることがあるようです。

ケアマネジャーとして、利用者の孤独死をどう防げば良い?

では、孤独死を防ぐためにはどのようなことが必要なのでしょうか。ケアマネジャーの回答を見てみましょう。

「身近な人が孤独死にならないためには、どのようなことが必要だと思いますか?(上位3つまで)」という問いに対しては、「自治体が行っている孤独死を防ぐためのサービスの利用(50.3%)」との回答が最も多くなりました。

自治体からのサービスを知らない人もいるでしょうから、積極的に促せば安心して利用してもらえるのではないでしょうか。

次いで「スマホのアプリなど企業が行っている見守りサービスの利用(46.5%)」「老人ホームの利用(37.4%)」「民生委員など近隣との連携(29.7%)」「家族との連携(21.4%)」と続いています。

最後に、ケアマネージャーとして、利用者の孤独死を減らすために必要だと考えることを見ていきましょう。

■利用者が孤独死にならないための方法
・家族と連携をとりなるべく一人にならない環境を作る(30代/男性/北海道)
・お金のかからない行政サービスを増やす(40代/女性/兵庫県)
・経済的理由により使いたくても使えない高齢者がいる事をもっと行政は理解して対応して欲しい(40代/男性/埼玉県)
・ウェブカメラなどによる定点監視(50代/男性/埼玉県)

などの回答が寄せられました。

ウェブカメラなどによる定点監視や一人にならない環境を作るという意見がありました。

また、将来的に行政のサービスを増やすことで、その人にあったサービスを受けることができるかもしれませんね。

調査概要

「ケアマネジャーからみた孤独死」に関する調査
【調査期間】2022年11月4日(金)~11月5日(土)
【調査方法】インターネット調査
【調査人数】1,006人
【調査対象】ケアマネジャー(介護支援専門員)
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ

GoodService
https://www.kataduke-kaitori.com/

(マイナビ子育て編集部)

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