1歳の食パンの量は？注意点とおすすめレシピ【管理栄養士監修】

1歳児に適した食パンの量はどのくらいなのでしょうか？　おかずとのバランスの考え方も一緒に確認しましょう。

おやつなどではなく食事として食べる食パンは、ご飯と同じく主食に該当します。1歳頃ならば、食パンを主食にした献立の場合、1食あたり約50g（8枚切り1枚程度）が目安です［*1,2］。

基本的に食事は主食だけでなく、主菜や副菜も組み合わさって成り立っていますよね。主菜とは肉や魚、卵などのたんぱく質を多く含む食材がメインとなるメニューであり、副菜とは野菜や海藻が主体となるメニューのことです。

主食・主菜・副菜のだいたいの割合を知っておくと、献立の栄養バランスをとりやすくなります。ご飯（主食）とおかず（主菜・副菜）が1：1、おかずの主菜と副菜が1：2程度と考えましょう［*3］。

1歳の子どもに食パンを与える際に、押さえておきたいことがあります。

1歳の子どもは離乳完了期の頃にあたりますが、この時期になると「肉団子くらい」の硬さのものが食べられるようになります。食パンはやわらかいので、耳を除けばそのままでも食べられるでしょう。

ただし、口の中や喉に張り付きやすいため、たくさん口の中に入れてしまうと喉に詰まらせて窒息につながる危険があります。一口量が多くなり過ぎないよう、小さめにカットし、水分などを適宜与えるようにしましょう。

パンの耳は1歳の子どもには硬すぎることがあるかもしれません。前歯が生えていれば噛みちぎることができるお子さんもいますが、噛みにくい場合にはもう少し噛めるようになるまで、取り除いて与えてもよいでしょう。

食パンはご飯と違って塩分を含んでいることに注意しましょう。塩が入っていることを知らずに食パンをご飯の代わりにしていると、塩分の摂り過ぎになってしまう心配があります。

1～2歳の1日の塩分摂取量は3g未満が目標とされています［*1］。1食あたりでは明確な基準があるわけではありませんが、1食分の食パン50gには0.6gの塩分が含まれるので［*2］、合わせるおかずは味付けを少なめにするなどの工夫をしましょう。

たとえば、味付けを抑えやすい茹で野菜のディップや、茹で卵などがおすすめです。別々に食べるのではなくサンドイッチのようにパンにおかずをのせたり、挟んだりして食べると、パンの旨みでおかずの薄味が気にならずに美味しく食べられますよ。

また、主食が食パンばかりにならないようにご飯とのバランスも考えるとよいですね。

ジャムやバターは、少量であれば使ってもかまいません。パンに薄く塗る程度と考えましょう。

■ジャムの注意点■
ジャムで気になるのは砂糖です。量が多くならないようにするとともに、食後は歯を磨く・口をゆすぐなど、むし歯予防にも配慮しましょう。

■バターの注意点■
バターは脂質が主成分のため、たくさん使用するとカロリー過多を招きやすいです。食パン自体にもバターやマーガリンなどの脂質が含まれているので、多くても小さじ1程度までにとどめ、軽く風味付けをする程度にしたいですね。

子どもが自分で食べやすい食パンを活用して、野菜など不足しやすい食材を補うこともできますよ。おすすめレシピをご紹介します。

■材料
・ツナ缶（食塩不使用）　大さじ1〜2
（※ノンオイルでなくてもOK）
・マヨネーズ　小さじ1
・きゅうり　1/6本分
・コーン缶（液は捨てる）　大さじ1
・8枚切り食パン　1枚

■作り方
① きゅうりはスライスして細かく刻む
② 食パンは耳を切り落とし、半分に切る
③ 食パン以外の材料をすべて混ぜ合わせる
④ ②で③をサンドする

■材料
・バナナ　1/6本分
・ヨーグルト（無糖プレーン）　大さじ1
・8枚切り食パン　1枚

■作り方
① バナナは1cm程度の角切りにする
② 食パンは耳を切り落とし、半分に切る
③ バナナとヨーグルトを混ぜ合わせる
④ ②で③をサンドする

■材料
・きなこ　大さじ1
・砂糖　小さじ1/2
・牛乳　小さじ1
・8枚切り食パン　1/2枚

■作り方
① 食パンは耳を切り落とし、半分に切る
② きなこ、砂糖、牛乳を混ぜ合わせる
③ ①で②をサンドする

1歳児が食べる食パンは、8枚切り1枚くらいが1食分の目安となります。食パンを使ったメニューは子どもが自分で食べやすいため、離乳食の手づかみ食べや、2歳以降の幼児食にも便利な食材です。自分で食べることは楽しい食体験になりますが、塩分量などご飯とは異なる特徴もあるため、バランスよく食生活に取り入れてみてくださいね。

（文：奥野由 先生／監修：川口由美子 先生）

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