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2022年06月14日 10:30 更新

二度目の男性育休で、パパが長男のケアを最優先にした理由。#男性育休取ったらどうなった?

育児休業を経験し、子育てに奮闘しているパパの声を聞いていくインタビュー連載・「男性育休取ったらどうなった?」。今回は二度の男性育休を経た夏川さんご夫妻にご登場いただきます。

長男・次男とパパも二度育休を取った夏川家

今回のパパ
夏川智さん/32歳/会社員・鉄道系

●ご家族
妻:あずささん/37歳/会社員・医療職
長男:2歳8ヶ月
次男:0歳5ヶ月

(※お名前は全て仮名です)

●夏川家の育休
第一子 2019年、産まれてから2ヶ月
第二子 2021年、産まれてから半月後〜1ヶ月

夏川智さんのタイムスケジュール(第二子育休中)

良いスタートダッシュがきれた

ーー長男・次男と、二度の育児休業を取られているんですね。最初は何ヶ月でしたか?

智さん 産後すぐから2ヶ月でした。所属している会社が男性社員の育児休業も推進しているのですが、私の勤務地はベテラン社員が多くあまり浸透していませんでした。妻の第一子妊娠がわかる1年ほど前、若手の同僚にたまたま双子が生まれて、職場で初めての男性育休取得者になりました。それで私のときは妊娠を課長に報告した段階で、「育休制度があるから取りますか?」と言ってもらえ、「取ってみようかな」と思えたんです。
期間としては「できれば3ヶ月以内にしてほしい」と言われたので、第一子は2ヶ月、第二子は1ヶ月でした。職場が家から近いのと、残業もほぼないので、なんとかなっているかなとは思います。

あずささん 第一子の時は里帰り出産だったので、最初の1ヶ月は私の実家に夫も来てくれて、一緒に赤ちゃんに慣れるための期間を過ごしました。 それから東京の自宅に戻って1ヶ月、なんとなくですが赤ちゃんとの生活リズムが掴めたような気がします。
産後の​​1ヶ月は私も体力的にしんどいし、1人目で慣れないしで、食事や洗濯を全部両親がしてくれて夫婦2人とも育児に専念出来たのが本当に良かったです。1ヶ月間、2人で育児に慣れることができたからこそ、自宅に帰って3人の生活がスタートしても安心できました。

ーーそれは良いスタートでしたね! 昨年、第二子のときも里帰り出産でしたか?

智さん 昨年はコロナ禍になっていたので、里帰りはしませんでしたが、義母が上京して家事などをサポートしてくれました。僕の一番の役割は、上の子の世話をすること。
下の子が生まれるとママがかかりきりにならざるを得ないので、上の子が不安定になるというのは、よく聞きますよね。なので、妻が赤ちゃんを見なきゃいけないぶん、僕は上の子を最優先にしました。

あずささん 実際、第二子の妊娠中はつわりだったり疲れやすかったりがあって、パパが2人で上の子と遊びに行ってくれることも助かりました。保育園の送迎も全部やってくれますし。

智さん 妻は電車通勤ですが、僕は職場と家が近く自転車で通勤できるうえ、通勤経路にある保育園に入れたんです。下の子も保育園へ行くようになったら、僕が2人を乗せて連れていきます。

あずささん 私の方が出勤時間も早く職場も近くはないので、助かっています。夫は転勤もないので、今の家の場所がベストですね。

試行錯誤してたどり着いた夜の過ごし方

ーー第一子から順調に夫婦で協力しながらの育児ができているんですね。

あずささん でも、もし次男も完全母乳だったらかなり違う状況になっていたかもしれません。

智さん 長男の時は最初3ヶ月は、母乳とミルクの混合で授乳に苦戦していました。その後、完全母乳になりましたが、長男は一度にたくさん飲むタイプじゃなかったので回数が多く、当時は夜もまともに眠れませんでしたね。2時間とか、ひどい時は1時間おきに起きていました。

あずささん 次男は完全ミルクにしています。というのも、長男の方が敏感で、私が一緒にいないと眠れないのですが、夜中の授乳の時に長男も誘発されて起きてしまって大変だったんです。
また、夜中に寝返りを打ったりして目が覚めた時、私が横にいないと長男は泣いてしまう。それが何日も続いちゃって、ちょっとこれは考えものだと……。だから、夜は私が長男と寝て、別室で夫と次男が寝ています。

ーーとなると、夜勤(夜のミルクやおむつ、夜泣き対応)は必然的に智さんが1人ですることに?

