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2022年06月14日 10:02 更新

【2022年6月】絵本のプロが選ぶ 0~5歳年齢別おすすめ6冊『さかなくん』ほか

東京は神保町にある絵本専門店「ブックハウスカフェ」が全面協力! プロが選ぶおすすめの絵本をセレクトして、毎月紹介します。

0歳向け

『うみのいきものかくれんぼ』(作:いしかわ こうじ/ポプラ社)

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海の生きものがかくれんぼしています。
最初はピンクの背景に目とひれと尾っぽ。「うろこがひかっているよ。だれかな?」
ページをめくると……魚があらわれた!
お次は赤い背景に目とふしぎな丸がいっぱい。「あしが8ぽん。だれかな?」
ページをめくると……たこでした!
さて、次に出てくる生きものはだれかな?

いろいろなかたちにくり抜かれたページをめくると、色鮮やかな背景に隠れていた生き物が現れるシンプルなしかけが楽しい一冊です。ページの端には「ぴんく pink」「さかな fish」のように日本語と英語が一緒に書いてあるのも魅力のひとつ。赤ちゃんの頃はしかけ絵本として楽しめ、少し大きくなったら言葉を覚えるきっかけになり、最後は「魚は英語でなんて言うかな?」とクイズを出して遊べます。0歳から長く楽しめる絵本です。

累計250万部を突破した、いしかわこうじさん作の人気シリーズ『これなあに? かたぬきえほん』には、どうぶつやのりものなど他にも楽しい絵本がいっぱい。気になる方は子どもたちの興味にあわせて他のシリーズもチェックしてみてください。

1歳向け

『さかながはねて』(文:中川 ひろたか、絵:森 あさ子/世界文化社)

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ねこがおいけのほとりを歩いていると……さかながはねて「ぴょん」
魚が頭にくっついて、帽子みたい
ねずみがボートに乗っていると……さかながはねて「ぴょん」
お耳にくっついた、りぼんみたい
いぬが橋を渡っていると……さかながはねて「ぴょん」
次はどこにくっついて、何になるかな?
「♪さかなが はねて ぴょん あたまに くっついた ぼうし」

幼稚園や保育園でもおなじみの手遊び歌「さかながはねて」が一冊の絵本になりました。作詞作曲はシンガーソングライターで絵本作家の中川ひろたかさん。この絵本の文章も担当しています。ワクワクする歌のメロディーと一緒に、歌ったり踊ったりしながらぜひ読んでみて。

「この手遊び歌は知らなくて……」という方もご安心を! 最後のページには楽譜と振付が、そして表紙の裏には公式動画にアクセスできるQRコードも付いています。歌と振りを覚えたら、絵本の絵にもご注目。森あさ子さんの色鮮やかな切り絵が、さらに手遊び歌を盛り上げてくれます。何人でも一緒に遊べるのが手遊び絵本の魅力。きょうだいやお友だち同士みんなでお楽しみください。

2歳向け

『きんぎょがにげた』(作:五味 太郎/福音館書店)

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金魚鉢に1匹のきんぎょがいます。突然、金魚鉢からにげだした!
どこににげた? 水玉模様のカーテンで見つけた。
おや、またにげた。こんどはどこ? 植木鉢で赤いお花のふりをしてる。
おやおや、またにげた。キャンディの瓶の中、お皿に盛られたイチゴの間、テレビの中など……。きんぎょはどこににげたかな? 隠れているきんぎょを探してみよう!

「子どものころ好きだった!」と懐かしい気持ちになる大人も多いのではないでしょうか。それもそのはず、発売から40年の間、たくさんの子どもたちを夢中にしてきたベストセラーの絵さがし絵本。40年経っても変わらず大人気で、子どもたちがきんぎょを見つけては指を指す様子を店内で何度も見ました。きんぎょがどこに隠れているかをページをめくる前から覚えていて、読み手のわたしに答えを教えてくれる子もいたほど。大人以上に子どもたちは絵をよく見ているので、きんぎょを見つけるスピードに毎回驚かされます。

大人になって改めて絵本を開くと、五味太郎さんの豊かな色彩の絵がなんと美しいのだろうと気がつきました。ついついきんぎょばかりに目が行きますが、おもちゃや家具など、きんぎょ以外にもご注目ください!

