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2022年08月12日 15:46 更新

育児休業給付金(育休手当)の支給金額は? 計算方法を徹底解説

育休中は給与はもらえないことが多いですが、代わりに育児休業給付金(育休給付金・育休手当)を受けとることができます。でも、いくらもらえるのか、正確な金額がわかり実際に支給されるまでには、出産から5ヶ月近くかかることも……。どれくらいもらえるのか、今すぐ自分で計算する方法や、自動で計算してくれるツールを紹介します。

育児休業給付金(育休給付金・育休手当)とは? いつ、どんな条件でもらえるの?

育児休業給付金(育休給付金・育休手当)とは、子どもが生まれてすぐの時期に、一時的に仕事を休んで子どものお世話をするママとパパに向けた育児支援制度。育休期間に収入が途絶える(または、減る)ママ・パパに、給付金が支給されます

厚生労働省が管轄している制度で、給付金は雇用保険(国)から支給されます。

育休給付金を受給できる条件は?

育休給付金を受給できる条件は次のとおりです。雇用保険に加入していても、復職の予定がなかったり、過去の加入期間が短すぎたりすると、もらえないケースがあります。

<受給者条件>
■育休中に1歳未満の子どもを育てている母親もしくは父親
 (期間は、最長で2歳まで延長可能)
■育休終了後、勤務先に復帰する意志があること
■雇用保険に加入していること
(育休開始日より前の過去2年間に11日以上働いた月が12ヶ月以上ある)
■有期雇用労働者の場合、同じ勤務先に1年以上勤めていること、かつ、子どもが1歳6ヶ月になるまでの間に、契約が満了しないこと
(「同じ勤務先に1年以上勤めている」という条件は2022年10月に国の制度からは撤廃されます[*1]が、勤務先の労使協定により同様の条件が課されている可能性は高いため、要注意)

また、上記に該当している方でも、実際にその月に次の支給条件を満たしている必要があります。

<支給条件>
■月の初日から末日まで継続して雇用保険の被保険者であること
■育休中、月10日(もしくは80時間)を超えて就業していないこと
■育休中の給料は、休業前の給料の80%未満であること

育休給付金はいつ支給されるの?

育休給付金が支給されるまでには、原則、育休開始日から2ヶ月以上、3ヶ月前後かかります。

育休給付金は、育休が始まってすぐ申請できるわけではありません。不正受給防止のため、原則として「休業の事実が確認されたあと」に、2ヶ月分まとめて申請し、支給されます。

つまり、育休を10月1日から開始すると「10月分」と「11月分」を12月1日以降に申請する流れとなります。申請後、ハローワークが申請を処理し、支給を決定し、口座に入金するまでに、おおむね1~3週間かかります[*2]

ママの場合、子どもが生まれてから8週間は産後休業、その後に育児休業に入るのが一般的な流れです。育休給付金が支給されるのは、育休開始から3ヶ月前後、子どもが生まれた日からは5ヶ月近くかかると考えておきましょう。

参考記事>育児休業給付金(育休手当)の振込はいつ? 支給を早める方法は?

育児休業給付金(育休給付金・育休手当)はいくらもらえる? 計算してみよう!

育休給付金の支給額は、育休をとる直前の収入をもとに決定されます。

ご自分の収入を次の計算式にあてはめて、育休給付金をいくらもらえるのか、金額を計算してみましょう!

育休給付金は給料の何%?

育休給付金の支給額は、育休をスタートして最初の6ヶ月までは給料の67%、6ヶ月以降は少し減って、給料の50%になります。

【休業開始6ヶ月間】休業開始時賃金の日額×支給日数×67%
【休業開始6ヶ月経過後】休業開始時賃金の日額×支給日数×50%


なお、給付率が67%となる休業開始6ヶ月間とは、正確には「支給日数が育児休業を開始してから通算して 180 日に達するまでの間」とされています。育休181日めからは給付率が50%になるということですね。

また、「支給日数」とは、支給期間が1ヶ月ある場合は1ヶ月分として30日、支給期間が1ヶ月未満だったり休業終了日を含む月は暦上の日数です。

なお、育休中にも勤務先から賃金が支払われる場合、支払われる賃金が育休前の賃金月額の 30%超~80%未満であれば、育休給付金の支給額からその分は差し引かれます。支払われる賃金が育休前の賃金月額の 80%以上であれば、その月の支給条件を満たさないため、育休給付金は支給されません[*3]。

育休の期間はママ・パパの合計? それぞれ別?

