【医師監修】双子出産まとめ!自然分娩できる?気になる費用は?

【医師監修】双子出産まとめ!自然分娩できる?気になる費用は?

双子を妊娠した場合、「自然(経腟)分娩は難しい」「帝王切開での出産になる」といったイメージはありませんか? 実際には双子でも経腟分娩が不可能というわけではありません。しかし、それなりのリスクも生じます。今回は双子の分娩の実状や、双子の出産にかかる費用もあわせてご紹介します。


この記事の監修ドクター
産婦人科専門医 中林稔 先生
日本医科大学卒業、虎の門病院医長を経て、現在三楽病院産婦人科部長。 診療のみならず、学会・各地講演をはじめとする医学の普及活動を行う傍ら、教育にも幅広く従事しており、2008年には中林助産師学院を共同設立。自ら講師を務め、6年間連続助産師国家試験合格率100%を達成中。医師+(いしぷらす)所属。

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双子の自然(経腟)分娩は不可能ではない

医学的リスクを考慮して帝王切開が選択されるケースが多い双子の妊娠。多くの人が、双子を出産するには帝王切開しかない、というイメージを持っているのではないでしょうか?

実際は、妊娠の経過が順調であれば双子の場合でも自然分娩できる可能性はあります。病院によっては双子など多胎(たたい・複数の赤ちゃんを同時に妊娠すること)の場合は無条件で帝王切開が選択されることがありますが、いくつかの条件をクリアできれば、双子の自然経腟分娩を可能としている医療機関もあります。

帝王切開が多い理由3つ

双子の出産で帝王切開が選ばれる場合が多いのには理由があります。それは双子を経腟分娩することで引き起こされるリスクを回避するため。多胎の経腟分娩リスクには次のようなものがあります。

①赤ちゃん同士の身体やへその緒が絡まってしまったり、先にへその緒が出てきたりする

へその緒が絡まることは単胎(一度にひとりの赤ちゃんを妊娠すること)でもあり得ますが、双子ではひとりめを出産後、ふたりめのへその緒が先に出てきて挟まってしまったりすることがあります。お腹の中にふたりの赤ちゃんがいる分、こうした事態が起こりやすいと言えるでしょう。

②分娩後に出血が止まりにくくなる

弛緩出血(しかんしゅけつ)とは、出産後子宮の筋肉が伸びきったまま収縮せず、胎盤が剥がれたあとがうまくふさがらずに出血量が増えてしまうことです。実は経腟分娩でも、帝王切開の場合でも起こり得るリスクですが、双子を妊娠することで単胎よりもさらに子宮が大きく伸びるので、多胎妊娠(たたいにんしん)の場合はリスクが高いと考えられています。

③分娩中にお産が進みにくくなりやすい

たとえば、ひとりめを出産した後に子宮内の圧が下がって陣痛が弱くなってしまいお産が進まなくなるケースなどです。この場合、ひとりめは経腟分娩でもふたりめは帝王切開に切り替わることもあります。

赤ちゃんへのトラブルはひとりめよりもふたりめを産むときに起こる場合が多いです。それは、ひとりめが産まれると子宮にスペースができ、ふたりめが逆子になってしまうなど、胎位異常が起こることが多いからです。双子を予定帝王切開で出産するケースが多いのは、こうしたトラブルを未然に防ぐためです。

リスクの考え方には個人差もあるでしょう。主治医に詳しい話を聞いた上で、経腟分娩を希望するか、帝王切開にするかどうかを決めましょう。

【医師監修】帝王切開による産後の痛みはいつまで?術後の過ごし方

https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/93

帝王切開は開腹手術なので、身体の回復には時間を要します。実際に帝王切開をするとなると、痛みはいつまで続くのだろう、ちゃんと家事や育児はできるだろうかと心配になるママも多いはず。そこで、帝王切開による痛みの持続期間や回復までのおおよその期間と、退院後の過ごし方についてお伝えします。

3つの条件をクリアすれば双子の経腟分娩を希望できる!