智さん そうですね。次男がちょっと泣くだけでも長男が起きてしまうので、精神的に安定が保てなくて、試行錯誤の結果、このやり方になりました。でも次男はすごくよく眠るし、夜中は多くても2回ほどしか起こされません。2人目の余裕じゃないけど、すごく育てやすい(笑)。

あずささん 私たちも多分余裕があるし、お腹の中にいた頃からうるさいのに慣れているのか、次男はちょっとやそっとの物音では起きないですね。

智さん やっぱり1人目の時は親も神経質になるというか、寝たらなるべく静かに、起こさないようにと意識していたんです。でも次男は最初からうるさい環境だったから(笑)。性格もあるかもしれませんが、とにかくよく寝てくれて助かっています。
長男は授乳してもずっと抱っこしたまま、しっかり寝付くまで時間がかかったのですが、次男はミルクを飲んでそのまま寝てくれます。

あずささん 長男の寝かしつけは本当に2人とも苦戦しましたね。寝かしてもすぐに泣いて起きたりして、もう1回やり直しとかしょっちゅうで。「何分抱っこしてたんだろう?」みたいな。今も寝かしつけはそこそこ時間がかかって、1時間絵本を読んだりするんですけど。
下の子はスムーズに寝てくれるので、結果的に「長男とママ」「次男とパパ」の組み合わせで寝ればパパも早く眠れます。とはいえ、日中の仕事があるのに夜中のミルクを頑張ってやってくれているので、すごいありがたいです。

秋生まれの次男。生後2ヶ月頃からは長男の保育園送迎やお散歩・お出かけで、寒くても毎日外出しないといけなかっらので、いつもボディスーツを着せて外に出ていました。

一緒に乗り越えた達成感を味わえている

ーーお子さんが体調を崩したときなんかは、どちらが対応することが多いのですか?

智さん 今は妻が育休中なので、下の子が具合が悪くなったら妻が対応してくれることが多いですが、育休が明けたらそれぞれ都合をつけやすい方が病院に連れて行く、という予定でいます。上の子は保育園が僕の職場から近いので、迎えに行くことが多いです。

あずささん 保育園を休むとなったら、最初は私が仕事を休んで看病して、何日も熱が続く感じだったら今度は夫に休んでもらって、という感じですね。ただ、私は看護師なのですが、勤務先の病院に職員のための病児保育があるので、熱があって保育園に行けない時は感染症などではないか受診した上でそこに預けることもできるんです。どうしても仕事が休めない時は、そこを利用することもありました。

智さん この冬、下の子が生まれて1〜2ヶ月の頃でしたが、長男が40度の発熱をした時は焦りました。まさか新型コロナじゃないか、と肝を冷やしましたね。結果、三日後に発疹が出て「突発性発疹だったね」ということで落ち着いたのですが。
やっぱり保育園に通っているので、その心配はあります。今はピークをすぎたのか減りましたが、一時期は毎日のように感染者や濃厚接触者に関するおしらせのメールが来ていました。

あずささん 1回だけ、登園自粛で自宅待機になったこともありました。同じクラスで感染者が出て、2歳なのでマスクもしておらず全員濃厚接触者になって、5日ほどお休みして様子を見ました。

智さん 幸い何もなく終わりましたが、もしコロナになって隔離するならどうするのか、長男とママを一緒に隔離で、僕が次男のお世話をするのが妥当かな、とか話し合いはしましたね。

ーーママとパパ、どちらもメイン担当者として育児をしているからできる分業ですよね。育休を取った経験が、現在の体制にもつながっていると思いますか。

智さん それはそうだなと思いますね。1人目の時は、右も左もわからなかったけれど、朝から晩までずっと子どもといられることで徐々にわかってきました。その期間ってすごく貴重だと思います。仕事のことを気にせずに2ヶ月間ずっと子どもの日々成長していく姿を見られたことは、本当に素晴らしい体験でした。

あずささん ママになったからといっていきなり子どもをどう育てるかがわかるわけじゃないので、大人がもう1人いてくれるだけで、安心感がかなりあると思いました。それこそ1人目の時は、赤ちゃんが泣いていてトイレにも行けないとか、ずっと抱っこしてて誰も変わってくれないとか、ひとりきりで育児していたら絶望的な気持ちになることってたくさんあると思うんです。

智さん 寝ないし、トイレ行けないし、ご飯食べられないし……みたいな感じですよね。育休取って家にいられれば、交代してゆっくりご飯を食べたり、ちゃんとお風呂入ったり、休息もできます。

あずささん それに、家にもう1人誰か大人がいてくれて、話が通じるというのは、かなりの精神的な安心につながるかなって思います。また、夜とかも、「明日もパパは仕事があるから」と思ったら起こしちゃダメと思うし、赤ちゃんが泣いたら早く寝かせなきゃと焦るし、そういう精神的なストレスを抱えちゃうと思う。でも「明日も仕事は休みだから」ってなると、一緒になんとか頑張れますし、どっちか交代で休んでもいいし。仕事があると夜何時以降は起こせないとか気を遣っちゃうと思うので、それがなかったのはかなり良い面でした。

智さん 育児を「一緒にやってる感」がすごい持てました。一緒に乗り越えた達成感というか……先ほども言いましたが、寝かしつけるだけでも一苦労だったんですよ、長男は(苦笑)。「やっと寝かせた!」という達成感を一緒に味わえましたね。一緒にやったからこその達成感だと思います。
日頃、仕事が忙しいと、育休に抵抗があったりとか、職場のことを考えて難しいと思ってしまうかもしれないのですが、ほんの数ヶ月ですから。それによって、その後の何年も続く育児の基盤ができます。男性も育児休業を取れますよ、ということを会社側から社員にアナウンスすることが義務化されますし、ぜひみなさん取ったらいいなあと思いますね。

(取材・文:マイナビ子育て編集部、イラスト:すみれ)

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