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2022年09月20日 18:10 更新

プーアール茶はカフェインを含む?他のお茶より少ない?1日の目安量をチェック【管理栄養士監修】

緑茶などのお茶にカフェインが含まれるのをご存じの方は多いでしょう。では、中国茶の一種であるプーアール茶(普洱茶)はどうなのでしょうか? 他のお茶と比べながら見ていきましょう。また、カフェインの摂り過ぎのリスクや、妊娠中のプーアール茶の摂取についてもお伝えします。 

プーアール茶にはカフェインが含まれる?  

プーアール茶 茶葉

プーアール茶は中華料理店などで出される飲み物として知っている方が多いかもしれませんね。中国のお茶といえば烏龍茶などが有名ですが、他のお茶とどのように違うのでしょうか?

プーアール茶とは  

プーアール茶は、中国の雲南省南部を原産地とする中国茶で、黒茶(ヘイチャ)とも呼ばれています。日本の緑茶と同じくチャノキという植物の葉(茶葉)が原料ですが、製造過程が異なります。プーアール茶は茶葉を日光で乾燥させたあと加熱処理し、麹菌などの微生物を混ぜて発酵させて作られます[*1]。

色は烏龍茶よりも濃く、まろやかな味わいがあり、緑茶などとは異なる独特な香りをもつなどの特徴があります。

プーアール茶のカフェイン量

煎茶や烏龍茶、紅茶など、チャノキを原料とするお茶にはカフェインが含まれます。そのため、プーアール茶にもチャノキ由来のカフェインが含まれますが、日本食品標準成分表には分析値が掲載されていないません。しかし、製法などから推測することができるでしょう。

プーアール茶と製法が近いのが烏龍茶です。烏龍茶は100mlあたりでカフェイン20mgなので[*2]、プーアール茶も同じくらいと考えられます。ただし、プーアール茶は他のお茶よりも時間をかけて淹れることもあるので、濃く淹れた場合はもう少しカフェインが多くなるかもしれません。

推測値にはなりますが、プーアール茶のカフェイン含有量として20~30mgを1つの参考にしてみてください

おもなお茶のカフェイン量

緑茶 カフェイン

ちなみに、プーアール茶以外で茶葉を使用したお茶のカフェイン量は以下のとおりです。淹れ方にもよりますが、煎茶やほうじ茶、烏龍茶は同じカフェイン量であることがわかります。

<おもなお茶のカフェイン量>[*2]

飲料名 カフェイン量
玉露 160mg/100ml
紅茶 30mg/100ml
煎茶 20mg/100ml
ほうじ茶 20mg/100ml
烏龍茶 20mg/100ml

玉露:茶葉10gを60℃のお湯60mlで2.5分浸出
紅茶:茶葉5gを熱湯360mlで1.5~4分浸出
煎茶:茶葉10gを90℃のお湯430mlで1分浸出
ほうじ茶:茶葉15gを90℃のお湯650mlで0.5分浸出
烏龍茶:茶葉15gを90℃のお湯650mlで0.5分浸出

※各飲料の浸出方法を詳しく見る

カフェインのリスクとは?

プーアール茶などのカフェイン量を確認しましたが、カフェインを摂取すると何がよくないのでしょうか? 適量であれば問題ありませんが、過剰摂取してしまうと心配なことがあります。

過剰摂取による健康への影響

カフェインを適量に摂取した場合には眠気覚ましの効果などがあるため[*3]、朝の寝起きの一杯として飲んでいる方もいるかもしれません。しかしその一方、カフェインを過剰摂取すると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気をもたらすことがあります[*4]。

妊娠中にカフェインを摂り過ぎた場合

世界保健機関(WHO)では、1日300mg以上のカフェインを摂取している妊婦は低出生体重児のリスクや流産・死産のリスクが高まる可能性があります[*4]。そのため、妊娠中は、非妊娠時よりも日々のカフェイン摂取量が少なめになるようにしましょう。

妊娠中のカフェインについては、以下の記事でより詳しく解説しています。
【医師監修】妊婦のカフェイン過剰摂取の影響とリスクとは?

