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2021年03月01日 11:03 更新

【医師取材】妊娠検査薬の正しい使い方のコツと判定結果の見方とは?

妊娠したかなと思ったら「妊娠検査薬」を使ってみましょう。近年では、承認審査を通った製品であればどれも精度が高いです。ここでは、妊娠検査薬の正しい使い方や判定結果の見方、選び方のポイントなどについてお伝えします。

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妊娠検査薬を使う目的とは

妊娠検査薬の使い方を知る前に、まずは何のために使用するのか、その目的をきちんと理解しておきましょう。妊娠検査薬は、妊娠の有無を判断・確定するために用いるものではありません。では、何のために使うのでしょうか? それは、妊娠の可能性について確かめ、早い段階で医療機関の検査につなげるためです。

妊娠初期の12週ごろまでは、脳や臓器など、赤ちゃんの重要な器官が作られる時期です。そのため、この期間は栄養摂取や医薬品の使用に特に配慮しなければならず、喫煙や飲酒、感染症などにも一層の注意が必要です。妊娠しているかどうかを知る段階が早いほど早期から気をつけることができ、その分赤ちゃんと母体へのリスクを低くすることができます。

生理が遅れているなど妊娠の疑いがあるときは、まず妊娠検査薬を試し、陽性反応が出たら速やかに医療機関で確定診断を受けて適切な対応をとることが大切です。

妊娠検査薬の正しい使い方

妊娠検査薬の使い方をレクチャーする画像
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それでは、妊娠検査薬の正しい使い方について見ていきましょう。

使用する時期はいつ?

一般的に、妊娠検査薬は生理開始予定日の1週間後からの使用を推奨しています。妊娠検査薬は、尿に含まれる「ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)」と呼ばれるホルモンの濃度によって妊娠の可能性を判定するものです。通常、妊娠すると排卵日から14日前後でhCGは「50mlU/mL」以上に達し、その後も妊娠10週ごろまで分泌量は増加し続けますが、妊娠検査薬ではこの値を検出感度(陽性反応が出る値)としています。たとえ妊娠していたとしても、hCGの濃度が検出感度に達していないと陽性にはなりません。妊娠を待ち望むときは生理が遅れたらすぐにでも確かめたい気持ちになりがちですが、正確な結果を得るためにも、推奨時期を守るようにしましょう。

どうしても早く確認したいという場合は、「早期妊娠検査薬」というものも市販されています。これは、hCGの濃度が「25mlU/mL」で反応する仕様となっているので、「生理予定日当日」から判定が可能となっています(海外製品ではより早い時期から使用可能としている製品もあります)。ただし、人によりhCGの分泌量とその増加していくスピードには違いがあります。あくまでも早期妊娠検査は参考としてチェックするという感覚を持ちましょう。

妊娠検査薬、早期妊娠検査薬ともに事前に説明書をよく読み、使用方法を確認しておきましょう。検査時期を間違えると本当は妊娠しているのに陽性反応が出ない(これを偽陰性と言います)ことがあります。「一般的な妊娠検査薬」と「早期妊娠検査薬」を間違えて購入するなどして、適切でない時期に検査してしまうケースで起こりうることなので、気をつけてください。

妊娠検査薬の正しい使い方は?

検査可能な時期になってから使用することが大切です。また、妊娠検査薬には「使用期限」があります。使用期限が切れた製品だと正確に判定できないことがありますので、入手してから時間が経過した妊娠検査薬は必ず使用期限を確認してください。

なお、基本的には朝・昼・夜のいつの尿でも検査可能ですが、一般的に朝起きてすぐの尿は一日の中で一番濃いので、hCG濃度も比較的高い可能性があると考えられています。水分をたくさん飲んだ後はhCG濃度が薄まって正確な判定が出ないケースもあるようなので、検査は適切と思えるタイミングで行ってください。

また、時間がたった尿は雑菌の繁殖などによって正確に判定できない可能性があります。採尿してから検査する場合は尿を長時間放置せず、できるだけ早く検査しましょう。

このほか、製品によって独自の注意点がある場合もあるので、説明書をしっかり読み、使用上の注意をきちんと守ることも大切です。以下、妊娠検査薬を正しく使うためのチェックポイントの一例をご紹介します。

・尿にひたす時間(判定が出るまでの時間)は、製品ごとに異なる場合があります。

・判定結果は「妊娠検査薬を水平にした状態で待つ」などの条件のある場合があります。

その他の注意点

妊娠検査薬は温度の影響を受けることもあります。そのため、使用する場所の温度が高すぎたり低すぎるときも、正確な結果が出ない可能性があります。同様に、高温になるところに長期間置いていたり、冷蔵庫などの温度が極端に低い場所に保管していたものも判定が鈍る可能性があるので、注意してください。