双子の経腟分娩を希望するには、次の条件をクリアしておく必要があります。双子の経腟分娩ができる条件をご紹介します。

条件① 多胎の経腟分娩を行っている医療機関を選ぶ

病院によっては、多胎の場合は必ず帝王切開というところもあります。また、助産院では緊急のトラブルに対応するような医療行為はできないので、双子の場合は助産院での出産はできません。多胎妊娠はハイリスク妊娠と呼ばれ、出産後の新生児のケアや緊急手術に対応するための医療スタッフ配置上の理由から、産院であっても、このようなハイリスク妊娠の出産を受け入れない場合もあります。

条件② 母子ともに経過が順調であること・逆子でないこと

妊娠週数が34週を過ぎていて、お腹の赤ちゃんのふたりとも逆子になっておらず推定体重が1800g前後になっていること。前期破水の危険性が少ないことなどが挙げられます。これらの条件は医療機関によって違いもあり、妊娠週数が32週以降、ひとりめのみ頭位、推定体重が1500g以上を条件としているところもあります。

条件③ 経産婦の場合は、前回の出産が経腟分娩であること

一度子宮を切開していると、その部分の組織が薄くなっています。そのため妊娠の過程や出産時の陣痛などで子宮破裂といったリスクが出てくることから、前回の出産が帝王切開だった場合は経腟分娩が難しくなるのです。

双子を経腟分娩するときの費用

出産にかかる費用というのは病院によって違いますし、妊娠・出産の経過によっても変わってきます。みんなが同じ金額ということではないのですね。

ですが、健康保険に加入している人であれば全ての人が子供1人につき42万円の出産育児一時金を受けることができます。子供1人につき、ということなので双子の場合は84万円、3つ子であれば126万円受け取ることができます。

なお、出産育児一時金直接支払制度という制度を使えば、出産一時金が直接医療機関に支払われるので、退院時の出産入院費用支払いでは差額の負担だけで済みます。直接支払制度を使わない場合は、いったん自分で出産費用を医療機関に支払います。出産後に申請すると、だいたい2週間から2ヶ月後くらいに一時金を受け取ることができます。

具体的には単胎の経腟分娩での出産にはおよそ30~70万円ほど、そして帝王切開では50~75万円ほどの費用がかかると言われています。

食事や施設内容などが充実している医療機関では100万円近くになるところもあるようです。このように、出産にかかる費用は人によってまちまちなのです。

双子は費用が2倍かかる?

双子の場合は赤ちゃんの数が倍になるので、出産の費用も2倍になるのかというとそこまでではないことが多いようですが、分娩料(正常分娩の場合)や分娩介助料(鉗子、吸引分娩、帝王切開等の処置が行われた分娩の場合)で加算のある場合が多いようです(加算の金額は医療機関により異なります)。

もし、出産の際に帝王切開が選択されれば異常分娩という扱いで健康保険が適用されます。手術費用などの医療費の自己負担は3割になります。さらに高額療養費という制度も利用できるので、一定金額を超えた分の負担はありません(ただし、事前・事後に健康保険組合に対して申請が必要です)。

まとめ

いかがでしたでしょうか。双子を経腟分娩するには、クリアしなければならない条件とリスクがあり、考えると不安になるお母さんも多いと思います。
経腟分娩で双子を産みたいと考えているなら、後悔しないよう、希望を担当医に伝えてみましょう。病院側の方針もあるので、早めに準備に取り掛かることをおすすめします。
また、出産してからも、双子、三つ子ならではの悩みはいろいろ出てくるでしょう。そうした悩みを共有できる双子、三つ子の先輩ママ・パパと知り合いになっておくと、心強いですね。一般社団法人日本多胎支援協会では、全国の多胎サークルなどの情報をホームページ上で紹介[*1]しています。

参考文献
[*1] 一般社団法人日本多胎支援協会「全国にある多胎のサークル等」(参照2018-6-25)

※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビ子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.07.02)

※記事の修正を行いました(2019.06.11)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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