3歳向け

『魚がすいすい』(作・絵:tupera tupera/ブロンズ新社)

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大きな魚が1匹。広い海をすいすい優雅に泳いでいます。でもその後ろを見ると、小さな魚にかじられてる!?
水面には大きな魚を狙う人の姿も。そして、絵本をくるっとひっくり返すと、裏側にはまた違う海の様子が。
サメやマンボウや人魚もいるし、泳いでいる人も釣りをしている人も……にぎやかな海の世界を覗いてみよう!

ケースから細長い絵本を取り出して開くと……びっくり! ジャバラになった、ながーい絵本を広げてみると、まるで本物の海のように広々した世界が現れます。海の中や水面で起こるさまざまな出来事が「ぱくぱく」「ぐいぐい」「ぷかぷか」などのオノマトペで表現されていて、いろいろな想像が広がって楽しい! パンツを釣り上げてしまう人がいたり、こちょこちょとくすぐられている魚がいたりと、隅々までユーモアたっぷりの絵本です。

ジャバラも床に置いて広げるだけでなく、自分を囲うように立てて海の中にいる気分になったり、遠くから海を眺めるように見てみたり……広げ方を工夫して何通りも遊べます。プレゼントにもおすすめですよ。

4歳向け

『さかなくん』(著:しおたに まみこ/偕成社)

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さかなくんは小学生です。今日も学校へ行きます。さかなくんが水の外へ出るには準備が必要です。ゴムのズボンをはいたり、ガラスのヘルメットをかぶったり。外でも動けるように装備をつけて、歩いて学校へ行きます。歩くのは大変ですが、学校が大好きなさかなくん。ただひとつだけ、体育の時間だけは嫌いでした。歩くのも大変なのに走るのはもっと苦手。ある日、体育でリレーをすることに……。

著者はしおたにまみこさん。前作『たまごのはなし』(ブロンズ新社)では、第28回ブラチスラバ世界絵本原画展金牌、第27回日本絵本賞大賞など、数々の賞を受賞して多くの読者を魅了しました。今作では、魚も人間も他の動物たちも一緒に学校へ通う世界を、鉛筆と水彩で魅力たっぷりに描いています。登校中や授業中の場面の絵をよく見ると、指が上手く使えない動物は文字を書くための道具を使っていたり、鳥の体育着は羽があっても着ることができるデザインになっていたり。細かいところまで描き込んでいるところに説得力を感じる作品です。

さかなくんの日常を描いたストーリーには、楽しいこと、負けず嫌いな気持ち、むっすりすることなど、さまざまな感情が丁寧に語られています。ぜひ、さかなくんの暮らす優しい世界の物語に浸ってみてください。

5歳向け

『イワシ』(作:大片 忠明/福音館書店)

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イワシはいつも群れで泳ぐ海の魚です。イワシの群れはコアジサシなどの鳥やクジラ、他の魚、はてには人間にも狙われ、多くが食べられてしまいます。数えきれないほどいたイワシも小さな群れになってしまいますが、別の群れと出会い、合体し、また大きな群れに。そしてたくさんの卵を産み、たくさんのイワシの子どもが群れの一部になりますが、イワシの子どもも他の魚に狙われます。生き延びることができるごく僅かなイワシの子どもは1年ほどで立派な大人になり、だんだんと集まって大きな群れとなります。

皆さんは水族館でイワシを見たことがありますか? イワシの群れの泳ぎは、まるでダンスのようでキラキラしていて、水槽の前でうっとりしてしまうほど。そんなイワシが群れをつくる理由は、生き抜くため。さまざまな生き物に捕まり食べられてしまうので、集団で行動します。

ほかにもイワシが食べるプランクトンや、子どものイワシについてなど、大人も知らないイワシの生態を知ることができる一冊。科学絵本は難しそうと思われがちですが、子どもたちが「なぜ?」と興味を示したときこそ、科学絵本の出番! 知ることの面白さを体感し、さらに関心の幅が広がりますよ。

まとめ

6月になり、少し暑い日も増えてきました。
そんな日は水辺に遊びに行きたいな、というところから今月は「魚」をテーマに選書しました。
物語もあれば、ジャバラの絵本、科学絵本など、種類豊富な絵本をご紹介できたかと思います。
もうすぐ夏本番。涼をとるのに、魚の絵本を読んでみてはいかがですか?

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