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2023年01月16日 17:15 更新

「AM放送」と「FM放送」の違いとは?「ワイドFM」についてもわかりやすく解説

ラジオ放送のAMとFMでは、それぞれ豊富なジャンルの番組が放送されています。耳から入るリアルタイムのさまざまなニュースや気象情報、音楽などは生活に役立ったり、心地よかったりするもの。しかしこのAMとFMの違いをご存知ですか? 本記事では2つの違いと特徴をわかりやすく解説します。

この記事はこんな人におすすめ!
◆ラジオ放送の「AM」と「FM」の違いを知りたい人
◆ワイドFMについて知りたい人

ラジオ放送の流れる仕組み

まずは簡単にラジオの電波が流れる仕組みについてご紹介します。

基幹局(放送局)のスタジオで録音された音声は、電波に乗せて中継局や周辺のラジオに情報を発信します。中継局は各地のラジオに基幹局から受け取った電波を伝えます。

しかし、音はそのまま電波にすることはできません。というのも、電波の周波数よりも音の周波数の方があまりにも小さいからです。そこで、ラジオでは「搬送波」と呼ばれる周波数の高い波をつくり、それに乗せて音声を伝えています。

この搬送波に音の信号を乗せることを「変調」といいます。後に詳しく解説しますが、AM放送は「振幅(しんぷく)変調」、FM放送は「周波数変調」という輸送波を使用しています。

■ラジオは災害時に役立つ■
災害時に停電となった場合、テレビやスマホ、固定電話などの通信手段の使用が著しく制限されます。それに対し、電池で使うことができるラジオは停電の影響を受けません。また、持ち運びも容易なので、避難先などでリアルタイムの情報も得やすく、災害時には大いに役立ちます。一家に一台は常備しておきたいものです。

「AM放送」とは?

AM放送とは振幅変調のこと

AM放送のAMとは「Amplitude Modulation」の頭文字を取ったもので、日本語では「振幅(しんぷく)変調」と呼ばれています。振幅変調とは、音の信号を振幅の異なる輸送波にのせて伝える方法のことです。

AM放送の特徴

AM放送は「中波」と呼ばれる周波数の低い波を使用しています(526.5~1606.5kHz)。送信所の設置場所は、海辺や河川敷などの広い敷地内であることが多いです。

AM放送のメリットとしては電波が海外にも到達するほど、広い範囲に届くこと。また、電波が回り込みやすいため山影でも聞こえます。しかしノイズが加わりやすく、建物内では聞こえにくいというデメリットも。

ちなみに、夜間に海外の放送を受信しやすくなるのは、電波の伝わり方による自然現象です。

「FM放送」とは?

FM放送とは周波数変調のこと

FM放送のFMとは「Frequency Modulation」の頭文字を取ったもので、日本語では「周波数変調」と呼ばれています。周波数変調とは音の信号を周波数の異なる輸送波に乗せて伝える方法のこと。

FM放送の特徴

FM放送は「超短波」と呼ばれる周波数の高い波を使用しています(76.1~94.9MHz)。送信所は山頂や鉄塔などの高い場所に設置されます。

FM放送はAM放送と比べて仕組みが複雑になっており、電波が届く範囲も限られています。周波数の高い波は直進しようとする性質があるため、山などの遮蔽物を避けて電波を届けるのは苦手です。

一方、音域が広くノイズが入りにくいため、AM放送よりも高音質で聴けるというメリットがあります。そのためFM放送で音楽を扱う放送局が多く見受けられます。

AM放送とFM放送の主な違い

ワイドFMって何?

ワイドFMとは?

新しいラジオ放送の形として、ワイドFMが広まっています。ワイドFMは「FM補完放送」とも呼ばれますが、FMの電波でAMラジオの放送が聴ける仕組みのこと。AM(中波)の放送区域で、難聴対策や災害対策のためにFM(超短波)の周波数を利用してAM放送の番組を放送します。

先ほど見たとおり、ノイズが入りやすいAMよりもFMの方が音質が優れています。FMの電波を使って、ノイズの少ないAM放送を聴けるのがFMワイド放送の大きな魅力です。

ワイドFMはどうやって聴ける?

ワイドFMを聴くためには、従来のFM放送用の周波数(76.1~89.9MHz)に加わった周波数(90.0MHz~94.9MHz)に対応したラジオが必要となります。お手持ちのラジオが対応可能かどうか確認してみてください。

また、ワイドFMを聴くことができる地域については、以下の総務省のサイトで確認できます。ワイドFMに対応したFM補完中継局の放送エリア内であれば、ワイドFMを受信可能です。
総務省:全国民放FM局・ワイドFM局一覧

AM放送は大きく縮小へ向かう

2021年に入り、日本全国の民放AMラジオ47局のうち44局が、2028年秋までにFM局へ移行を目指すと発表しました。AM放送の存続が困難な理由として、送信所の老朽化、高いアンテナのため広大な敷地が必要であり、将来に渡って維持管理が難しい点などがあるといいます。

■2028年秋までにFM局に移行する民放AMラジオ44局■
青森放送、IBC岩手放送、東北放送、山形放送、ラジオ福島、TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送、栃木放送、茨城放送、アール・エフ・ラジオ日本、新潟放送、信越放送、山梨放送、静岡放送、北日本放送、北陸放送、福井放送、CBCラジオ、東海ラジオ放送、岐阜放送、KBS京都、MBSラジオ、朝日放送ラジオ、ラジオ大阪、ラジオ関西、和歌山放送、山陰放送、RSK山陽放送、中国放送、山口放送、四国放送、西日本放送、南海放送、高知放送、RKB毎日放送、九州朝日放送、長崎放送、熊本放送、大分放送、宮崎放送、南日本放送、琉球放送、ラジオ沖縄(北海道地区、秋田地区を除く44局)

まとめ

✅『AM放送』の特徴
〇電波が広い範囲に届く
×ノイズが入りやすい
✅『FM放送』の特徴
〇高音質
×電波が届く範囲が限られている
✅2028年秋までに民放AMラジオ44局はFM局に移行する

「AM放送」と「FM放送」の違いについてご紹介しました。スマホの操作やテレビ番組の視聴は、手が離せなくなってしまったり、目が釘付けになってしまったりと、動作が止まりがちですが、ラジオはただ流しているだけでリアルタイムに得られる情報がたくさん耳から入ってきます。家事や仕事、車の運転中や散歩の時間に聞いてみてはいかがでしょうか。

(マイナビ子育て編集部)

※画像はイメージです

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