判定結果の見方

正しい使い方で妊娠検査薬を使う女性
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続いて、判定結果の見方について見ていきましょう。

陽性反応は線が出るなどの目立つサインで表れる

妊娠検査薬の陽性サインは製品ごとに異なりますが、主に「判定窓に線が出る」などの目立つサインで表れます。具体的なサインについては必ず説明書で確認してください。また、判定結果とは別に終了・確認のサインも出ます。これは、検査自体が正常に行われたことを確認するためのものであって、妊娠反応の有り無しとは異なります。この終了・確認のところに線が濃く出て判定窓には線が出ない場合、検査反応自体は終了し陰性だった(妊娠の可能性は低い)と考えていいでしょう。

なお、陽性反応が出た場合は「妊娠した可能性が高い」と捉えましょう。ただし、妊娠検査薬だけで正常な妊娠かどうかの判別はできません。検査薬はあくまでも早期判定の補助であることを忘れず、陽性反応が出たら速やかに産婦人科に行き、妊娠に間違いないか、正常に妊娠しているかを診てもらいましょう。

陽性と出なくても妊娠の可能性がある?

承認審査を通った信頼できる妊娠検査薬であれば、その精度はかなり高いとされます。しかし、「実は妊娠しているのに陽性反応が出なかった」という場合もあります。この場合、可能性として考えられるのは、検査薬を適切なタイミングや正しい方法で使わなかったということでしょう。生理周期が不規則な人は、生理開始予定日の予想を間違うこともあると思います。

陽性反応が出なくても、その後生理が始まらない場合は再検査をしてください。再検査でも反応が出なかったのに引き続き生理が始まらないときは、一度医療機関を受診しましょう。続発性無月経(生理が3ヶ月以上止まってしまうこと)などの病気の可能性があります。

妊娠検査薬の選び方

使い方を知っておきたい妊娠検査薬
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妊娠検査薬は各種メーカーから市販されています。どの検査薬を選べばいいのか判断に困ることもあるかもしれません。選ぶポイントやおすすめをご紹介します。

ドラッグストアや通販でも買える?

妊娠検査薬は誰でも手軽に入手することができます。薬局はもちろん、ドラッグストアや量販店、さらにはネット通販などでも購入可能です。ただし、妊娠検査薬は家庭で普通に使用できる一般用検査薬(第2類医薬品)と、病院でも使用している体外診断用医薬品に分かれています。後者は早期妊娠検査薬の一部で「第一類医薬品」の扱いのため、薬剤師のいる薬局でしか購入できません。

選ぶポイントは?

さまざまなメーカーから出ていますが、日本国内の承認審査を通ったものであれば基本的にどれでも問題ありません。判定の正確さに関しては、多くの製品で「99%以上」としています。したがって、価格の高さ=高精度となるわけではありません。検査の方法や推奨時期などを見比べ、総合的に自分にとってより良いと思えるものを選びましょう。

おすすめの妊娠検査薬

最後に、一般的に多く利用されている妊娠検査薬の一例をご紹介します。選ぶ際の参考にしてください。

■【第2類医薬品】ロート製薬 ドゥーテスト・hCG 妊娠検査薬 1回用

【第2類医薬品】ドゥーテスト・hCG 妊娠検査薬 1回用
¥ 597 (2021/03/01時点)
(2021/01/27 時点)

■【第2類医薬品】アラクス チェックワン 2回用

【第2類医薬品】チェックワン 2回用
¥ 740 (2021/03/01時点)
(2021/01/27 時点)

■【第2類医薬品】オムロン クリアブルー 1回用

【第2類医薬品】クリアブルー 1回用
¥ 547 (2021/03/01時点)
(2021/01/27 時点)

まとめ

妊娠検査薬は、妊娠の可能性を知ることができる有用な製品です。ただし、これだけで正常な妊娠と確定することはできないので、あくまでも補助と捉えましょう。また、フライングで妊娠検査薬を使うと、検査結果が陰性になる可能性があります。一方で早々に陽性反応が出る場合もあります。妊娠の兆候が見られたら、まずは市販の妊娠検査薬でチェックし、陽性なら早期に病院で診察を受けることが必要です。このように妊娠を確認するようにしましょう。

※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビ子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.07.02)

※記事の修正を行いました(2019.06.11)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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