育休給付金の支給額は休業開始から6ヶ月で変更になりますが、この休業開始からの期間は、ママ、パパそれぞれ別にカウントします。

たとえば、ママとパパがそれぞれ6ヶ月ずつ、合計1年間育休をとった場合、ママの育休期間についてはママの給料の67%、パパの育休期間についてはパパの給料の67%が、育休給付金として支給されます。

育休給付金を計算するための「休業開始時賃金の日額」とは?

育休給付金の計算に用いる「休業開始時賃金の日額」とは、育休をとる直前6ヶ月間に受け取った給料を、180日で割った金額のこと。ちなみに6ヶ月間の給料は手取り額ではなく、控除されている保険料などを含めた「総支給額」を指します。

休業開始時賃金の日額=育休開始前6ヶ月間の総支給額÷180

ママが育休の前に産休をとっている場合は、産休の前6ヶ月間の給料を元に計算します。

残業代や住宅手当・役職手当などは、育休給付金を計算するための「総支給額」に入るの?

「休業開始時賃金の日額」を計算するための「総支給額」には、交通費や残業代、役職手当、住宅手当などといった各種手当も含まれます

賞与(ボーナス)は、育休給付金を計算するための「総支給額」に入るの?

育休開始前6ヶ月間に賞与(ボーナス)の支給があった場合でも、「休業開始時賃金の日額」を計算するための「総支給額」に賞与(ボーナス)は含まれません

育休給付金には上限と下限がある!

育休給付金の支給額の基準となる賃金の月額には上限と下限が設けられています。これによって、育休給付金の金額にも上限と下限があります。

2022年(令和4年)8月1日時点での育児休業給付金を計算するための「休業開始時賃金月額」と支給額の上限・下限は、次の通りです[*4]。

▼休業開始時賃金月額
上限:455,700円、下限:79,710円

▼支給額
給付率67%の場合 上限:305,319円(455,700円×67%)、下限:53,405円(79,710円×67%)
給付率50%の場合 上限:227,850円(455,700円×50%)、下限:39,855円(79,710円×50%)


つまり、たとえ賃金月額が455,700円以上であったとしても、受給できる育休給付金は305,319円となり、それより多くはもらえません。反対に、賃金月額が79,710円に満たない場合でも、育休スタートから半年間は、育休給付金を53,405円は受けとることができます。

なお、給付金の支給額にかかわる賃金月額の上限・下限は、毎年8月1日に変更される場合があります。

育児休業給付金(育休給付金・育休手当)を計算してくれる便利なツール

インターネットには、出産予定日や給与などを入力するだけで、支給される育休給付金の金額を計算してくれる便利なツールも提供されています。「自分で計算するのは面倒だけど、どのツールが信頼できるの?」という方のために、おすすめのツールを紹介します!

出産関連の手当金を手軽に計算できるツール

計算機メーカーのカシオが提供する生活や実務に役立つ計算サイトKeisanでは、出産・育児前後にもらえる出産一時金・出産手当金・育児休業給付金をまとめて計算できるツールを提供しています。

出産予定日、出産日、出産する子どもの人数、給与を入力するだけで、手軽に計算することができますよ。

参考記事>手当金の手続きは忘れずに! 産休・育休中にもらえるお金まとめ

休業期間や社会保険料の免除額もわかるツール

社会保険労務士法人アールワンが提供している計算ツールです。

出産予定日、出産予定の子どもの人数、勤め先の都道府県、毎月の額面給与などを入力すると、自動的に休業期間や育休給付金など各種手当金の金額を計算してくれます。産休・育休中は原則として社会保険料が免除になりますが、その免除額も計算してくれるのがうれしいポイントです。

給与明細を見ながら細かく計算できるツール

日立ハイテクが提供している子育て支援サイトの収入シミュレーションツールです。

給与明細を見ながら、給与や残業代、家族手当、所得税、社会保険料などといった各項目を入力すると、育休給付金の金額を表示してくれます。これは給与に含むの?含まないの?などと悩む必要がないのがうれしいですね。シミュレーションの結果をCSVファイルに保存することもできます。

もらえる育休給付金のだいたいのめやすを知りたい!

