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2022年06月12日 19:02 更新

夫や妻が家計管理に協力してくれない……。そんなときのやりくり術って?『共働き夫婦 最強の教科書』Vol.4

子育てと仕事の両立が思った以上に大変で、家計管理がうまくいかないという人は少なくないはず。内藤眞弓さんの著書『3000以上の家計を診断した人気FPが教える お金・仕事・家事の不安がなくなる 共働き夫婦 最強の教科書』(東洋経済新報社)は、家族が笑顔で支え合うためのマネープランの作り方をわかりやすく紹介しています。

夫婦どちらかが情報共有に消極的な場合のやりくり術

夫婦の風通しをよくして一緒に考えるのが理想かもしれません。ところが相手のあることですから、ソッポを向かれてしまうと一筋縄ではいきません。ご夫婦そろって、あるいは結婚を控えたカップルが相談に来ることもあるのですが、合意のもとでやってくるパターンと、嫌がる相手を無理矢理引っ張ってくるパターンがあります。嫌々ながらも、一緒に来ていただければ、ひとまずスタートラインにはつくことができますが、どちらか1人でやってくるパターンだと、相談内容を共有できているかどうかが気になります。

嫌がる相手を無理矢理FP(ファイナンシャルプランナー)相談に引っ張り出すのも、家計と向き合い、将来に備えて貯蓄をしようとしてのことだと思います。決してFPに説教をしてもらうのが目的ではないはずです。相手の興味のツボを探して、何とかソッポ状態を回避する工夫をしましょう。

反射的な防御本能かも

夫がお金の話を避けたがるのは、「小遣いを減らされる」とか「稼ぎの少なさを責められている」と身構えるため、妻がFP相談に消極的なのは、「家計管理のまずさを指摘されるかも」と腰が引けるためであることが多いようです。実際、妻が家計簿をつけることすら嫌がる夫もいますし、反対に、赤字であることを夫にいえなくて1人で悩む妻もいます。まずはそのような疑心暗鬼や秘密主義を回避し、情報をオープンにして事実を把握することが先決です。

とはいえ、なかなか情報が共有できないのは、自分のお金の使い方に口出しされたくないとか、家計に抱いている「赤字黒字に一喜一憂してもしょうがない」「なんだかミミッチイこと」というイメージのためかもしれません。

そのような防御本能を解体するためには、「夫婦なんだから平等に家計運営にかかわるべき」といった「べき論」は、ひとまず引っ込めましょう。 「必要なときに必要なお金が出せるように」「将来もできるだけ自由にお金が使えるように」ちょっとだけルール作りをしようというところからスタートです。

たとえば、子どものための支出は厭わないという相手なら、子ども関連の支出と教育費積立を中心に割り振るなど、夫婦それぞれの担当領域を決め拠出額を確定します。それぞれの譲れない部分に折り合いをつけつつ、必要なお金が確保できる仕組みを作ります。それ以外は自由に使っていいことにし、あとは粛々と実行できるようにします。

ただし、相手が興味を持つかどうかにかかわらず、 1年に1回、ライフプラン表をもとに進捗状態を報告することだけは実行してください。2人でスタートラインに立つことさえできれば、少しずつ望ましい展開に持っていける可能性は高まります。

年齢構成の変化と子どもの教育費をリンクして考えることによって、夫婦単位での今後の収入の見通しを話し合うことにもつながるかもしれません。同じ会社に勤めていない限り、お互いの人事体系などはわかりません。教育費がピークになる年齢と、収入が減少する年齢とが重なることに気づいたり、相手が自分の収入より少なくても、その収入があるからこそ、家計が回っていることに気づいたりします。このような話し合いができるようになれば、2人で問題点の洗い出しを行って、危機感を共有する ことができ、将来のピンチを回避する手段を考えることも可能です。

ともに同じ方向を向いて、手を取り合って家計運営に携ることをあるべき姿ととらえる人には、多少の不満が残るかもしれません。また、「なぜ自分だけが」と理不尽さを感じるかもしれません。しかし、これからもともに生活していこうと考えるなら、うるさがられたり、ソッポを向かれたりしてはもとも子もありません。そもそも人が考える「こうあるべき」は普遍的なものではなく、その人自身の価値観であるため、相手を納得させるのに十分なものではありません。

多少時間がかかっても、ゆっくり協力体制を築いていけるような工夫をしていきましょう。家族の旅路は長いのですから。

POINT

必要なお金を確保したら、残りはおおらかに

(内藤眞弓『3000以上の家計を診断した人気FPが教える お金・仕事・家事の不安がなくなる 共働き夫婦 最強の教科書』(東洋経済新報社)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)

書籍『3000以上の家計を診断した人気FPが教える お金・仕事・家事の不安がなくなる 共働き夫婦 最強の教科書』について

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共働き家庭が増えている昨今。仕事に家事に育児と、毎日やることだらけで、とにかく忙しくて大変、家計管理もままならない……という方も少なくないのではないでしょうか。

『3000以上の家計を診断した人気FPが教える お金・仕事・家事の不安がなくなる 共働き夫婦 最強の教科書』(東洋経済新報社)は、ファイナンシャルプランナーの内藤眞弓さんが、共働き夫婦が暮らしやすくなるためのお金・家事・育児・職場・人間関係のコツをわかりやすく紹介しています。

夫婦で一緒に読んで、毎日の暮らしをもっと楽にしてみませんか?

内藤眞弓さんのプロフィール

ファイナンシャル・プランナー
1956年香川県生まれ。大手生命保険会社勤務の後、ファイナンシャルプランナー(FP)として独立。1996年から約5年間、公的機関において一般生活者対象のマネー相談を担当。現在は、金融機関に属さない独立系FP会社である生活設計塾クルーの創立メンバーとして、一人一人の暮らしに根差したマネープラン、保障設計等の相談業務に携わる。
FPとしての活動は四半世紀を超え、相談件数は累計で約3000件。共働き夫婦からの相談も多く、個々の家庭の考え方や事情に合わせた親身な家計アドバイスが好評。著書に『医療保険は入ってはいけない!』(ダイヤモンド社、累計8万部)など。講演・セミナー等の講師としても活動。

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