教育費無償化でも学資保険は必要?! 絶対に知っておきたい国の教育支援

教育費無償化でも学資保険は必要?! 絶対に知っておきたい国の教育支援

子供が産まれて親になると、教育費がどのくらいかかるか気になる方も多いのではないでしょうか。具体的に我が子にいくらかかるかというところまで、しっかりシミュレーションしておきたいものです。そこで、教育費にも大きく関わる国の支援をまずはご紹介したいと思います。


国の支援 「高等学校等修学支援金制度」

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少し前の話題ですが、「高校の授業料を無償化する」というニュースを耳にした方も多いのではないでしょうか。今は半数の学生が大学へ進学するということもあり、高校までは誰でも教育を受けられるようにと国も支援の幅を広げています。

2010年から始まった制度ですが、名称や内容を少し変えて2014年4月より新制度である「高等学校等修学支援金制度」がスタートしています。公立高校でも私立高校でも対象となり、年収約910万円未満(市町村民税所得割と都道府県民税所得割が50万7,000円未満)の世帯には「就学支援金」として月額9,900円が支給されます。年間に換算すると11万8,800円となり、子育て世帯にはかなり助かる金額ではないでしょうか[*1]。

ただし、共働き世帯の場合は、年収の高い方ではなく2人の世帯年収で判断することになるため、該当しない家庭も出てくるのではないかと思います。この所得制限は2014年の新制度から始まったのですが、その分低所得世帯で私立高校に通う場合の手当金が増えました。収入に関わらず希望する進路を選べる可能性が増えたことは、子育て世代にとって非常にありがたいですね。

国の支援 「保育園・幼稚園の無償化」

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さて、続いてもう1つ気になる制度が始まる予定です。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、2019年から始まる保育園・幼稚園の無償化です[*2]。

内閣府のデータによると、20代・30代が理想の子供数をもたない理由は、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」が最大の理由であり、少子化問題の一因ともなっているそうです[*2]。そのため、政府としても保育の受け皿拡大を図りつつ、幼児教育の無償化をはじめとする負担軽減措置を行い、少子化対策につなげたい狙いがあるわけですね。

無償化の対象範囲になるのは、主に3歳から5歳までの全ての幼稚園、保育所、認定こども園の費用とです。その場合、所得の制限はないとされています。その他、0歳から2歳児についても住民税非課税世帯(年収約250万円未満)は無償化、障害児の発達支援についても無償化などが挙げられています。

実施時期は2019年10月となっており、これは消費税増税のタイミングと同じになります。そのため、手放しで喜ぶことは出来ませんが、それでも教育費負担軽減には繋がる制度のため今後の動向に注目していきたいと思います。

余談になりますが、筆者も来年度から幼稚園入園を控えている子供がいるので、この制度の詳細がとても気になっています。たとえ無償化になったとしても消費税増税の影響と相殺して、実際にどれだけの効果があるのかはわかりません。0歳から小学生までの約10年間は将来の教育資金の貯めどきということもあり、無償化になったとしても財布の紐を緩めることなくしっかりと教育資金を作っていきたいというのが本音です。

ここまで国の支援についてみてきましたが、いかがでしたでしょうか。教育資金はたくさんあるに越したことはありませんが、国も色々と支援策を考えてくれていることがお分かりいただけたのではないかと思います。漠然とした不安を抱えるのではなく、どのような制度があるのかを知り、該当するものは漏れなく使うくらいの心構えでいましょう。

教育資金準備は必須

保育園・幼稚園の無償化が実施され、高校も無償化となれば教育費の負担は少し軽減されるかもしれません。それでも教育費が年々上がっていること、習い事の多様化や英語教育の必要性などを考えると、やはり教育資金準備はしっかりしておきたいところです。

ソニー生命の子供の教育資金と学資保険に関する調査(2014年〜2018年)の推移を見ていくと、いずれの年でも子供を大学等に進学させるための教育資金を準備する方法は、銀行預金と学資保険が1位・2位を争う結果でした。

しかし、学資保険は本当に必要なのでしょうか?なぜ学資保険は根強い人気があるのでしょう。

●ソニー生命保険株式会社ホームページ「子供の教育資金と学資保険に関する調査2018」
https://www.sonylife.co.jp/company/news/29/nr_180125.html

教育費の準備に学資保険が選ばれるわけ

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学資保険は、子供が高校や大学に進学するために必要な教育資金の確保を目的とした保険です。積み立て貯金と同じように、毎月、保険料を支払い続けます。一定の時期になると、祝い金や満期学資金として、契約時に決めた子供の年齢時にまとまったお金を受け取ることができます。このように、教育資金を「見える化」できるのが学資保険の良いところではないでしょうか。

ソニー生命の子供の教育資金と学資保険に関する調査2016で、学資保険を選んだ人にその理由を尋ねると、7割の人が「堅実だと思ったから」と回答しています。確かに中途解約しにくい学資保険を活用すれば、その他のことにお金を使ってしまう心配はなくなりますね。その他には「まとまったお金を受け取るタイミングを選べるから」、「途中でやめずに続けられそうだと思ったから」といった回答もあり、学資保険の「受け取り時期を事前に決めておける」、「強制的だからこそ継続できる」という点が安心感につながっているようです。

また学資保険にはその名の通り、保険としての役割があります。契約者(親)に万が一のことがあった場合には、保険料の払い込みは免除となり、保険金が支払われます。これこそが、学資保険の最大の特徴です。

ほかにも、生命保険料控除や一時所得などの税金の控除が受けられるのも“保険”という制度ならでは。被保険者(子供)に医療保障を付加することもできるので、子供の医療費助成が手厚くない自治体の場合は重宝します。

●ソニー生命保険株式ホームページ「子供の教育資金と学資保険に関する調査 2016」
http://www.sonylife.co.jp/company/news/27/nr_160302.html

学資保険はいつから入れる?

