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2022年05月27日 16:55 更新

きな粉は食べ過ぎても大丈夫? 1日どのくらい? きな粉の栄養のメリットも【管理栄養士監修】

牛乳やヨーグルトに混ぜたり、トーストにかけたり、きな粉は手軽にたんぱく質などの大豆の栄養が手軽に摂取できるので、健康のために取り入れている人も多いでしょう。確かに栄養豊富なきな粉はおすすめの食品ですが、摂れば摂るだけ良いというわけでもありません。食べ過ぎのリスクと適量をお伝えします。

きな粉を食べ過ぎるとどうなるの?

きな粉もち

パウダー状のきな粉は手軽に大豆の栄養を摂取でき、普段の食生活にも取り入れやすいですよね。健康にも良さそうですが、食べ過ぎてしまうとどんなリスクがあるのでしょうか?

リスク① カロリーオーバー

きな粉は大さじ1杯(8g)でも36kcalあります[*1]。一見少ないように感じるかもしれませんが、これは木綿豆腐50gとほぼ同じカロリーです。水分の多い豆腐と比べると、きな粉は重さあたりのカロリーが高くなります。

牛乳やヨーグルトと合わせることが多いですが、スプーン何杯ものきな粉をプラスしてしまうと、カロリーが増えることは覚えておきましょう。

リスク② 便秘になる

きな粉には食物繊維が豊富に含まれます。食物繊維には大きく水溶性食物繊維と不溶性食物繊維というタイプがありますが、きな粉に多いのは不溶性食物繊維。「食物繊維は便秘改善に良いから摂れば摂るほどよい」と思うかもしれませんが、不溶性食物繊維は水に溶けにくいため、大量に摂取すると便を硬くし、かえって便秘を招く恐れがあります。

食物繊維の効果を得るには、水溶性と不溶性のバランスも大切です。食物繊維はさまざまな食品に含まれるので、特定の食品のみから摂取するようなことにならないよう、注意しましょう。水溶性食物繊維は海藻類や果物などに多く含まれます。

大豆イソフラボンの摂り過ぎになる?

きな粉

大豆製品であるきな粉には大豆イソフラボンが含まれます。大豆イソフラボンは健康効果が期待される一方で、過剰摂取のリスクの可能性もあるとされます[*2]。

しかし、これまで日本では大豆製品が日常的に摂取されてきましたが、それによる健康被害が出たことはありません[*2]。そのため、きな粉を食べることによる大豆イソフラボンのリスクを過剰に心配する必要はないでしょう。

ただし、お伝えしたとおり、きな粉の食べ過ぎにはその他のリスクもあります。食べ過ぎても大丈夫ということではないので、くれぐれも適量を心がけましょう。

なお、大豆イソフラボンの特定保健用食品などもありますが、これらは通常の大豆製品よりも大豆イソフラボンが強化されているため、注意が必要です。特定保健用食品からの大豆イソフラボンの摂取は1日30mg(大豆イソフラボンアグリコン換算)が望ましいとされます[*2]。習慣的に摂取する場合には、パッケージで含有量を確認するようにしましょう。

きな粉は1日どのくらいがいいの?

食べ過ぎのリスクにも気を付けながら食べたいきな粉ですが、適量はどれくらいなのでしょうか? 

適量の目安|1日大さじ1杯(8g)程度

きな粉は手軽に栄養が摂れるためおすすめの食べ物ではありますが、栄養はさまざまな食品から摂ることが大切です。きな粉は1日あたり大さじ1杯(8g)程度にしておきましょう。特定の食品のみで摂りたい栄養素を摂取するのではなく、あくまでもバランスの良い食事を意識できるとよいですね。

大豆などの食べ過ぎについてはこちら

きな粉の栄養のメリットは?

食べ過ぎには注意したいですが、きな粉にはメリットもたくさんあります。適量を取り入れれば体に必要な栄養素の補給に役立ってくれるでしょう。きな粉に含まれる栄養素にはどんな効果があるのでしょうか?
 

