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2022年10月16日 06:13 更新

「学校どうだった?」はNG!? “子供に無視される親”に教えたい『スルーする3つの理由』臨床心理士解説

小学生入学ごろの子供は様々な面で成長する一方、嘘や屁理屈なども出てくるようになります。それもまた成長と思う反面、学校の様子を訊いてもスルーされたり、言いつけを守らなかったりすると、怒りや呆れとともに、「この子、こんな風で大丈夫?」心配になりますよね。子供が親の言葉を無視してしまうのには、ちょっとした理由があるものです。

(文:うららか相談室 野瀬綾子/臨床心理士・公認心理師)

親の言葉をスルー・無視をする子どもたち

反発できる時にはあれこれと口答えする子ども達ですが、「早く起きないと学校に間に合わないよ」「もう約束のゲーム時間が過ぎているよ!」と言っても知らんぷり、なんてこともあるでしょう。

Lazy dummy

「都合の悪い時には無視して!」と腹が立ってしまうこともありますが、小さな頭の中には本人なりの考えがあったり、聞いていないようでしっかり聞いていたりするのです。
(野瀬先生)

干渉されることを嫌がることも

誰と遊んだのか、学校で何をしたのか聞いても教えてくれなかったり、忘れ物をした翌日に「明日は大丈夫か一緒に確認しようか」といっても鬱陶しそうに「自分でやるから」と突っぱねられたり、何かと干渉されることを嫌がることがあります。

自立への一歩を踏み出した子どもは、小学校中学年頃になると「ギャングエイジ」と呼ばれる世代に入り、親や教師などの周りにいる大人よりも自分のそばにいる仲間などからの影響を強く受けながら行動するようになります。友達同士のグループでのルールや秘密といった自分達だけの世界を大切にするあまり、パパ・ママからの干渉を鬱陶しく感じるのだと考えられます。
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関連記事
▶︎ヘリコプターペアレントとはどんな親?子への過干渉リスクをチェックリストで診断【心理カウンセラー監修】

なぜ親の言葉を無視する? よくある3つのケース

「部屋を片付けてね」と言っても無視され、「今日は学校どうだった?」と聞いてもスルーされ…こちらの声かけを無視することが多い子もいます。
このような場合、声かけのタイミングや方法を変えることで改善されるケースもあります。

① 何かに夢中で気づいてない

子どもが何かに熱中している時に声を掛けている場合は、本当に気付いていないことや、「今いいところなのに」と聞こえないふりをしていることも考えられます。
こうした場合には、様子を見ながら段階的に声をかけて、子どもが気持ちを切り替えられるようにするとスムーズにいくかもしれません。
例:「あと10分したら……」「ここが終わったら……」「もうすぐだよ」等

② 漠然とした質問は答えにくい

上記の例では「学校どうだった?」という漠然とした質問をしています。こうした場合は「何から答えればいいの?」「何を聞きたいの?」というように、困ったり面倒になって無視している可能性があります。
「休み時間は楽しかった?」「何の授業が大変だった?」と聞きたいポイントを絞って質問することで答えやすくなるかと思います。

③ 質問に怯えている

何を言っても怒られるからと感じていたり、子どもが葛藤していることの核心をつかれるような質問についても無視されることがあります。叱るべきところは叱って切り替えるよう心がけたり、「困った時は話してね」と常に伝えておくことで話しやすい雰囲気を作ることも大切です。

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そのほか、中間反抗期の特徴や対応の方法、屁理屈・嘘タイプへの対処法については、以下の記事の中で詳しく解説しています。
▶︎小学入学前後に来た「中間反抗期」の5つの特徴とは?効果ありの対処法とタイプ別関わりのコツ【心理カウンセラー解説】(文:うららか相談室 野瀬綾子/臨床心理士・公認心理師)

※本記事は上記の記事を一部抜粋したものです
※画像はイメージです

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心理カウンセラーが解説「親子の心理学」シリーズの記事はこちら>>>

参考文献
[*1]KangLee et al.Can Classic Molal Stories Promote Honesty in Children?,2014 PsychologicalScience25(8)
  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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