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2022年07月25日 10:15 更新

煎り大豆を食べ過ぎるとどうなる?1日何粒まで?リスクと適量をチェック【管理栄養士監修】

煎り大豆は節分のときに食べることが多いかと思います。大豆の風味が強く、香ばしさもあっておいしいですよね。そのままポリポリと食べられるので、つい食べ過ぎてしまいますが、どのくらいなら食べてもいいのでしょうか? 食べ過ぎのリスクはあるのでしょうか? 煎り大豆の栄養の特徴とあわせてお伝えします。

煎り大豆の栄養の特徴

煎り大豆

煎り大豆は節分のときにまくものというイメージがあると思いますが、どのような食材なのでしょうか。 

煎り大豆とは

煎り大豆はその名の通り、大豆を炒ったものとなります。市販の煎り大豆を買ってもいいですが、手作りしたいときは、まず乾燥した大豆をよく洗い、たっぷりの水に半日つけて戻し、それから炒ります。

大豆イソフラボンが含まれる

大豆や大豆製品に含まれる「大豆イソフラボン」には、女性ホルモンと似た作用があるといわれています[*1]。大豆イソフラボンには閉経前後の女性などの骨粗しょう症を予防する効果が期待できることから[*2]、大豆イソフラボンを使った特定保健用食品には「骨の健康維持に役立つ」という表示が認められています。

ただし、これは成分として抽出したものの話であって、その効果が期待できるような大豆イソフラボンの量を煎り大豆で摂取することは難しいです。適度にいろいろな大豆製品を摂ろうと考えるくらいがよいでしょう。

カロリーが高い?

煎り大豆は100gあたり429kcalあります。カロリーが高い!と思うかもしれませんね。他の大豆製品と比べてみましょう。

大豆製品のカロリー(いずれも100gあたり)[*3]
煎り大豆 429kcal
乾燥大豆 372kcal
納豆   190kcal
ゆで大豆 163kcal


確かにこう見ると煎り大豆のカロリーは高く、ゆで大豆の約3倍もあります。しかし、これは煎り大豆が乾燥していて一粒の重さが軽いためです。同じ大豆が原料なので、大豆製品のカロリーの違いはほぼ水分量の差から来ているといえます。重さでなく粒の数で考えれば、煎り大豆もゆで大豆もカロリーは大きく変わりません。ちなみに煎り大豆は1粒で0.4gほどなので、100gというと約250粒です。

咀嚼を促す効果も

大豆製品の中では豆腐や納豆が食べやすいですが、軟らかすぎるという欠点もあります。食事は必要な栄養素を摂ることだけでなく、よく噛むことで口やあごのまわりの筋肉をしっかり動かすことも大切です。

また、ついたくさん食べてしまうという場合には、硬い食べ物は咀嚼回数が増えるので満足感が得やすくなり、食べ過ぎずに済むかもしれません。納豆ばかりではなく、たまには煎り大豆でしっかり噛んで食べてみるのもいいですね。

煎り大豆を食べ過ぎたらどうなる?

煎り大豆 たくさん

煎り大豆をたくさん食べてしまうとどうなるのでしょうか。どのくらい食べたらいいのか?なども含めてお伝えします。

消化不良に気を付けて

煎り大豆は100gあたり19.4gもの食物繊維を含んでいます。食物繊維が豊富な食材として、きのこ類をイメージする人も多いかもしれませんが、たとえば、生しいたけと比べると煎り大豆の食物繊維は約4倍にも及びます。もちろん、水分量の違いによるところもありますが、煎り大豆ばかりたくさん食べてしまうとお腹の調子に影響するかもしれません。

大豆の食物繊維は不溶性の割合が高く、煎り大豆もそのほとんどが不溶性食物繊維となります。不溶性食物繊維は便のカサを増やす作用がありますが、多い場合には便を硬くして排便しにくい方向に働いたり、腹痛を引き起こすことも考えられます。

100g(約250粒)を一気に食べることはなかなかないかと思いますが、水分を摂りながら食べるようにするなど、食べ過ぎないよう工夫するのも良いかもしれませんね。

Lazy dummy

ちなみに、市販の煎り大豆は1袋で70~100g入りのものが多いようです。

大豆イソフラボンの摂り過ぎは心配不要

煎り大豆をたくさん食べると、大豆イソフラボンの過剰摂取につながるのではないかと心配になる人もいるでしょう。しかし、大豆製品を食べることによる大豆イソフラボンの健康被害の問題は出ていません[*2]。大豆イソフラボンの摂取量を気にして、煎り大豆や、その他の大豆製品を食べることを控える必要はないでしょう。

なお、大豆イソフラボンについては以下の記事でも解説しています。

煎り大豆の適量はどの程度?

煎り大豆 一粒

では、食べ過ぎに気を付けるためには、煎り大豆の適量はどのくらいになるのでしょうか?

1日25~50粒(10~20g)

食事バランスガイドでは、成人の場合、主菜(肉や魚など)は3~5単位が望ましいとされています。大豆や大豆製品はこの主菜の1つとして考えましょう。

肉や魚などの動物性食品で半分以上は摂りたいので、大豆や大豆製品は1日に1~2単位くらいとすることをおすすめします[*4]。大豆25粒ほどが1単位に相当するので*、煎り大豆は1日25~50粒とするとよいでしょう。重さで考えるなら、煎り大豆は1粒だいたい0.4gなので、1日10~20gです[*3,4]。

(*ゆで大豆約50gとして計算)

煎り大豆を食べるときの注意点

節分の豆

煎り大豆は節分のときに子どもが鬼にむかって投げたり、歳の数だけ食べたりしますが、子どもが食べる場合、注意が必要です。

5歳以下の子どもにはあげないで

煎り大豆などの硬い豆やナッツ類は子どもにはかみ砕きにくく、のどや気管などにつまってしまう危険性があります。また、細かく砕いても軽いため、肺にかけらが入ってしまい、肺炎をおこすことも考えられます。消費者庁でも5歳以下の子どもに硬い豆を食べさせないようにとしているので、絶対にあげないようにしましょう[*5]。

節分の豆まきは個包装などがおすすめ

5歳以下の子どもがいる家庭や保育園などで豆まきをするときなどは、豆の代わりに紙などで行うか、個包装された煎り大豆を袋のまま、まくとよいでしょう。

また、兄弟などがいる場合、上の子が6歳以上でナッツを食べられても、下の子が真似して食べたり、拾って食べたりすることがあるので注意しましょう。

6歳以上でも食事に集中させること

6歳以上になったからといって、急に安全に煎り大豆が食べられるというわけではありません。食べているときは食事に集中し、立ち歩いたりしないように、お子さんにきちんと教えてあげましょう。食べながら大声で笑ったり泣いたりすると、その拍子に喉や気管に詰まることもありえます。また、これは大人であっても同様です。子どもはもちろん大人も、日頃から食事に集中して食べるようにしましょう。

まとめ

煎り大豆は節分のときに主に食べますが、そのほかでもおやつなどとして食べてもいいかもしれませんね。しっかり咀嚼できるのは他の大豆製品にはない利点です。大豆イソフラボンの摂り過ぎを心配する必要はありませんが、食べ過ぎると便通が悪くなる可能性があります。しっかりよく噛んで水分などとともに適量を食べていきたいですね。小さな子どもの場合は誤嚥のリスクがあるのでくれぐれも注意してください。

(文・監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

「カロリー」という表記について
本来は「エネルギー」と呼びますが、本記事では一般的になじみのある「カロリー」と表記しています。

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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