たんぱく質を手軽に摂取できる

きな粉 牛乳

きな粉は大豆を粉にしたものなので、大豆のたんぱく質がそのまま含まれています。

たんぱく質は筋肉や臓器、皮膚などの主な構成成分であり、ホルモンなどを作る働きがあったり、体のエネルギー源にもなるなど、とても重要な栄養素です[*3]。たんぱく質が不足すると筋力の低下や免疫機能の低下などを引き起こす可能性があります[*4]。

きな粉には大さじ1(8g)中に約3gのたんぱく質が含まれています。これは木綿豆腐40gと同じくらいの量です[*1]。そのまま使えるきな粉は手軽に料理にプラスでき、その取り入れやすさが魅力ですね。

たんぱく質はきな粉のような大豆製品のほかにも肉や魚、卵、乳製品などの食品から摂ることができます。1つの食品からだけではなく、複数の食品からしっかり摂ることが大切です。

鉄が豊富

きな粉にはミネラルの1つである鉄が豊富に含まれています。鉄を含む植物性食品の中ではトップクラスです。

鉄が不足すると貧血になり、疲れやすくなる、頭痛、息切れなどの症状がみられるようになります[*3]。また、月経のある女性は特にしっかり摂りたい栄養素です。鉄不足が気になる方は、ヨーグルトやごはんにきな粉をふりかけるなどとして、ちょい足ししてみてくださいね。ビタミンCを一緒に摂取することで吸収率をアップさせることもできますよ。ビタミンCは果物や野菜に多く含まれています。

なお、鉄は植物性食品よりも肉や魚などの動物性食品に含まれるものの方が吸収率がよいので、それらも組み合わせて摂るようにしましょう。

カルシウムを補える

きな粉にはカルシウムも含まれ、大さじ1で15mgを摂取できます[*1]。特別に多いというわけではありませんが、カルシウムの主な摂取源である乳製品が苦手だったりすると不足しやすいと考えられるので、きな粉のような大豆製品も日頃から摂るようにすると、カルシウムを補うのに役立つでしょう。

カルシウムは骨や歯を形成する重要な栄養素であり、骨粗しょう症を防ぐためにも不足しないようにしっかり摂る必要があります。

食物繊維とオリゴ糖が腸に働く

きな粉ヨーグルト

きな粉に含まれる不溶性食物繊維は、摂り過ぎるとデメリットになる恐れがありますが、適量の範囲であれば、便のカサを増やして腸の運動を刺激し、便通を促す作用があります。ただし、きな粉には水溶性食物繊維が少ないため、海藻や果物などから補うようにしましょう。水溶性食物繊維は水に溶けてゼリー状になる特性があり、便を柔らかくするのに役立ちます。

また、きな粉には大豆オリゴ糖が含まれているのもポイントでしょう。オリゴ糖はビフィズス菌などの腸内細菌のエサとなって腸内環境を良くする効果があります[*5]。きな粉は腸で働く食物繊維とオリゴ糖が一緒に摂取できる食品なのですね。

子どもは食べてもいいの?

きな粉はおやつとしても取り入れやすい食べ物です。そこで最後に、赤ちゃんもきな粉を食べられるのか、見ていきましょう。

きな粉は離乳食の初期から大丈夫

きな粉は体の成長に重要なたんぱく質や、骨を強くするカルシウムがたっぷり含まれているため、お子さんにもおすすめの食品です。赤ちゃんでも食べることができ、離乳食の初期から使うことができます。粉状なのでおかゆなど水分が多いものに混ぜて与えるようにしましょう。おかずに少し混ぜるだけで風味を変えることもできるので、チャレンジしてみてください。

ただし、大豆アレルギーが心配な方もいるかと思います。初めてのときはできるだけ赤ちゃんもお母さんも体調の良い日を選ぶとよいでしょう。何かあったときのために、病院の開いている午前中に食べられるとより安心ですね。

まとめ

きな粉は普段の食事に取り入れやすく、不足しがちな鉄やカルシウムなどを手軽に摂取することができる、おすすめの食品です。ただし手軽な分、食べ過ぎにつながりやすい面もあるため、適量を意識しながら摂取するようにしましょう。バランスの良い食事を心がけ、取り入れることができると良いですね。

(文:山田奈都乃 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

「カロリー」という表記について
本来は「エネルギー」と呼びますが、本記事では一般的になじみのある「カロリー」と表記しています。

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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