
ミルクティーのカフェイン量はどれくらい?紅茶やコーヒーより少ない?1日の目安量を解説【管理栄養士監修】
ミルクティーは紅茶の香味や牛乳のまろやかさが魅力の飲みものですが、カフェインの量が気になることも。ミルクティーのベースになる紅茶は、そもそもどのくらいのカフェイン量なのでしょうか? 紅茶とミルクティーではカフェイン量は変わるのでしょうか? コーヒーとの比較や、カフェイン量を踏まえたミルクティーの適量もご紹介します。
ミルクティーにカフェインは含まれる?

紅茶には茶葉に由来するカフェインが含まれますが、ミルクティーの場合はどのくらいになるのでしょうか。紅茶のカフェイン量から考えていきましょう。また、カフェインを含む代表的な飲み物であるコーヒーとも比べてみましょう。
紅茶のカフェイン量
紅茶に含まれるカフェイン量は、浸出液100mlあたり30mgとなります[*1] 。これは、茶葉5gを熱湯360mlに1.5分~4分浸して出した場合の数値です。
茶葉を多くしたり、浸す時間を長くしたりすれば、カフェインが浸出する量も増えると考えられるので、一概にはいえませんが、一般的な淹れ方で飲んだ場合はこのくらいになる、と覚えておくとよいでしょう。
なお、タンニンは100mgとなっています。
ミルクティーのカフェイン量
ミルクティーのカフェイン量は、紅茶のストレートティーとそれほど変わらないと考えてよいでしょう。ミルクを入れる分、紅茶の量が少なくなれば、摂取されるカフェインの量も減る可能性はありますが、淹れ方などが関係するので一概にはいえません。
加えてミルクティーは、ストレートティーよりも濃いめに淹れることもよくあるかと思います。カフェインが気になる場合は、濃いめの紅茶でミルクティーを作らないのも、1つかもしれませんね。
なお、市販製品の場合もカフェイン量はさまざまなので、栄養成分表示などで確認するとよいでしょう。
紅茶のカフェインはコーヒーより多い?少ない?

では、紅茶とコーヒーでは、どちらの方がカフェインが多いのでしょうか?
コーヒーには100mlで60mgのカフェインが含まれます[*1](コーヒー粉末10g、熱湯150mlで抽出したとき)。インスタントコーヒー(1杯分2g)の場合は80mgです[*1]。紅茶はお伝えしたとおり30mgなので、同じ量を飲んだときには、紅茶のカフェイン量はコーヒーの半分になります。コーヒーと比べると、紅茶の方がカフェインは少ないのですね。
もっとも、たくさん飲めばカフェインを多く摂取することになるので、その点には注意しましょう。
カフェインの特徴
コーヒーや紅茶など、身近な飲み物に含まれるカフェインは、普段の食生活で自然と摂取されやすい成分です。どのような作用があるのでしょうか。
メリット
カフェインは、適量を摂取した場合、眠気がさめたり、頭が冴えるなどの効果があると考えられます[*2]。また、個人差はあるものの、アスリートのパフォーマンスを高めるともされています[*3]。
デメリット
カフェインはメリットがある反面、過剰に摂取してしまうと、めまいや心拍数の増加、興奮や不安、震え、不眠といった症状を起こしたり、消化器管を刺激して下痢や嘔吐、吐き気などの症状を起こすことがあります[*4]。
また、妊婦がカフェインを摂りすぎた場合、世界保健機関(WHO)では、出生時の低体重や流産、死産のリスクが高くなる可能性があるとしています[*4]。授乳中の摂取についても、カフェインが母乳を通じて赤ちゃんに移行するため注意が必要です。
ミルクティーは1日どのくらいまでOK?

