コーラのカフェイン量は？1日何本も飲んでOK？コーラを飲むときの注意点【管理栄養士監修】

コーラはカフェインを含む飲み物です。では、その量は多いのでしょうか？　少ないのでしょうか？　コーヒーや緑茶などと比べてみましょう。

コーラのカフェイン量がどのくらいか、日本食品標準成分表には記載がないため、メーカーが公表しているものを参考にしましょう。

コカ・コーラ社によると、「コカ・コーラ」に含まれるカフェイン量は、レギュラーコーヒーの約1/6、紅茶の約1/3、煎茶の約1/2（※）とのことです［*1］。コーヒーのカフェイン量は100mlあたり60mg、紅茶は30mgとなるため［*2］、コカ・コーラには100mlあたり約10mgが含まれているといえます。また、「ペプシコーラ」も100mlあたり約10mgと公表されています［*3］。したがって、コーラのカフェイン量は10mg/100mlが1つの目安になるでしょう。

なお、コーラはペットボトルや缶で飲むことが多いかと思いますが、500mlならカフェインは約50mg、350mⅼなら約35mgになりますね。

（※日本食品標準成分表2020年版による）

コーラのカフェイン量を確認しましたが、カフェインを含む飲み物といえば、コーヒーやお茶を思い浮かべる人も多いでしょう。コーヒー豆や茶葉が天然にカフェインを含むため、それらを使用した飲料にもカフェインが含まれます。

＜おもな飲料のカフェイン量＞［*2］

コーラにカフェインが含まれるのは、材料の1つとして添加されているためです。コーラ飲料のパッケージをみてみると、糖類（果糖ぶどう糖液糖、砂糖）、炭酸、カラメル色素、酸味料、香料、カフェインなどが材料になっています。

もともとコーラは、天然にカフェインを含むコラ（コーラ）という植物の種実の抽出液から作られていたとされます［*4］。そのため、コラの実を使用しなくなった現在でも、その成分の1つであるカフェインを添加していると考えられます。また、茶褐色であるのも、もともとコラの実に由来するようです。

カフェインをとることで、体にどのような影響があるのでしょうか。良くないといわれている原因についてみていきましょう。

カフェインには神経を興奮させる作用があります。過剰に摂取すると、めまいや心拍数の増加、興奮や不安、震え、不眠、消化器官への刺激により下痢、吐き気、嘔吐などをおこすことがあります［*5］。症状の出方には個人差がありますが、カフェインの摂り過ぎに注意が必要とされるのはこのためです。

妊娠中に毎日カフェインを過剰摂取すると、出生時の低体重や、流産、死産のリスクが高まる可能性があります［*5］。これは「必ず」起きるということではなく、あくまでも「リスクが上がる」という意味なので、過剰に心配する必要はありませんが、カフェインを摂り過ぎてしまったときは、しばらくカフェインを含むものを控えたりするといいでしょう。

コーラはコーヒーやお茶と比べるとカフェインが少ないことがわかりました。1日にどのくらい飲んでもいいのでしょうか？

カフェインについて、日本では摂取量の基準や目安は明確に示されていません。アメリカの食品医薬品局（FDA）では、健康な大人で1日あたり400mgまでであれば、健康に影響はないとしています［*5］。コーラに含まれているカフェインの量は100mlあたり約10mgなので、目安の上限まで飲むとするならば1日4リットルも飲めることになります。

ただし、だからといって嗜好飲料であるコーラを日常的にたくさん飲むことはおすすめできません。コーラが好きな方は、カフェインが少ないからと安心して毎日、コーヒーやお茶の代わりなどに飲もうと思うかもしれませんが、コーラの飲み過ぎにはカフェイン以外にも注意したいことがあります。

コーラは嗜好飲料のため、少量に留めておくのが基本です。カフェインは少なめですが糖分を多く含むため、糖分の摂り過ぎを防ぐ観点から、飲み過ぎに注意する必要があります。

また、炭酸が強いですが、炭酸飲料は一度にたくさん飲むと胃の膨満感をもたらし、食べ物を食べていなくてもお腹いっぱいに感じてしまうことがあります。食事がしっかり摂れないことにつながる可能性もあるので、飲み過ぎには注意しましょう。

妊娠中や授乳中は特にカフェインの摂りすぎが気になるところですね。結論からいうと、妊婦さんや授乳婦さんがコーラを飲んでも問題ありません。

海外の例を参考にすると、1日200～300mg程度のカフェインの摂取であればママや赤ちゃんの健康への影響は低いといえます［*5］。したがって、カフェインの摂取をゼロに抑えなければならないというわけではありません。

カフェインの量だけで考えるなら、コーラは1日2～3リットル飲めるということになります。ただし、先ほどお伝えしたとおり、糖分の問題などもあるため、何リットルも飲むのではなく、あくまで楽しむ程度の量を心がけた方がよいでしょう。

メーカーによってはゼロカフェインのコーラも販売されているようです［*6］。コーラはコーヒーやお茶と違ってカフェインを人工的に添加しているものになるので、ゼロカフェインのコーラとは、カフェインを添加せずに作られているということですね。カフェインが気になるようであれば、利用してみるのもいいかもしれません。

最後に、コーヒーやお茶類、コーラ以外に知っておきたい、カフェインを含む飲み物などを確認しておきましょう。

カカオ豆にはカフェインが含まれるため、ココアもコーヒーやお茶ほどではありませんが、カフェインを含みます。また、エナジードリンクには100mlあたり32～300mg（製品により異なる）のカフェインが含まれるので、注意が必要です［*7］。このほかにチョコレートや、一部の風邪薬、解熱剤、眠気防止剤にも含まれます。知らず知らずカフェインを摂り過ぎてしまうことがないようにしたいですね。

コーラはコーヒーやお茶ほどではありませんが、カフェインが含まれます。コーラだけでカフェインの摂り過ぎになる可能性は低いですが、あまり飲み過ぎないようにしましょう。カフェインは問題なくても、糖分の摂り過ぎになる心配があります。炭酸による膨満感で食事がしっかりとれなくなるのも避けたいものです。適度に楽しむ程度にしましょう。

（文・監修：川口由美子 先生）

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます