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2022年10月02日 06:04 更新

自信がなくネガティブ思考「指示待ち人間」の親が持つ特徴7つ|それは愛?過干渉?

“ヘリコプターペアレント”と言う言葉を聞いたことはありますか。それはヘリコプターが上空から監視するように、子どもについてまわり監視する親のこと。今回はヘリコプターペアレントかどうかのチェックリストや子どもに及ぼす悪影響についてお伝えします。親子関係に限らず、会社などの組織での上下関係にも同じこと当てはまるかも……

(記事監修:臨床心理士 井澤多恵/うららか相談室

ヘリコプターペアレントとは

ヘリコプターペアレント(Helicopter Parent)は、子どもが自立すべき時期にもかかわらず親が干渉を続けることです。最近では、年齢にかかわらず親の過干渉や過保護についてそういわれることもあります。

背景としては、1969年に出版されたHaim Ginott博士の著作「Between Parent & Teenager」の中で紹介された「母親が僕の上をヘリコプターのようにホバリングしている」という10代の子供の発言をもとに、発達心理学者や教育関係者が「Helicopter Parent」という用語を用いるようになりました。

特に日本人は真面目できめ細やか完璧主義の人が多く、特に子育てにおいてはその特性を発揮しやすいため、過保護や過干渉になりやすいと考えられています。
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関連記事:「いい子症候群」の将来的リスクとは?10のチェックリストと親がすべき&避けるべき行動【心理カウンセラー監修】

過干渉な親が子どもに及ぼす5つの悪影響

ヘリコプターペアレントは、子どもの育ちにどのような影響を与えるのでしょうか。ヘリコプターペアレントに育てられた子どもにありがちな特徴を5つ紹介します。

【1】自分では何も解決できない

ヘリコプターペアレントによって、幼い頃に直面すべきだった問題や失敗を経験していないことで、問題が起こったときの対処が自分ではできない可能性があります。

たとえば、仕事で進め方がわからないことがあった場合、「自分で調べる」「先輩に相談する」「同僚にお願いする」などさまざまな解決法がありますよね。しかし、困ったことが起こったときいつも親に気づいてもらい解決してもらっていた場合、このように、問題に向き合い解決していく方法を学ぶ機会を失ってしまいます

【2】自己肯定感が低い

ヘリコプターペアレントは、怪我や失敗を子どもにできるだけさせないようにするという特徴があります。子どもが怪我や失敗をしないように、環境を整えるだけでなく、「危ないからダメ」と過度に制限をしたり「そんなやり方をしたら失敗するからこうしなさい」などと子どもの考えを否定したりすることもあります。子どもを思う余り、コントロールしようとしてしまうのですが、裏を返せばこれは、子どものことを信頼していないということ。子どもは自分の考えを否定されたり、親に信頼されていないと感じたりする場面が多く、自己肯定感の低下に繋がります。

【3】自分で判断できない・自分の判断に自信をもてない

なんでも親に決められており、自分で決断してこなかった場合、成功しても失敗しても責任は親にありますよね。そのため、自分で判断し責任を負う経験が失われます。大人になっても、自分で決断できず他人に委ねたり、自分の判断に自信をもてず不安になったりする可能性があります。

【4】指示待ち人間になってしまう

いつも親の言うとおりに物事を進めてきたため、自分で考えて行動するという経験が乏しいです。そのため、誰かが指示をしてくれるまで行動できない”指示待ち人間”になってしまう可能性があります。

【5】思考がネガティブ

ヘリコプターペアレントは、子どもができるだけ傷つかないよう、失敗しないようにと考えており、子どもが失敗しそうな道を選ぼうとすると、否定して親の思った道へ誘導します。そのため、子どもは自分の意見や考えが否定される機会も多く、「考えてもどうせだめだ」ネガティブ思考になったり、他人の顔色をうかがって行動したりする傾向があります。

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関連記事:HSCとはどんな子供?4つの特徴と23のチェックリスト【心理カウンセラー解説】

ヘリコプターペアレントの特徴<チェックリスト>

子どもを思うあまり、ヘリコプターペアレントやその予備軍となってしまうママやパパも、そんなに少なくないかもしれません。チェックリストを確認し、自分がヘリコプターペアレントの特徴に当てはまっているかを振り返ってみてください。

これは親子関係に限らず、会社などの組織での上下関係にも同じことがいえるかもしれません。

✅ 子どもが困っていたら助けを求められなくても助ける
✅ 子どもが失敗したり傷ついたりしないように先回りする
✅ 身の回りのことを自分でやらせるのはかわいそうだからやってあげる
✅ 友達とのトラブルは間に入って解決している
✅ 子どもが決めるのは難しいので親が選んだり判断したりしている
✅ 待てない・せっかちだ
✅ 子どもに限らず尽くすタイプだ

子どもが困っていたら助けを求められなくても助ける
一見子ども思いに思えますが、困ったときにすぐ助けることで「助けを求める」「自分で解決する」という経験を奪ってしまいます。

子どもが失敗したり傷ついたりしないように先回りする
優しさからくる行動ですが、子どもを失敗やつらいことから遠ざけることは、本当の優しさにはなりません。幼い頃に失敗をし乗り越える経験を重ねることが大切です。

身の回りのことを自分でやらせるのはかわいそうだからやってあげる
自分でやろうとしているのに、上手くできずかわいそうだからと言って親がやるのはよくありません。また、この子にはできないと決めつけて初めからやらせようとしないのも、成長の機会を奪うことになります。

友達とのトラブルは間に入って解決している
親に解決してもらうのが当たり前にならないように気をつけましょう。幼い子どもであっても、親が勝手に解決するのではなく、親がサポートして一緒に解決するように意識するといいですよ。

子どもが決めるのは難しいので親が選んだり判断したりしている
子どもに決めさせたら失敗するかも、という心配から親が決めてしまっていませんか。自分で決めて責任をもつという大切な機会を奪うことになります。

待てない・せっかち
子どもが何かをしたり、決断したりするのには時間がかかります。待てないタイプのママやパパは、ついついささっとやってしまいがち。子どもの行動や判断をゆったりと構えて待つという気持ちがもてるといいですね。

子どもに限らず尽くすタイプだ
尽くすタイプの親御さん、いますね。好きでやっているかもしれませんが、過干渉や過保護に繋がることも。

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ヘリコプターペアレントにならないための具体策などは、以下の記事の中で詳しく解説しています。
▶︎ヘリコプターペアレントとはどんな親?子への過干渉リスクをチェックリストで診断【心理カウンセラー監修】(文:mamaco / 元保育士・幼稚園教諭、監修:井澤多恵 先生

※本記事は上記の記事を一部抜粋したものです
※画像はイメージです

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  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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