育休給付金、いちいち計算まではしなくていいけど、大体の金額だけ知りたいという方もいらっしゃるでしょう。

そこで、育休給付金の、育休開始前6ヶ月間の月収の平均ごとの支給金額のめやす[*5]をご紹介します。

【月の総支給額が15万円程の場合】
*育休開始から6ヶ月間の支給額:月額10万円程
*育休開始から6ヶ月経過後の支給額:月額7.5万円程

【月の総支給額が20万円程の場合】
*育休開始から6ヶ月間の支給額:月額13.4万円程
*育休開始から6ヶ月経過後の支給額:月額10万円程

【月の総支給額が30万円程の場合】
*育休開始から6ヶ月間の支給額:月額20.1万円程
*育休開始から6ヶ月経過後の支給額:月額15万円程

育児休業給付金の正確な金額はいつ・どうやってわかるの?

支給される育休給付金の正確な金額は、ハローワークが算定し、決定します。

ハローワークが給付金の支給を決定し、支給額が確定すると、金額を記載した「育児休業給付金支給決定通知書」が交付されます。通常、育休給付金の申請は育休をとる人自身ではなく勤務先がおこなうので、「育児休業給付金支給決定通知書」もいったん勤務先に対して交付された後、育休をとっているママ・パパの手元に届きます。

支給が決定され、「育児休業給付金支給決定通知書」が発行されるのは、実際の支給日から1週間ほど前です。通知書が手元に届いて正確な金額がわかるのは、支給日の直前になると考えましょう。

すでに解説したとおり、育休給付金が支給されるのは、育休開始から3ヶ月前後経ってから。ママの場合は産休があるので、子どもが生まれた日から数えると5ヶ月近くかかります。

育休中の税金や社会保険料はどうなる?

育休給付金の金額を計算して「少ない…!」とショックを受けている方もいらっしゃるかもしれません。ちょっと待ってください。育休中は社会保険料の支払いが免除されますし、所得税も発生しません。

手取り金額が育休前の67%や50%になるわけじゃないんです。くわしく解説しますね。

育休中の税金は支払わなきゃだめ?

育休中でも、住民税は支払う必要があります。育休中に給与をもらっていなければ、給与にかかる所得税は発生しません。

住民税は、送られてくる納付書を使って払う

住民税は前年の所得にもとづいて決定されますので、育休中でも支払う必要があります。

勤務先から給与をもらっている方は、いつもは住民税は給与から自動的に天引きされています。でも、育休中に無給になる場合は、天引きできないので、ご自身で住民税を納める必要があります。市区町村から納付書が送られてきますので、銀行もしくはコンビニエンスストアで支払いを済ませましょう。

なお、自治体によっては、住民税の減免や猶予が認められていることもあります。納付書が送られてきたけれど支払いが難しいという場合は、支払期限がくる前に、納付書に記載されている自治体の窓口に問い合わせてみましょう。

所得税は、収入がなければかからない

育休中、給与をもらわなければ、給与にかかる所得税は発生しません。所得税は、稼いだお金に対してかかる税金です。育休給付金は非課税で、所得税を算定するための収入には含まれません。

ただし、育休中に給与を受け取る場合や、家賃収入など給与以外の収入がある場合は、育休中であるかどうかにかかわらず、原則として所得税がかかります。

育休中の社会保険料は支払わなきゃだめ?

育休中で育休給付金を受給している間は、勤務先で給与から天引きされている「健康保険」「厚生年金保険」の、ふたつの保険料の負担が免除されます。

免除されている期間は未納扱いにはなりません。納税期間として算出され、将来受け取ることのできる年金額が減ることもないでご安心ください。

また、「雇用保険」の保険料は、働いて給与が支払われた場合にかかります。育休中に給与がゼロになっていれば、負担の必要はありません。

社会保険料が免除になる育休期間の条件

育休期間によって、その月の社会保険料が免除になるかどうかが変わってきます。短期間の育休をとる場合や、長期でも育休を切り上げる月は、社会保険料が免除にならないケースもあります。また、条件の改正がありましたので注意が必要です。

2022年10月までの制度
月末時点で育休を取得している場合、その月に支払われる給与・賞与に係る社会保険料は免除

2022年10月以降の制度
月末時点で育休を取得している、または、同一月内に育休の開始日と終了日があり、その月内に14日以上の育休を取得している場合、給与に係る社会保険料は免除
・月末時点で育児休業等を取得していて、育休期間が1ヶ月以上の場合、賞与に係る社会保険料は免除

この改正により、ボーナス月の月末に1日だけ育休をとって、その月の給与とボーナスの両方の社会保険料を免除にすることはできなくなっています。

参考記事>知らないと損!? 育休中の社会保険料免除の条件は育休期間に注意!

育児休業給付金(育休給付金・育休手当)に関するよくある疑問を解決

育休中に2人目を妊娠したら育休給付金はもらえる?

育休中に2人目を妊娠した場合でも、1人目の育休給付金には影響しません。2人目についても、育休給付金は1人目と同じ条件で受給することが可能です。2人目だからと期間や支給金額が減ることはありません。

給付金を受給するためには「育児休業を開始した日前2年間に被保険者期間が12か月以上」といった条件が設けられていますが、この期間中に1人目の育休をとっている場合は、条件が緩和されます[*6]。

ママの場合、2人目の産休が始まる前日までは、1人目の育休給付金を受け取ることができます。2人目の産休が終わって育休が始まれば、2人目の育休給付金を受け取ることができます。

パパの場合は産休がありませんが、2年以内に1人目の子どもの育休をとっていたからといって、2人目の育休がとれない・育休給付金が受け取れないということはありません。

育休中に働いても育休給付金はもらえるの?

原則として就業不可とされていますが、育休中でも臨時・一時的な就労であって、就労後に育休に戻ることが明らかであれば、育休給付金をもらうことができます。

ただし、勤務日数や給料の額には注意が必要です。上でも解説したように、育休給付金の支給条件には、「育休中、月10日(もしくは80時間)を超えて就業していないこと」と、「育休中の給料は、休業前の給料の80%未満であること」というものがあります。

この条件を超えて働く場合は、給付金をもらえなくなるので気を付けましょう。

なお、2022年10月新設の「産後パパ育休(出生時育児休業)」では、労使協定を締結している場合、労働者が合意した範囲で休業中の就業が可能[*1]です。

育休中にボーナスをもらったら育休給付金はどうなる?

原則、育休中であってもボーナスは受け取れます。それによって、育休給付金の金額が変わることもありません。

ただし、ボーナスの算定期間中に産休・育休に入っている場合、不就労の期間があったとみなされ、ボーナスが減額されることはあり得ます。事前にボーナスの査定期間や条件を勤務先に確認しておきましょう。

なお、育休中は健康保険・厚生年金保険の保険料は免除されていますが、ボーナスを受け取った場合の所得税・雇用保険料はかかることを忘れずに。

育休給付金は退職予定があってももらえる?

冒頭でも解説したように、育休給付金の受給条件には「育休終了後、勤務先に復帰する意志があること」があるため、育休に入る前から職場復帰せず退職するつもりであれば、育休給付金をもらうことはできないというのが原則です。

しかし、育休前には復帰を考えていたものの、予定が変更となって退職に至る可能性もありえますよね。

当初は仕事に復帰する予定だったものの、結果的に育休中に退職した場合、退職してからの育休給付金は支給されませんが、それまでに受けとった給付金を返金する必要はありません。

育休を延長したら支給期間はどうなる?

保育園に入れないなどの理由で育休期間を延長する場合、育休給付金の対象となる期間も延長となります。延長した育休の間、延長前と同じ金額が支給されます。

育休期間は、原則として子どもが1歳の誕生日を迎える日の前日まで。しかし、条件によっては、子どもが2歳になるまでの期間中「1歳6ヶ月まで」と「2歳まで」の2回、延長することができます。待機児童が問題となっている地域では、保育園が見つからず、育休を延長する人は珍しくありません。

ただし、勤務先に独自の育児休暇制度があり、たとえば3歳まで育児休暇をとることができるという場合でも、国の制度である育休給付金とは関係ありません。雇用保険から育休給付金が支払われるのは、あくまで国の定める「原則1歳まで、延長すれば最長で2歳まで」となります。

参考記事>育児休暇とは? 育児休業との違いと知っておきたい9つのこと

育児休業給付金(育休給付金・育休手当)が支給されるまでの流れ

実際に育休給付金が支給されるまでの流れを確認しておきましょう。ハローワークへの申請手続きは勤務先がおこなうのが通常ですが、育休をとるママ・パパも、勤務先への報告や書類の提出などの手続きは必要です。

