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2022年06月25日 13:15 更新

「うざい」「むかつく」……子どもの乱暴な言葉づかいをやめさせたいときは?『「親のひとこと」言い換え辞典』vol.6

3~6歳児の現役パパママ300人が太鼓判を押した「親のひとこと」ベスト50が一冊に!『子どもがやる気になる!「親のひとこと」言い換え辞典』(三笠書房)から、つい子どもに言いがちな言葉のベストな言い換えを紹介。今日からぜひ使ってみてくださいね。

乱暴な言葉づかいをする

大人同士の会話、テレビ……子どもは、日常生活でいろいろな言葉を覚えるもの。親の気づかぬ間に、好ましくない言葉を覚えてくることも……。

帰ってくるなり、幼稚園バッグを床に投げたコウタくん。
ママはびっくりして、思わず声を荒らげました。
「あ! 物を投げちゃ、ダメでしょ!」
そして、いくぶん声のトーンを落として続けました。
「バッグは大事に使いなさいよ」
すると、コウタくんはふてくされて、どこで覚えてきたのか、こう言ったのです。
「なんだよ、うざいなあ」
ママは、ショックを受けてしまいました。

「ママは悲しいな」と親の気持ちを伝えてみて

子どもは「むかつく、うざい、キモイ」といった、人をののしる言葉や乱暴な言葉を覚えやすい傾向があります。
ネガティビティ・バイアス」と言って、人はネガティブな情報に目がいきやすいもの。ネガティブな情報や、それに接する自分の気持ちを言い表す言葉は、そもそも人が使いやすいのです。親としてはやめさせたいのはやまやまですが、乱暴な言葉は、荒ぶる感情を表すのに使い勝手がいいのです。
脳は「主語を区別できない」といいます。人を傷つける言葉を吐くのは、そのまま自分を傷つけるのと同じこと。言ったほうも、言われたほうも気分が悪くなります。
また、他人が人をののしったり、傷つけたり、乱暴な言葉を使っているのを見るだけでも、生産性や創造性に悪い影響があることもわかっています。ですから、乱暴な言葉は、できるだけ親も使わず、子どもにも使わせないことが大切です。

子どもが暴言を吐いたら、次の3つを教えてあげましょう。
「①なぜいけないかどう言ったらいけないかどう言ったらいいのか
特に①で、暴言は人をとても嫌な気持ちにさせることを伝えましょう。③で言い換えが可能なら、その表現を使うように教えてあげてください。

お母さん、お父さんへのアドバイス

乱暴で粗野な言葉づかいは、人を傷つけたり不快にさせることを教えてあげて。それを聞いた人が「ひどいな」「嫌だな」「傷つく」などと思うことに、子どもは気づいていないので、教えてあげると効果的です。「自分が言われたら、どうかな?」と自己反省を促してあげるのも手。

「ムカつく→怒っている」「うざい→イライラする・ほっておいてほしい」「キモい→苦手・嫌だ」「うるせえ→聞きたくない・静かにしてほしい」など、どう言い換えればいいのかを教えてあげて。そうした言葉づかいをせずに会話ができるように、サポートしてあげましょう。

もっとやる気にさせる応用フレーズ

うざい、って言われるとママはすごく傷つくなぁ

自分が言われたら、どんな気持ち?

(子どもの声かけ検討委員会・著、堀田秀吾・監修『子どもがやる気になる!「親のひとこと」言い換え辞典 』(三笠書房)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)

書籍『子どもがやる気になる!「親のひとこと」言い換え辞典』について

子どもがやる気になる!「親のひとこと」言い換え辞典
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(2022/5/19 時点)

3~6歳までの子どものパパ、ママ300人にアンケートを行い、「どのような声かけをすれば、子どもがやる気になるのか」を徹底調査。
現役のパパ&ママが太鼓判を押したベスト50の声かけが掲載されています。

「ありがとうが、言えない」「嫌いな野菜が、食べられない」「できるのに、やりたがらない」……など、誰もが経験する育児シーンで、言いがちな言葉を効果的な言葉に言い換えて、お悩みを解決。親子のコミュニケーションを楽しめるようになります。

言いがち 「早く起きないと、遅れちゃうでしょ!」
おすすめ 「10数えるうちに起きないと、くすぐっちゃうぞ」

言いがち 「静かにしなさい!」
おすすめ 「ママにだけお話聞かせて?」

言いがち 「ほら、眠いんでしょ」
おすすめ 「じゃあ1分、とりあえず目をつぶってみよう?」

などなど、具体的な声がけの例と先輩パパ&ママのアドバイスが満載です。

堀田秀吾先生のプロフィール

明治大学法学部教授。法と言語科学研究所代表。
専門は社会言語学、理論言語学、心理言語学、神経言語学、法言語学、コミュニケーション論。研究においては、特に法というコンテキストにおけるコミュニケーションに関して、言語学、心理学、法学、脳科学など様々な学術分野の知見を融合したアプローチで分析を展開している。執筆活動においては、専門書に加えて、研究活動において得られた知見を活かして、一般書・ビジネス書・語学書を多数刊行している。アイドルのプロデュースから全国放送のワイドショーのレギュラー・コメンテーターなど、研究以外においても多岐に渡る活動を見せている。

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