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2022年06月15日 17:30 更新

お口の健康、むし歯予防だけじゃない。約5人に1人の子どもに「お口ポカン」「いびき」の症状

ロッテは全国の3〜12歳の子どもを持つ親を対象に「子どもの口腔機能発達」に関する意識調査を実施。その結果、約5人に1人の子どもに「口腔機能発達不全症」 のサインである「お口ポカン」や「いびき」といった症状がある一方で、67.3%の親が「口腔機能発達不全症」という病名を知らないことがわかりました。

ロッテは、全国の3〜12歳の子どもを持つ親を対象に「子どもの口腔機能発達」に関する意識調査を実施しました。

「口腔機能」とはしっかりと食べ物を噛んで飲み込める、舌を上手に動かすことができるなど、口周りに関する基本的な機能のこと。

2018年には、15歳未満の子どもに、これらの機能が正常でない状態を指す「口腔機能発達不全症」という病名が新たに制定され、治療に公的医療保険が認められるようになりましたが、むし歯予防等に比べて「口腔機能の重要性」はまだ広く認知されていないといいます。

口腔機能が十分に発達していないことのあらわれである各症状の割合を調査すると、約5人に1人の子どもに「お口ポカン(18.0%)」、「いびき(18.8%)」の症状が見られることが判明しました。

また、6~7人に1人の子どもが 「やわらかいものばかり好んで食べている(16.0%)」、「食べ物をなかなか飲み込まない。(15.5%)」、10人に1人の子どもが「滑舌が気になる (11.5%)」、「片側の歯・顎ばかりで噛んでいる(11.0%)」といった症状が見られることがわかりました。

子どもの年齢を2歳ずつ区切って分析した結果では、3、4歳の子どもの22.5%に「お口ポカン」、3、4歳と9、10歳の子どもの25%にいびきの症状がありました。それぞれの症状を総合してみると、低年齢の子どもほど症状を持つ割合が高くなる傾向が見て取れます。

「歯」と「口腔」の意識を比較

「歯」と「口腔」の意識を比較すると、64.3%の親が「子どもの成長において『むし歯予防』を普段から意識している」と回答したのに対し、「『口腔機能の発達』を普段から意識している」と回答した親は29.5%で、3割以下となりました。

また、子どもの幼稚園・保育園・学校で、むし歯と口腔機能発達の関する取り組みが行われているかについて質問すると、「『むし歯予防』のための取り組みが行われていた」と回答した親は58.3%でしたが、「『口腔機能の発達』のための取り組みが行われていた」と回答した親は27.5%でした。

多くの親が「むし歯予防」は日常的に意識している一方で、「口腔機能」を普段から意識する機会はまだあまり多くはないことがうかがえます。

「口腔機能発達不全症」という病名は知らなくても、具体的な症状やリスクへの危機感は高い

2018年に制定された「口腔機能発達不全症」という病名の認知度はどうでしょうか。

67.3%の親が「病名を知らなかった」と回答していますが、「口腔機能発達不全症」がむし歯や歯周病、やせ、肥満を引き起こす可能性があることを伝えると、74.0%の親が「症状を改善したい・対策が必要だと思う」と答えており、病気の認知度は低いものの、具体的な症状やリスクに対する危機感は高く、改善・対策の必要性を感じる親が多いことがわかりました。

マスク生活を経て変化に気づきやすくなった?

マスク習慣での口腔機能への意識について、「ここ1、2ヶ月で、子どもがマスクを外す時間が増えた」と回答した親のうち、51.4%の人が「マスクを外す時間が増えたことによって、子どもの『歯・口』の健康状態に対する意識に変化はあった」と回答しました。

口呼吸を鼻呼吸に改善していく簡単な口の体操「あいうべ体操」を提唱している、みらいクリニックの今井一彰院長は、「日常的なマスク習慣により、テレビを見たりして集中しているときのお口ポカンや口臭といった将来の病気のリスクが覆い隠されてしまっている」とコメント。以下のように注意喚起しています。

「口元への意識が薄れてしまうと、いびきや歯並びの悪化などの増加も懸念されますし、慢性的な口呼吸を引き起こしかねません」
「口呼吸は、むし歯や歯肉炎、歯並びの悪化といった口の問題だけではなく、鼻炎、アデノイド(咽頭扁桃)肥大、中耳炎・副鼻腔炎など鼻疾患も引き起こします。普段から発音、しゃべり方などに注意し、マスクに隠された口の状態はどうなっているのだろうかと気にしてみてください。
口腔機能の健全な発達は、全身の健全な発達を促しますから、噛み応えのある食事を積極的に摂ることや口周りの筋肉を鍛える運動も推奨されます。また心配な場合は小児歯科医など専門家の診断を仰ぐようにしてください。健康な口作りは将来の病気を予防したり、健康的な生活を送るための第一歩です」

フーセンガムでトレーニング

調査を実施したロッテでは、子どもの口周りの運動のためには、「シャボン玉」や「吹き戻し」など口をつかった遊びが効果的で、フーセンガムをふくらませることは「噛む」ことに加えて「舌を動かしてガムをまとめる・伸ばす」「口をしっかり閉る」など、繊細な動きと筋肉運動が必要で口周りのトレーニングになるとして、「フーセンガムでガムトレ」を紹介しています。

合わせて、日本歯科医学会(日本歯科医学会のチェックシートを参考に作成された口腔機能の発達不全チェックも紹介しています。

日本歯科医学会のチェックシート:
https://www.jads.jp/basic/pdf/document-200401-3.pdf

【調査概要】
調査方法:WEBアンケート調査(全国)
調査対象:3〜12歳の子どもを持つ男女
有効回答数:400名
調査期間:5月20日(金)~5月23日(月)

(マイナビ子育て編集部)

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