カフェインの摂り過ぎには注意が必要なことがわかりました。では、ミルクティーはどのくらい飲んでもいいのでしょうか。カフェインの摂取量の目安から考えましょう。
ミルクティーの1日の目安量
カフェインの摂取量について、米国食品医薬品局(FDA)では、健康な大人の場合、1日当たり400mgまでであれば、健康への問題はないとされています[*4]。
これを紅茶やミルクティーに当てはめてみると、カフェイン400mgに相当する紅茶の量は1.3リットル程度になります。あくまで目安になるため、1.3リットルを超えて飲んだら必ず、健康に影響するというわけではありません。
しかし、紅茶を1.3リットルに近い量の紅茶を飲みながら、コーヒーやエナジードリンクなど、カフェインの多い飲み物も飲むと、摂り過ぎになる恐れがあります。特にエナジードリンクはカフェインが多い傾向があるので、飲む習慣がある方は一度、パッケージの栄養成分表示などで含有量を確認してみてください。
また、飲みものだけでなく、風邪薬や鎮痛剤などにもカフェインが含まれているものがあります。紅茶以外からもカフェインを摂取することがあるので、飲み過ぎは控えるといいでしょう。
妊娠中・授乳中のカフェイン量は?
WHOでは1日300mg以上のカフェインを摂っている妊婦は、カフェインを減らすようにとしています。また、欧州食品安全機関(EFSA)では、妊婦や授乳婦について、習慣的なカフェイン摂取は1日当たり200mgまでであれば、胎児や乳児の健康リスクは増えないとしています[*4]。
したがって、妊娠中や授乳中は200~300mgまでのカフェイン摂取に留めるよう、心がけましょう。1日でも超えたらダメということではないので過剰に心配しすぎず、もしもこれを超えてしまったときは、次からは量を控えるようにするといいでしょう。
ミルクティーのカフェインを抑える方法
紅茶は、茶葉の量や抽出時間などによってカフェイン量が変わってきます。ミルクティーを自分で作るときに、茶葉の量を減らしたり、抽出時間を短くして調整するのがおすすめです。また、一般的な抽出方法で紅茶を作り、紅茶を少なくして牛乳を多めにしても、カフェインの量を抑えることができるでしょう。
ただし、紅茶の風味も薄まってしまうので、好みが分かれる方法でもあります。カフェインレスの紅茶も販売されているので、それを利用するのもよいですね。なお、カフェインレスはカフェインがゼロなのではなく、90%以上除去しているという意味であり、カフェインがわずかながら含まれることには注意してください。
ノンカフェインの飲み物
紅茶や緑茶、烏龍茶など、茶葉を使用しているお茶にはカフェインが含まれますが、カフェインが含まれないお茶も多くあります。最もポピュラーなのが麦茶ですね。ほかにも、そば茶や黒豆茶、コーン茶、ハーブティーなどがあります。カフェインの量を抑えたい場合は、これらのお茶を取り入れるのもおすすめです。
ちなみに、ジャスミン茶は茶葉にジャスミンの香りをつけたフレーバーティーなので、カフェインが含まれます。
飲み物のカフェインが気になる方は以下もチェック!
まとめ
ミルクティーのカフェイン量はコーヒーよりも少なめですが、かといって、水と同じような感覚で飲み過ぎないように気を付けましょう。市販のミルクティーは糖類が多く、習慣的にたくさん摂取していると、むし歯や肥満のリスクも心配になります。し好飲料なので、ほっと一息つきたいときなどに味わう程度にとどめましょう。カフェインだけでなく、栄養のバランスも考えていきたいですね。
(文:二橋佳子 先生/監修:川口由美子 先生)
※画像はイメージです
[*1]文部科学省:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
[*2]内閣府食品安全委員会:ファクトシート「食品中のカフェイン」
[*3]一般社団法人日本スポーツ栄養協会:スポーツ栄養Web「 カフェインとパフォーマンスとの関係について、国際スポーツ栄養学会(ISSN)の見解」
[*4]農林水産省:カフェインの過剰摂取について
※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます