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2022年08月25日 14:49 更新

大根の食べ過ぎで胃痛になる?原因は?うれしい効果もある大根の栄養とは【管理栄養士監修】

おでんやみそ汁、サラダなど食卓に登場する機会の多い大根。ダイエットや健康のためにたくさん食べることもあるかもしれません。大根の栄養にはどんな効果が期待できるのでしょうか? また、食べ過ぎによる体への影響はあるのでしょうか? 詳しく解説します。

大根に含まれる成分と効果

一年を通して市場に出回る大根。出荷の時期によって春だいこん・夏だいこん・秋冬だいこんに分かれます。青首大根だけでなく、紅心大根・ラディッシュやカブによく似た球状の大根など種類も豊富です[*1]。 非常に身近な野菜ですが、どのような栄養の特徴があるのでしょうか?

ジアスターゼ|糖質の消化酵素

大根サラダ

お餅に大根おろしをからめて食べる「からみ餅」という料理がありますが、この組み合わせは理にかなっているといえます。大根には糖質の消化酵素であるジアスターゼ(アミラーゼ)という成分が含まれており、お餅の糖質の消化を助けてくれるからです。

ジアスターゼは熱に弱いため、ジアスターゼの作用を得ようとするならば、サラダや大根おろしなど、生で食べることをおすすめします[*2]。

食物繊維|腸の健康を保つ

大根には便を軟らかくする作用を持つ水溶性食物繊維が0.5g、便のカサを増やして腸の動きを刺激する不溶性食物繊維が0.8gと、だいたい同じくらいの割合で含まれています。野菜の中で飛びぬけて多いというわけではありませんが、食物繊維は色々な食品から摂っていきたいので、大根も食物繊維の摂取源の1つに役立ってくれるでしょう。

食物繊維は便秘改善効果が期待できるほか、善玉菌の活性化にも作用するので、腸の健康を保つのにも役立っています。

イソチオシアネート|抗酸化作用

大根おろし

イソチオシアネートとは、アブラナ科に含まれるフィトケミカル(ファイトケミカル)※の一種で、大根の辛み成分です。体内の活性酸素の働きや産生を抑制する抗酸化作用が期待されています。

大根のイソチオシアネートはすりおろすことによって生成されますが、大根の部位によって含まれる量が変わり、根の先端に近づくほど多くなります。イソチオシアネートは揮発性があるので、大根の辛味を楽しみたいときは食べる直前にすりおろすのがおすすめです[*2]。

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※フィトケミカル:植物が自分にとって有害なもの(紫外線や昆虫など)から身を守るために作り出される色素や香り、辛み、粘り成分のこと。ポリフェノールやカロテノイドもフィトケミカルの一種とされる[*3]

低カロリー|ダイエットに役立つ

大根は水分が多く、100gあたりカロリー(エネルギー)が15kcalと低カロリーです[*4]。おでんやふろふき大根などの煮物にすると辛みもなく、たくさん食べることができ、カロリーを抑えながら満腹感を得たいダイエット中の食材として役立ちます。

また、一般的な大根の食べ方として、揚げ物や炒め物などカロリーが高くなる料理は少なく、煮物など油をあまり使わない料理が多いので、無理なくダイエットに取り入れやすいともいえますね。

大根は食べ過ぎたらどうなる?

低カロリーで健康効果も期待できるならば、たくさん食べたくなりますが、食べ過ぎた場合のデメリットが気になりますよね。大根の食べ過ぎは体に悪いのでしょうか?

エネルギー不足のリスク

大根は一般的な食材なので、基本的にたくさん食べても問題はありません。しかし、問題がないとはいえ1日に食べるものをすべて大根にしてしまったり、ごはんをすべて大根に置きかえるというようなことをすると、1日に必要なカロリーをとることができなくなってしまいます。他の食材とあわせて食べていきましょう。

下痢や腹痛になることも

大根に含まれるイソチオシアネートは刺激性のある成分なので、大根おろしをたくさん食べるなどしてイソチオシアネートを大量に摂取すると、胃腸に過度な刺激を与えてしまい、消化機能の低下を招く可能性が考えられます。場合によっては消化不良をきたし、胃痛・腹痛や下痢といった症状を起こしてしまうことがあるかもしれません。辛みの強い大根の食べ過ぎには注意したいですね。

大根の適量はどのくらい?

