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2022年10月19日 12:00 更新

北浜こどもクリニック 北浜直先生|子供たちに楽しんで帰ってもらう診療をしたい

北浜こどもクリニックの院長を務める北浜直先生は、3人の子を持つお父さんでもあります。川崎市の梶が谷駅から徒歩10分の場所にあるクリニックは、多くの親子に親しまれています。「子どもと親が行きたいと思えるクリニック」を理念とした北浜先生に、クリニックの特徴や日々の診察で心がけていることをお聞きしました。

子どもが自主的に「行きたい」と思えるクリニックづくり

北浜先生は開業当初から「子どもたちに楽しんで帰ってもらうこと」を診療方針としています。クリニックの待合室は、キッズスペースやミニミニ水族館、ゲームコーナー、授乳スペースなど親子でリラックスできる空間がいっぱい。クリニックは笑顔であふれています。

子どもたちの泣き声が響いている待合室に疑問を持っていた勤務医時代

子どもたちに楽しんで帰ってもらい、また病院に行きたいって思えるよう心がけています。「病院に行きたいってちょっと不謹慎じゃないか?」って言われますけども「元気になってまたおいでね」「なんかあったらいつでも来ればいいんだよ」っていう意味で開業当初からずっと言い続けています。

小児科の外来の待合室っていうのは、泣き続けているお子さんがいっぱいいるわけですよ。医療機関は子どもにとって恐怖の対象でしかない、だから子どもが泣いたり騒いだりするのは仕方ない…といった従来の小児科像を、勤務医時代に見てきて疑問を持っていました。
その答えとして、うちのクリニックの待合室では泣き声を響かせるのはやめようと。子どもたちから怖がられないような医療を行うことが当クリニックの特徴です。

裏ワザを使ってお子さんに注射をするときも泣かない工夫を

診察と一緒で、注射に関しても痛みを感じないように行っています。
「北浜先生の注射は痛くない」という噂が広がるようにしています。そういうイメージで来院されるので、ちょっと痛くても「北浜先生が言ったとおり(痛くない)だろ」と伝えて、ポジティブな印象を植えつけるようにしています。インフルエンザの予防接種のシーズンでも「注射は怖いけど、北浜先生だったら行っても良い」と言って来てくれます。それを見た妹や弟、友だちも「じゃあ私もやる」と。

お子さんが泣かないようにするには理由があった

初診のお子さんの中には、ギャン泣き(大泣き)する方もいらっしゃいますが、回数を重ねると泣かなくなって診察に協力的になってくれます。
それがなぜ必要かというと、ギャン泣きしているお子さんって聴診器を当てても診察ができないんです。逆にお子さんが協力的にしてくれれば、軽微な肺炎だって聴診ひとつで診断できて診察の精度が上がるんですよ。ですので、うちのクリニックにはレントゲンはありません。聴診器ひとつで診察しています。これはちゃんと診察に協力してくれるからできることなので、嫌がるお子さんを押さえつけて、不必要な処置や検査をして……いうことは一切行わないようにしています。

自ら足を運んでママさんたちにインタビュー!今の土地に開業を

通勤1時間以内の場所はどこかなって探していたときに、今の場所が小児科が少ない地域だということを知りました。開業前に実際に足を運んで、近隣のママさんたちにインタビューしてわかったことは、「小児科がなくて困っている」という声が多かったことです。
「ここに小児科ができたらうれしいですよね?」って聞いたら「嬉しい!」って声が多かったのと、この土地に住んでいる方々の人柄に惹かれたのもあります。僕の感性と合うなと思ってこの土地での開業を決めました。今ではこの土地に開業できて本当に良かったと思っています。

クリニックの待合室には、ミニミニ水族館やゲームコーナー、キッズスペース、絵本などが充実。親子でリラックスして診察を待てる工夫がされています。

オンラインサロンを開催して育児相談も

北浜先生ご自身についてもお尋ねしました。多趣味でユーチューブの配信やオンラインサロンなどの活動も気になるところです。

医師を目指したのは年下の子どもたちに慕われていた少年時代がきっかけ

中学生のときに小児科の開業医を志そうと思いました。
もともと子どもが好きだったのがひとつ、妹や弟とか年下が多かった環境だったというのもあって、周りに自然と年下の子が集まってきたんですね。あれやこれやと面倒みるのが好きな少年時代でした。「なんかこれって自分の魅力じゃないかと」。それを活かせる仕事を将来したいなあって漠然と思ったときに「街の小児科の先生」という着想になりました。学校の先生とか他にも子どもに関わる仕事があったんですけれども、「小児科の医者で開業医」と直感的に思いました。

寝る間もなく大変だったが今につながっている研修医時代

記憶に残る大変な時期といえば研修医時代ですね。病院で2年間研修しましたが、本当に寝る間も惜しんで泊まり込んで勉強しましたね。大変だったけども今に生かせているのかなと思っています。経験しないとわからないことが多いですから。今の研修医は拘束時間が9~17時って決まっているんですが、20年以上前の僕が研修医だった時代は、そんなことなく病院に張り付いて泊まり込んでいました。大変でしたが、今思えばそれが良かったと思っています。