1.勤務先に育休取得を申請

まず、勤務先の担当部署(人事部など)に、育休開始1ヶ月前までに育休取得を申請します。

1ヶ月前というのは正式な申請の期限なので、育休を取得すると決めたら早めに上司に相談しておくといいでしょう。

2.勤務先が用意した申請書に記入

勤務先が用意した書類に、振込先の口座番号やマイナンバーなどの必要な情報を記入します。また、母子健康手帳の写しなども用意し、合わせて提出します。

参考記事>母子健康手帳(母子手帳)はいつ・どこでもらう? 必要な手続きと流れ

3.勤務先がハローワークで手続き

申請書を提出した後は、勤務先がハローワークで手続きをおこないます。

ハローワークは、受け取った書類をもとに、育休給付金の受給資格の有無を確認し、支給金額を計算します。

4.育休給付金の支給決定・指定口座への振込

ハローワークが育児休業給付金の支給を決定し、給付金の金額が確定すると、受給者の元へ、勤務先を通して「育児休業給付金支給決定通知書」が届きます。

「育児休業給付金支給決定通知書」が届いた数日後には、指定した口座に給付金が振り込まれます

パパの育児休業給付金(育休給付金・育休手当)はママと違う?

育休給付金は、パパもママと同じように、申請・受給できます。パパとママがうまく育休期間を調整することで、家計へのダメージを軽減することもできるんですよ。

育休給付金の計算方法はママもパパも同じ

育休給付金の計算方法は、パパでもママでも変わりません。すでにご紹介したとおり、次の計算式を使って、受け取れる金額を計算してみましょう。

【休業開始6ヶ月間】休業開始時賃金の日額×支給日数×67%
【休業開始6ヶ月以降】休業開始時賃金の日額×支給日数×50%

パパの育休給付金のほうが早く支給される?

育休給付金の支給条件や金額の計算方法、申請から支給までの流れがパパとママで違うことはありません。でも、ママにはある産休がパパにはないので、子どもが生まれてからパパとママが同じように休業していたとしても、育休給付金の支給はパパのほうが早いということはあり得ます。

ママは通常、子どもが生まれてから8週間は産休(産後休業)となり、育児休業が始まるのはその翌日から。つまり必然的に育休開始日は産休(産後休業)のあととなります。産後休業は原則として、出産翌日から8週間(56日)。育休は、その翌日からスタートできます。

いっぽう、パパには産休がありません。子どもが生まれた日から育休を始められます。そのため、子どもが生まれてすぐにパパが育休を取れば、育休給付金を受けとるのは、ママよりも2ヶ月ほど早くなります。

パパにだけとれる育休がある? 産後パパ育休(出生時育児休業)とは?

2022年10月から、「産後パパ育休(出生時育児休業)」という制度がスタート[*1]します。

「産後パパ育休」は、パパは通常の育休とは別に、子の出生後8週間以内に4週間までの休みを取得することができるという制度。ママの産後休暇のパパ版として創設された経緯もあって「パパの産休」などと呼ばれることもあるようです。

産後パパ育休中も、育児休業給付金(出生時育児休業給付金)を受けとることができます。

まとめ

家族が増えるとなると、なにかと出費がかさむもの。育児休業給付金(育休給付金・育休手当)をいつ、どれくらいもらえるのかを自分たちで金額を計算できれば、経済的な計画もたてやすいですね。

これから産休・育休をとる予定の方、産休・育休に入ったばかりの方は、ぜひこの記事を参考に今後の収支計画を早めに立ててみてくださいね!

(執筆:エボル/構成:マイナビ子育て編集部)

参考文献
[*1]厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」2 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和/3 産後パパ育休(出生時育児休業)の創設
[*2]東京労働局「育児休業給付金が支給される時期」
[*3]厚生労働省「雇用保険事務手続きの手引き 第11章 育児休業給付について」
[*4]厚生労働省「2022 (令和4)年8月1日から 雇用保険各種給付の上限額・下限額等を変更します」
[*5]厚生労働省「Q&A~育児休業給付~」Q 7 育児休業給付の受給できる額は、例えば1か月でどの程度もらえるのか、だいたいの金額を教えてください。
[*6]厚生労働省「業務取扱要綱 59501-59800 雇用継続給付関係(育児休業給付)」59533 (3)育児休業給付の受給資格の確認 ロ 受給要件の緩和
  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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