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学資保険はいつから入れるのでしょうか? 多くは妊娠中から入れますが、一般的に、無事に出産してから落ち着いた頃に入る人が多いため、赤ちゃんが1歳くらいまでに加入する人が多いようです。

実は、ほとんどの学資保険が、年齢制限を設けています。ですから、中学生くらいになってから入りたいと思っても、難しいでしょう。出産前後には学資保険に加入するかどうか検討し、加入する場合には早めに入りましょう。

とはいえ、2歳でも7歳(保育園児や小学生など)でも、入れないことはありません。保険会社により年齢制限は変わってきますが、多くが6~8歳まで加入が可能としています。ただし、学資保険は、加入が早ければ早いほど、月々の負担が軽くなるということは覚えておきましょう。

例えば、300万円の積み立てをすると仮定して、0歳~18歳で積み立てする場合と、5歳~18歳で積み立てする場合では、月々支払う金額が約5,000円ほど変わってきます。よって、学資保険を検討している人は赤ちゃんが0歳のうちに保険に入るのがおすすめです。

学資保険選びのポイント

学資保険に加入しよう! と決めても、いざ調べてみると、いろいろな保険会社から商品が出ていて何を選べばいいのか迷ってしまいますよね。学資保険の選び方はどこを重視して選べば良いのでしょうか。

学資保険に加入の際に重視すべき“返戻率”

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学資保険の返戻率とは?

学資保険を選ぶ際のポイントの1つとして挙げられる「返戻率」ですが、その商品の貯蓄性の高さを示すバロメーターとしてよく使われる言葉です。「返戻率」とは支払った保険料に対し、受け取る保険金総額(満期保険金やお祝い金)の割合がどの程度であるかを数値化したものです。計算式は次のとおり簡単です。

返戻率=(満期保険金+お祝い金)÷払込保険料総額×100%

返戻率が100%であれば、支払った保険料と同じ額の保険金を受け取ることになります。学資保険で貯蓄もしたいということで、返戻率が100%を超えていている商品を選ぶ方も多いようです。

学資保険選びの大きなポイントとなる返戻率ですが、その数値にとらわれる過ぎることなく、教育資金が必要な時に、必要な金額を受け取れることがもっとも重要だと言えるでしょう。

月々の支払いはいくらが妥当?

学資保険では、月々、いくら程度の支払いが一般的なのでしょうか?それを考えるには、まず「いつ」「いくら」必要なのかを考える必要があります。一般的には、大学入学時に教育資金が最も必要になる場合が多く、18歳を満期とし、受け取る人が多いようです。

大学入学時にかかる費用の相場は、私立大学(文系)で約150万円~200万円となっています(※)。そのため、学資保険では200~300万円を受け取り総額に設定するのが良いでしょう。この金額を0歳から学資保険に加入して積み立てるとすると、月の支払いは1万円~2万円ほどになります。

また、大学(私立)4年間通うとなると、学資保険の200~300万では全てを賄うことはできません。しかし、受け取り総額を高額にしすぎると、毎月の負担が大きくなりすぎ、途中で解約することにもなりかねません。学資保険で賄えない分は、別途、貯金や資産運用をするなど、生涯にわたっての資金計画も必要となります。

また上記にも述べましたが、学資保険は早く入れば入るほど月々に支払う金額は少なくなるので、学資保険を考えているのであれば、できる限り早く入るのがベストです。

(※)公益社団法人 生命保険文化センター 調査「大学受験から入学までにかかる費用はどれくらい?」
http://www.jili.or.jp/lifeplan/lifeevent/education/7.html

まとめ

少子化という問題を抱える日本では、国の教育費支援の在り方が大きく変わろうとしています。知らないと損をしてしまう可能性もあるため、子育て世代のみなさんは情報収集に力を入れたいところですね。

これまで教育資金準備の方法として根強い人気の学資保険ですが、その必要性も時代の流れによって変わってくるのかもしれません。

学資保険が必要と考えるかどうかは、そのご家庭の考え方にもよりますが、大切なのは金融商品自体の良し悪しではなく、ライフプランに合っているかということではないでしょうか。ご家庭に合ったそれぞれの方法で、教育資金準備に取り組んでいきたいですね。

[*1]文部科学省ホームページ「高等学校等就学支援金制度」
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1342674.htm

[*2]内閣府ホームページ「資料2-2 幼児教育の無償化について」
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_36/pdf/s2-2.pdf

記事の著者
ファイナンシャルプランナー 伊達 有希子
1級ファイナンシャルプランニング技能士・CFP®︎
世田谷区在住、0歳・3歳の女児を育てる母。お客様の目線に立ったアドバイスと長期的なサポートを提供したいという思いから独立。2013年にyou&me partners/ユメパートナーズを設立。専門家へ気軽に相談できるFP顧問サービス(FPコモンズ)を立ち上げサポート中。
http://www.youandme-partners.com/
https://fp-commons.jp/

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
※新型コロナウイルス感染症についての最新情報は、[内閣官房][厚生労働省]妊婦に関する情報[日本小児科学会]幼児に関する情報など公的機関等で発表されている情報をご確認ください。

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