プーアール茶は1日何杯まで?

プーアール茶 カフェイン

100mlあたり20mg程度のカフェイン量と考えられるプーアール茶ですが、カフェインの過剰摂取につながる危険はあるのでしょうか? どのくらいを適量の目安とすればよいのか、お伝えします。

プーアール茶単独なら1.3リットルまで

日本ではカフェイン摂取量の基準がありませんが、アメリカの食品医薬品局(FDA)では、健康に影響のないカフェイン量として、大人は1日あたりカフェイン400mgまでとしています[*4]。

プーアール茶のカフェイン量を100mlあたり20~30mgとすると、1日に約1.3リットル飲む程度までは健康に影響はないと考えられます。200mlのコップで6~7杯ほどになります。

もっとも、これはカフェインをプーアール茶からのみ摂取する場合となるため、1日のうちでコーヒーや他のお茶も飲むならば、それらのカフェイン量を踏まえて、プーアール茶の量も調整する必要があります。

妊婦中にプーアル茶を飲んでもいい?

妊娠中のカフェイン摂取量の目安は、欧米諸国で出されている注意を参考にすると、1日あたり200~300mgまでとなり[*4]、プーアル茶なら1日900ml~1リットルくらいです。飲み過ぎなければ、妊娠中にプーアール茶を飲むことは問題ありません

子どもはどのくらい飲める?

子ども 水分 お茶

子どもの場合は大人よりもカフェインの量に注意してあげましょう。欧米諸国を参考にすると、1日に体重1kgあたり2.5~3mgが目安となります[*4]。体重20kgのお子さんなら1日あたり50~60mgのカフェイン量なので、プーアール茶に置き換えると170~200mlになります。

赤ちゃんは飲んでも大丈夫?

赤ちゃんにプーアール茶を飲ませるのはできるかぎり控えましょう。赤ちゃんは母乳やミルクで水分補給を行うのが基本です。また、離乳食を始めている場合は食事からも水分を摂取しています。発汗などがあり水分を与えるときは、なるべく水や麦茶など、カフェインを含まない飲み物を選んでください。

その他の飲み物のカフェインは?

プーアール茶などのお茶に含まれるカフェインについて見てきましたが、お茶以外にはどんな飲み物にカフェインが含まれるのかも一緒に確認しておきましょう。

お茶以外にカフェインを含む食品

カフェインの主な摂取源はお茶のほかにコーヒーが挙げられますが、それ以外にもカフェインを含む飲み物があります。特にエナジードリンクはカフェインを多く含む傾向があるので注意しましょう。

<お茶以外でカフェインを含む飲み物>[*3]

飲料名 カフェイン量
コーヒー 60mg/100ml
(コーヒー粉末10mgを熱湯150mlで浸出)
ココア 10mg/ピュアココア5g
エナジードリンク 32~300mg/100ml
(製品により異なる)
コーラ飲料 36~46mg/1缶355ml
(製品により異なる)

おもな飲み物のカフェインについて詳しくはこちら!

カフェインを含まないお茶

原料に茶葉を使用していないお茶はカフェインを含みません。たとえば、麦茶、コーン茶、黒豆茶、ごぼう茶、そば茶、はと麦茶などがあります。カフェインの摂取を抑えたい場合にはおすすめです。

まとめ

プーアール茶は、加熱処理した茶葉を発酵させて作る中国茶です。茶葉から作られるためカフェインが含まれると考えられます。緑茶や烏龍茶などと同じくらいだと推測できますが、抽出時間や温度によっても変わるため、一概には言えません。それほどカフェインが多い飲み物ではありませんが、他の飲み物からもカフェインを摂取するようなら、飲み過ぎにならないよう注意してくださいね。

(文:國分利恵 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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