大根 煮物

基本的に食べ過ぎのリスクは低い大根ですが、他の野菜などとバランスも考えて摂りたいものです。どのくらいを目安にするとよいか、お伝えします。

1日の適量|100g程度

国民の健康づくりを目的とする国の施策「健康日本21」では、野菜を1日に350g以上食べるようにと目標を定めており、そのうち緑黄色野菜を120g以上摂るようにとしています [*5]。大根は淡色野菜なので、緑黄色野菜以外で摂りたい「230g以上」の中で目安量を考えてみます。

大根だけで230g以上を摂ってしまうとバランスがよくないので、他の野菜も合わせて摂ることを想定し、だいたい1日100g程度を目安にしておくといいでしょう。

大根おろしの適量|30g程度

大根おろし サンマ

摂り過ぎに注意したい大根おろしですが、焼き魚や肉料理に少し添えるとおいしく食べられます。和え物にしてもよいですよね。大根おろしの1回量の目安はだいだい30gがよいでしょう。特にこの量を超えたら何かがあるというわけではありませんが、大根おろしとして料理に添えるならこのくらいがおすすめです。

Lazy dummy

ちなみに、大根は94%が水分なので大根をすりおろした後に水気を切ると思いますが、絞りすぎるとパサパサになってしまいます。自然な重みで水を切る程度がおすすめです。

その他の野菜などの食べ過ぎはこちら!

大根の選び方と保存法

最後に、おいしい大根の選び方や適した保存方法をお伝えします。

大根の選び方

全体にハリとツヤがあり、ずっしりと重い大根のほうが水分があります。葉も食べられるので、葉がついている場合は、葉が鮮やかな緑色をしているものを選ぶといいでしょう。

日が経つと皮にしわが出たりスが入ることもあるので、1本をすぐに使いきれないならば、半分に切った大根を買うこともおすすめです。その場合は切り口のきめが細かく、スが入っていないものを選ぶとよいですよ[*2]。

冷蔵保存の方法

葉がついている場合は葉元を包丁で切り、ラップで包んでビニール袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で立てて保存します。葉は新聞紙やキッチンペーパーに包んでビニール袋に入れて同じく野菜室で保存しましょう。大根が大きい場合は2~3等分に切り、それぞれラップで包んで立てて保存してください。

Lazy dummy

大根は立てて保存するほうが長持ちするといわれています[*2]。

冷凍保存の方法

大根は冷凍することで繊維が壊れて味がしみ込みやすくなります。みそ汁用や煮物・おでん用など使う用途に合わせて切ってから冷凍すると便利です。使うときは解凍せずそのまま煮汁の中に入れればいいので、時短にもなりますよ。また、大根おろしにして冷凍しても、味や食感はほとんど変わらないため、おすすめです。

大根の葉は鮮度が落ちるのが早いので、すぐに食べないときは茹でて冷凍しておくのがよいでしょう。解凍後は細かく切って炒めたり、じゃこと一緒に炒めてご飯にのせてもおいしく食べることができます。

まとめ

種類も豊富な大根は、いろいろな料理に活用できますね。生で食べすぎると胃腸に負担をかけることもあるので、食べ過ぎには注意しましょう。だいこんおろしは料理に添える程度の量をおいしくいただくのがおすすめです。加熱することで甘みが増した大根もおいしいので、いろいろな料理に使い、毎日の食卓に取り入れるのもいいですね。

(文:三浦真由美 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

「カロリー」という表記について
本来は「エネルギー」と呼びますが、本記事では一般的になじみのある「カロリー」と表記しています。

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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