にぼしは食べ過ぎても大丈夫？健康リスクは？1日の適量と栄養のメリット【管理栄養士監修】

にぼしは出汁として使うだけでなく、そのまま食べても美味しいですよね。魚を丸ごと食べられるにぼしには、どんな栄養があるのでしょうか。

（※本記事では、以後、魚のにぼしについてご説明します。）

カタクチイワシのにぼしには、100gあたり2,200mgのカルシウムが含まれます。これは牛乳の約22倍にもあたるので、驚きですよね［*1］。にぼし100gを食べることは難しいので、現実的に2,200mgのカルシウムをにぼしで摂取することはできませんが、よくある「小魚ナッツ」にはだいたい5gのにぼしが入っています。5gでも110mgのカルシウムを摂ることができ、牛乳100mlとほぼ同じくらいとなります［*1］。少量でもしっかりカルシウムが補えるのがうれしいですね。

にぼしには魚の脂に多く含まれるDHAやEPAが含まれています。DHAやEPAはn-3系脂肪酸と呼ばれ、血中のコレステロール値にマイナスの影響を与えないなどのメリットが注目されている脂質です。

カタクチイワシのにぼしにはDHAが320mg含まれます。さらにイカナゴのにぼしだとその約2倍となる770mgです［*1］。EPAも同様の傾向なので、もしDHAやEPAをしっかり摂りたい場合は、イカナゴのにぼしを選んでみるのもいいかもしれません。もちろん、カタクチイワシでも補えるので、魚料理が足りないというときにはにぼしを取り入れてみてくださいね。

にぼしは過剰摂取のリスクのある栄養素などが少ないため、特に食べ過ぎによる大きなリスクはありません。高尿酸血症になっている場合には摂取量に気を付けましょう。

肉や魚類はプリン体が比較的多めな食品であり、にぼしも例外ではありません［*2］。では、にぼしは食べない方がよいのでしょうか？

まず、大前提として知っておきたいのは、病気がなく健康であればプリン体を特に控える必要はないということです。プリン体は痛風や高尿酸血症の主な原因と考えられがちですが、肥満やアルコール摂取の影響の方が大きいと考えられています［*3］。したがって、予防のためには暴飲暴食を控えることが大切です。にぼしのプリン体を心配しすぎることはありません。

一方、高尿酸血症になっている場合には、重症化して痛風になるのを予防するために、プリン体の摂取量を控えることは有効とされます。ただし、にぼしのプリン体の量については、種類や乾燥度合いなどがさまざまであり、細かな数値を出して比較しようとするのは現実的ではありません。煮干しを含め肉や魚を食べ過ぎず野菜を多く摂るようにし、暴飲暴食をしないように心がけましょう。

少量でカルシウムを補給できるにぼしは子どもの良いおやつにもなりますが、あげる場合には水分も一緒に用意すると安心です。にぼしは硬いので、万一のどに詰まらせてしまうことがないよう、予防として食べる前に水分でのどを潤すようにしましょう。

食べ過ぎによるリスクの低いにぼしですが、だいたいの適量がわかると食材選びの１つの目安になりますね。1日にどのくらいが適当なのでしょうか。

にぼしは1日30g程度がちょうどよいでしょう。この量でカルシウムが660mg摂れることになります［*1］。日本人の食事摂取基準では1日のカルシウムの推奨量を成人女性で650mg、成人男性で800mgないしは750mg（年齢により異なる）としているため［*4］、にぼしを30gも食べれば、かなりカルシウムの補給に役立つでしょう。

乳製品や大豆製品などにもカルシウムは含まれるので、にぼしだけでカルシウムを摂ろうとしないことも大切です。

魚をまるごと食べられるにぼしは、少量でもカルシウムの摂取などに役立つ食べ物ですね。食べ過ぎのリスクは低いですが、かといって、栄養を摂るために無理してたくさん食べるようなものでもありません。おやつのようにして食べたり、ちょっと料理に加えたりして食べられるといいですね。

（文・監修：川口由美子 先生）

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※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

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