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子どものインフルエンザワクチン、予防効果は?【ママ女医と娘の○○な日常 vol.17】

子どものインフルエンザワクチン、予防効果は?【ママ女医と娘の○○な日常 vol.17】

大人も怖いインフルエンザですが、乳幼児は重症化のリスクが高いので特に注意が必要です。毎年流行するインフルエンザですが、今年は早い時期から流行が予想されています。さらに今年はワクチンが昨年より製造量が少ないことがわかっており、不足することが懸念されています。今回はワクチンの話を中心に書きたいと思います。


記事の著者  
のんびり子育て中のママ女医   HAL先生
内科医。大学病院研修中にうつ病を発症し、数年間療養生活を経て復帰。その後、病気の間支えてくれた医者の夫と結婚し、娘を出産。現在は田舎で夫、3歳の娘と暮らす。自身の出産・育児の日々をもとに、医学的なエビデンスを交えて育児情報・ニュースなどをブログで発信。またTwitterでは、娘との会話や、ほっこりあたたまる育児エピソードも紹介し、注目を集めている。
http://halproject01.blogspot.jp/
https://twitter.com/halproject00

乳幼児は、インフルエンザの「ハイリスク群」

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インフルエンザは健康な大人でもかかりたくない厄介な感染症です。インフルエンザに感染した時、特に重症化しやすい人をハイリスク群と呼びます。インフルエンザに伴って肺炎や気管支炎、脳炎などの合併症を起こしやすく、入院治療が必要になったり、場合によっては死につながる場合もあります。

喘息や心疾患などの基礎疾患のある人、妊婦さん、高齢者に加えて、5歳未満の小児(特に2歳未満)もハイリスク群として知られています。そのため、小さいお子さんがいるご家庭では特に、インフルエンザの流行中は気をつける必要があります。

一番の予防法はインフルエンザワクチン

予防法として一番におすすめするのは、やはりインフルエンザワクチンになります。

現在使用されている不活化インフルエンザワクチンは、完全に感染を防ぐことはできませんが、発病を防ぐ(感染はするけれども、症状が出る前にウイルスをやっつける)効果や、重症化を防ぐ(感染して発病するけれども、ひどい合併症を起こさない)効果があります。個人的には、この重症化を防ぐことの方がワクチンの役割として大きいと考えています。

これまでインフルエンザにかかったことがある方はわかると思いますが、「熱が高くてきつくて大変な風邪」です。しかし、多くの方は(もちろんきつくて大変なのですが)そこで回復します。しかし、肺炎などの合併症を引き起こせば、入院が必要になり、場合によっては命に関わる程の重症となります。これを防ぐことが、インフルエンザではなにより大切です。

小児、特に1歳未満のインフルエンザワクチンについて

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インフルエンザワクチンは生後6ヶ月以上から接種が可能です。以前2015年に「1歳未満はワクチンを接種してもインフルエンザの予防効果がない」という新聞記事が出て、ちょっとした騒ぎになったことがあります。

しかし、その論文には不備もあり、新聞記事も誤りがあります(発病を予防するかどうかについては数が少ないため判定できないだけ。さらに重症化は予防しているという結論でした)。その他のさまざまな調査を含めて考えると、乳幼児での予防効果も認められていますし、なにより重症化を防ぐ効果が認められています。AAP(アメリカ小児科学会)の調査によると、2016-17シーズン中にインフルエンザで死亡した子供の8割がインフルエンザワクチンを接種していなかったという事です。そのため、CDC(アメリカ疾病予防センター)やAAPでは6ヶ月以降の全ての人へインフルエンザワクチンを推奨しています。

ただし、1歳未満では他のワクチンスケジュールの兼ね合いもあり、他のワクチンを優先していると、インフルエンザワクチンまで手が回らないということもあると思います。これはもう考え方次第になるとは思います。例えば保育園に通っているなど、集団生活をしている赤ちゃんはインフルエンザの感染リスクが高くなります。その場合はぜひインフルエンザワクチンも流行に合わせて接種することを考慮してもらえたらなあ、と私は思っています。

今年、9歳以上は1回接種になるってホント?

今年は前年と比べてインフルエンザワクチンの製造量が少ないため、不足する可能性があります。13歳以上は例年同様1回接種なのですが、今年は必要な人に行き渡るようにこれまで2回接種を推奨していた9〜13歳も1回接種を検討するように、といった厚労省からの通達が出ています。

実はWHOでは以前から9歳以上は1回接種が適切であるとしています。これは、この年齢になると1回接種で十分に免疫をつけることが可能と考えられているためです。これまで日本では13歳までは2回接種としていましたが、実際には9歳以上であれば1回接種で問題ないと思います。

この対応については、各自治体や施設毎に異なると思います。「去年は2回だったのに、1回で大丈夫なの?」と心配な方は参考にしてみてください。

我が家のインフルエンザワクチン事情

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さて、それでは実際うちの娘にはどうしたか……というお話をしましょう。

私の娘が1歳になる前は、1歳未満にはインフルエンザワクチンの効果がはっきりしないと言われていました(と、記憶しています)。それでも接種するか悩んだのですが、その頃ものすごい田舎に住んでいたこと&保育園などにも行っておらず、感染リスクが低かったことから、娘にはワクチン接種をせず、私と旦那が全力で感染を防ぐという対策をとりました。(ちなみに、私も旦那も毎年インフルエンザワクチンを接種していますよ。)そして1歳以降は、毎年娘にもインフルエンザワクチンを接種しています。

実は昨年、旦那が見事に職場でインフルエンザに感染し、そして2歳の娘にも感染しました……。しかし発熱も軽く、かなり短期間に治りました。もちろん重症化するようなこともありませんでした。処方してもらったタミフル®の効果もあったと思うのですが、あれだけ軽く済んだのはワクチンの効果だろうな、と私は思っています。

今年は?

実はこれを書いている今日、まさに3歳の娘のインフルエンザワクチン接種予定です。

注射と聞いて嫌がる娘……なので、家でおもちゃを使って予行演習をしました。
「まず消毒のお薬を塗るよー、わあ冷たいね。それからぷちゅっと刺すよ……あいたたた。そしてさっと抜いて、シールをぺたん……あ、もう痛くない!」

すると娘はノリノリで練習をし、やる気になりました。
「きょうはね、おちゅうしゃのひだからね、わすれちゃだめだよ!」
と言って、元気に幼稚園にでかけて行きました。

まあ、とは言え、病院では泣くと思いますが……ね。

2回接種してから2週間程度でワクチンの効果が出ます。娘の風邪などで接種開始が遅くなってしまったので、なんとか流行に間に合って欲しいところです。よし、そろそろお迎えの時間です。頑張って、行ってきます!

参考サイトなど

Are You at High Risk for Serious Illness from Flu? | Features | CDC
https://www.cdc.gov/features/fluhighrisk/index.html

AAP Issues Flu Vaccine Recommendations for 2017-2018
https://www.aap.org/en-us/about-the-aap/aap-press-room/Pages/AAP-Issues-Flu-Vaccine-Recommendations-for-2017-2018.aspx

Frequently Asked Flu Questions 2017-2018 Influenza Season | Seasonal Influenza (Flu) | CDC
https://www.cdc.gov/flu/about/season/flu-season-2017-2018.htm

インフルエンザQ&A|厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html

(HAL)

※記事内の画像はすべてイメージです

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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