元気になったお子さんに会えることに医師としてのやりがいを感じる

開業医として子どもを治す仕事をしているので、元気になった子どもたちを見ることにやりがいを感じます。
勤務医時代は入院して退院する過程を見れましたが、今は外来だけなので、病気でなくてもうちにくることをとても楽しみにしているお子さんがいるところが嬉しいですね。
うちのクリニックはゲームなど楽しめるものがたくさんあるので、病気が治っても行きたいっていうお子さんもいます。「頭が痛いから来ました」「なんか具合が悪いから北浜先生のところに行きたい」というお子さんもいらっしゃいます。親御さんが「先生、どうしてもこの子が来たがるので来ました」っていうのもありますね。

オンラインサロンを開催してママ同士の交流や育児相談も

現在、力を入れているのが2022年5月から始めたオンラインサロンです。いわゆるオンライン上の育児サークルのようなものです。今はコロナ禍でママ同士の交流がなかなかできない状況なので、オンライン上で僕が主催してオンラインサロンを開催しています。参加者は100人弱で、国内だけでなくシンガポール在住の日本人の方も参加されています。つい先日は東京地区のオフ会を開催しました。
サービスの一環として、育児相談に答えたりとかママ同士で交流などを行っています。赤ちゃんから思春期のお子さんを持つ不登校の相談などもあります。今一番そこに力を入れています。

インタビュー中、一つ一つ丁寧に答えてくださる北浜先生。小児科医療への熱い思いがひしひしと伝わり、お子さんやママたちに慕われているのも納得です。

新型コロナ対策でいち早く設けた「クリーンタイム」

新型コロナウイルス感染拡大が続き、診察を躊躇される親御さんもいるようです。北浜こどもクリニックではいち早く「クリーンタイム」を設けたとのこと。具体的にどのような工夫をされているか、コロナ禍での診察で感じていることもお伺いしました。

コロナへの不安が高まる中、安心して来院してもらうために

新型コロナが出始めた初期2020年2月から、いち早く「クリーンタイム」という時間帯を設けました。当初、コロナがよくわからない状況で、感染したら怖いという理由で受診を控える患者さんがいらっしゃいました。そこで熱や咳などの感染症状が全くないお子さんが来院する時間として「クリーンタイム」を作りました。
赤ちゃんの診察や喘息の定期フォロー、育児相談したい方の中には、発熱患者がひしめいているところに行くのをためらう方もいらっしゃるので……。
特に育児相談は絶対大事なので、安心して来院できるよう配慮しています。自宅でネットで調べて悶々と一人で育児してということがないようにしています。

コロナ禍でのマスク生活が続く中、お子さんの発育過程で感じたこと

人見知りをする赤ちゃんが減ったように感じます。口元をマスクで隠している状態だと、赤ちゃんって表情を読めないんじゃないかと思ったんですが、意外に人見知りをしないニコニコしている赤ちゃんが多い印象があります。
例えば6〜7ヶ月健診の頃の赤ちゃんは、いろんな人と親の顔を見分けて、ママなどいつも一緒にいる人を見て安心するんですが、私が見ている限り、今の赤ちゃんは、マスクをつけている医者や看護師など知らない人を見ても結構笑うんですよ。
マスク生活が続くことによって、人見知りをしなくて、人の顔の見分けがつかなくなってしまっていることも増えていくのかもしれないと思うと、ちょっとこれは問題かなって感じることがあります。学習する時期に大切なチャンスを奪ってしまったことが今後どういう影響を及ぼすのか、危惧しています。

小児科は子どものことに関する「総合窓口」

小児科の開業医は子どものことに関する「総合窓口」です。何科に行けばいいのか親御さんが悩まず「あそこに行けば何とかしてくれる」ーー小児科とはそういった子供についての総合窓口であるべきと考えています。
小児科を商業施設などのインフォメーションセンターのように思っていただいて、困ったことがあれば気軽に小児科クリニックを利用してほしいですね。ネットでいろいろ調べて余計不安になったということにならないように、信頼できる小児科クリニックを見つけてください。

北浜こどもクリニック

■住所:神奈川県川崎市高津区下作延3-3-10 スルバリエ梶ヶ谷2階
■電話番号:044-870-7055
■診療時間:
診療時間 祝日
9:00-12:00
15:00-16:00
16:00-18:30

△火曜・木曜・土曜は16:00-17:00
☆15:00-16:00は乳児健診、予防接種の時間帯です
・10:00~11:00、16:00~16:30はクリーンタイムです
・休診日:日曜、祝日 ■HP:https://www.kitahama-kidsclinic.jp/
■アクセス
・東急電鉄田園都市線「梶が谷」駅より徒歩10分、「溝の口」駅より徒歩15分
・溝の口駅より市営バス「鷲ヶ峰営業所行」下作住宅前で降車、徒歩5分

(取材・文:株式会社メディコレ

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