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2022年09月01日 08:10 更新

共働き夫婦の1日スケジュール ポーラ 増田さんの場合(後編)

共働き夫婦にとって仕事と家事・育児の両立は悩みの種。朝起きてから寝るまで分刻みのスケジュールで息つく暇もないのでは? そこで、夫婦の家事分担や子育ての工夫など、忙しい毎日を乗り切るコツを実践しているパパに、お話を聞きました。

共働き夫婦の1日のタイムスケジュールとは?

家事・育児・仕事と、目まぐるしい日々を送る共働き夫婦。毎日繰り広げられる分刻みのスケジュールのなか、「こんなに忙しいのは自分たちだけ?」「みんなは毎日をどう乗り切っているの?」と疑問を持つママやパパに向けて、共働き夫婦の1日のタイムスケジュールを伺うこの企画。

第7回となる今回は、ポーラで店舗販売戦略を担うチームのチームリーダーとして働くパパのタイムスケジュールを前編・後編にわたりインタビュー。前編では、朝の家事育児の分担や、決まった時間までに仕事を終わらせるために意識していることなどについてお聞きしました。

後編では夜のタイムスケジュールと、育休を取ってから変わったことについて伺います。

取材にご協力いただいた方

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ポーラ プレステージストア事業部 増田拓也さん(38歳)

化粧品販売会社のポーラにて、チームリーダーとして全国百貨店を中心としたプレステージストアにおける販売戦略、予算管理を担当。2歳の男の子のパパ。奥さんは同じ職場に勤務。子どもが生まれてから1年間、育休を取得。

夜のタイムスケジュール

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子ども優先の暮らしを夫婦で一緒に経験する

――平日もお子さんと遊ぶ時間をしっかり確保されているんですね。

増田さん:家事はロボット掃除機や食洗機などの機械にまかせているので、負担を軽くできていると思います。そのぶん、子どもとふれあう時間をキープできていますね。夜は子どもがなかなか寝ないので(笑)、体力を使うような遊びを多めにしています。

――夜も全力ですね!

増田さん:大人がやられる役メインのプロレスっぽい遊びとか、鬼ごっことか。遊ぶときは全力です! 妻は1人でゆっくりお風呂に入ってもらって、途中から参戦ということが多いですね。

――お子さんが生まれてから夫婦間で変わったことはありますか? また、それぞれリフレッシュする時間などは確保されていますか?

増田さん:夫婦間で大きく変わったことはないですが、やはりどこへ行くにも何をするにしても、子どもが中心になったと思います。1人の時間はあまりありませんが、妻と同じ部屋にいても、結局それぞれ違うことをしているので、そんなにストレスはないですね。
在宅勤務ですし、妻とは同じ職場なので家庭内も職場みたいな感じです。夜のリラックスタイムに恋愛ドラマを見ながら、仕事の話をするなんてこともあります(笑)。

1年間の育休で、そのときしかできない経験ができた

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(増田さん提供)

――公私ともによきパートナーでいられるって素敵です! 増田さんは1年間の育休を取得したそうですが、育休を取ってよかったと思うことはなんでしょうか?

増田さん:そのときしかできない経験ができたことですかね。仕事はいつでもできるけれど、生まれたての息子と思う存分接することができる時間はあの瞬間しかなかった。今しかない時間を優先したほうが、人生のスパンで考えたときに大きな経験になると考えて育休を取りましたが、濃い思い出はできたと思います。

――たしかに、それは長期間育休を取る醍醐味ですよね。ご自身の家事スキルのベースも育休中に築かれたのでしょうか?

増田さん:そうですね。子どもが生まれて、育休中から今の形ができたと思います。
経験するまで「育休」という言葉からはイメージがつきませんでしたが、実際には全然休めないですよね(笑)。例えばミルク1つにしても、起きて哺乳瓶を洗ってミルクをつくって、飲ませて、また洗って……の繰り返し。怒涛の1年間でした。

――とくに最初は不眠不休という感じですよね……。増田さんは、元々長めに育休を取りたいと考えられていたのでしょうか?

増田さん:子どもが生まれる前から取りたいとは思っていたのですが、男性がしっかりと長期間の育休を取るケースってあまり聞かないですよね。妻も、最初は1〜3ヶ月くらいかなと思っていたようで。だから1年間取るよと伝えたときは驚いていました。取れるなら妻と子どもとしっかり1年間一緒に過ごしたいと思ったんです。一緒に子どもの成長を見たいという気持ちがありました。

今後のキャリアを考えるからこそ、育児を経験したかった

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――復帰後のキャリアを気にされる方もいらっしゃいますが、そういった心配はなかったですか?

増田さん:はい。むしろ今後のキャリアを考えるからこそ、より新しい経験を積んでおきたいと思いましたし、育休を取らないと後悔すると思いました。子育てしながら働く人はもちろん、産休・育休中の人、DINKsや独身の人など、多種多様な人と働いていくわけですから、自分も育休を取って子育てを経験しておくことで、さまざまな立場の人の気持ちが想像できますよね。そこで新しい価値観を知ることも多いのではないかと思いました。

――男性の育休は過渡期にあると思いますが、育休を取ってから、パパとして職場やプライベートの友人の相談役になることは増えましたか?

増田さん:相談はかなりしてもらえるようになりました。「育休中の金銭面は大丈夫?」「キャリアはどうなるの?」「育休中は具体的に何をしたらいいの?」という相談が多いです。

――やはり皆さん気になるところですよね。

増田さん:ポーラには「産育応援プロジェクト」という育休や産休、不妊治療などを経験した社員と、これからそうしたライフイベントを控えている社員が意見交換できる場があるんです。僕もこのプロジェクトに参加しています。ランチミーティングに参加しながら気軽に話し合うことができて、どれくらいの人が男性育休を利用しているのかとか、復帰後はどんな風に働いているのか、福利厚生はどうなのかなどを把握しやすいんです。

――同じ社内の方の経験談なら、より具体性があって、安心できるところもたくさんありそうです。最後に、これから育休を取られる方や復職後の方へメッセージをお願いします。

増田さん:自分が何を一番大切にしているのかが見えると、自然といい方向に行くんじゃないかなと思っています。僕の場合は子どもが大切で、子どもを中心にして考えることで何を優先して、ときに何を諦めるかを考えています。
やりたいことを選び過ぎてしまうと、いっぱいいっぱいになってしまいますよね。すべてに一生懸命になるとどこかで倒れてしまうので、肩ひじを張らずに、自分なりにどこで手を抜くかを見つけられるといいと思います。

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まとめ

忙しい中でも、自分にとって大切なことの優先順位を決めてメリハリを大切に仕事と育児に励んでいる増田さんの姿勢がとても印象的でした。

増田さん夫婦のように「ママじゃなきゃだめ」「パパじゃなきゃだめ」という状況をできるだけ回避するにはどうすればいいかを2人で考えてみることで、お互いが積極的に育児に参加できるきっかけになるかもしれませんね。


(取材・文:宮本貴世、マイナビ子育て編集部 撮影:佐藤登志雄、イラスト:まちこ @achiachiachico

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